三鷹市美術ギャラリー「発掘された珠玉の名品 少女たち 夢と希望・そのはざまで」を観たのでございます。
https://mitaka-sportsandculture.or.jp/gallery/event/20241214/
写真撮影は、このバナーのみ可。
星野画廊の企画展で、星野画廊コレクションから前・後期合わせて約120点の展示。
お題は「少女たち」じゃが、少女だけでなく様々な女性たちが描かれておりまする。
殆どがわたくしの知らない作家なのも興味深うござります。
構成は以下の通り。気になった作品の一部もリスト順に。
【第1章:明治の少女たち】
・笠木治郎吉《花を摘む少女》1897-1912 紙・水彩
絣の着物を着て籠を背負った少女が、植木ばさみで菊の花を摘んでおる。
くっきり眉と、日焼けしてない白い肌も綺麗。
・作者不詳(Tani)《覗き見する少女》1901-1912 紙・水彩
豪華な着物や簪をつけた少女が、襖の影からこちらを覗き見ておる。
【第2章:四季のうつろいの中で】
・作者不詳(数馬)《窓辺御簾美人》1926-1935 絹本彩色
着物姿の色っぽい美人さんが、絵の中から簾を上げて顔を出す、騙し絵チックな描き表装。
簾の一部や右手や左袖が、絵の外に飛び出しておる。
・堀井香坡《桃の節句》1912-1920 絹本彩色
二曲一隻の屏風で、振袖姿の可愛いお嬢様が市松人形を抱いて遊んでおる。丸窓の外は満開の桃の花。
・田代正子《娘》1940 絹本彩色
目に飛び込む薄ピンク。可愛い少女の振袖は赤の総絞り、黒い帯には外国船の線描。
・岡田幽明《鸚鵡》1912-1926 絹本彩色
中国の衣装の少女は後姿で顔は見えぬが、美人な雰囲気ありあり。
少女を見下ろすコバタン(キバタン?)可愛い。
【第3章:大正の個性派画家たち】
・岡本神草《拳の舞妓》1922年頃 絹本彩色
拳遊びでキツネのポーズをとる舞妓さんが怖い~。
てのひらも盛り上がっておるし、キツネが化けておるのやも知れぬ(こらこら)
入口のバナーに作品の一部分が。
解説パネルに《拳を打てる三人の舞妓》の切り離された絵画と残存部分の写真もあり、興味深うござりました。
・増原宗一《舞妓》1916-1920 絹本彩色
ブルーの着物の舞妓さん。軸装の日本画じゃが、立体的で一見すると油彩画のよう。
紫がかった茶色に葉っぱ模様の帯が、ウィリアム・モリスっぽくて良き。
【第4章:夢見る少女たち】
・幸田暁冶《双子》1970年 紙本彩色
上下に並んだ双子の姉妹、パイナップルのような髪型も表情も不思議ちゃん。
青い海と赤い服のコントラストが鮮やか。
入口のバナーに作品の一部が。
・幸田暁冶《舞》1975 紙本彩色
画面右上の小さな蝶と、チョウチョのような不思議ポーズの少女。
フィギュアスケーターのジャネット・リンをイメージして描いたんだそうな。
【第5章:歴史画に見る少女たち】
・佐治大輔《楊貴妃》1912-1926 絹本彩色
花鳥や龍の模様のゴージャス衣装、精巧な細工の装身具、高価そうな家具や縦断、バックの山水画などが、余白皆無でみっしり緻密に描かれてツボ。
楊貴妃のお顔が好みでないのがちと残念(こらこら)
【第6章:慈しむ母として】
・樋口富麻呂 《和楽図》1927-1945 絹本彩色
平安貴族の夫妻と4人の子供が、野原で寛ぐの図。
キャプションの「いにしえのゆるゆるファミリー」がピッタリ過ぎて笑ってしもうた。
特に夫の顔がゆるゆる過ぎw
・秦テルヲ《慈悲心鳥の唄》1923年頃 麻布・彩色
森の中、母親と3人の子供と犬。全体的にグリーンの画面で、母子たちも自然の一部のようで、聖母子像のようにも見えまする。
【第7章:モダンガールズ】
・粥川伸二《娘》1928 絹本彩色
日傘をさして聖書(?)を持った娘。黒地に黒い模様のお洒落な日傘、わたくしも欲しい。
着物の下にチェックのブラウスを着ておるが、これはモガの着こなしなのかの?
バナーに作品の一部が。
・下村良之介《たこ焼き》1980 紙本彩色
たこ焼きを食べる舞妓さんの上半身なのじゃが、お顔は激しくひしゃげておるし、ろくろ首じゃし、インパクトありありで怖い~。
・島崎鶏二《朝》1934 キャンバス・油彩
かの島崎藤村の息子との事でビックリ。
朝の海辺の女性の図。どんなシチュエーションなのか気になる~。
【第8章:日仏画家の競艶】
・ラファエル・コラン《『アフロディット』挿絵原画題名飾り》1909 キャンバス・油彩
ここでコランが観られるとは思わんかった。
・太田喜二郎《花摘図》1911-1912年 キャンバス・油彩
明るい光の中、赤い花を摘む外国の女性が点描で描かれておる。
全く知らなかった作家たちの作品を観ることができ、キャプションも丁寧でわかりやすく、楽しゅうござりました。
会期は3月2日まで。
会期中一部展示替えあり、前期は明日1月26日まで。後期は1月28日からじゃ。
さて、三鷹では行きたいカフェがあったのじゃが、展覧会をゆっくり観てたらお供のEの仕事時間が迫り、涙の断念。
仕事帰りにミスタードーナツで、ミスド×ピエール マルコリーニのショコラ・フランボワーズ ファッションとショコラ・ムー ファッションをお持ち帰り。
ショコラ・ムー ファッション美味しいぞよ。1ダース持ってまいれ~。
★本の話:其の壱
ピエール・ルメートル『僕が死んだあの森』
らしかさん情報が気になって読んでみたのじゃ。
これは救いがないし切ない。
主人公に共感はできぬが、あの時すぐに正直に告白しておれば人生変わったのにのぅ(それじゃ小説にならんw)
★本の話:其の弐
白川紺子『烏衣の華』
この作家の『後宮の烏』シリーズを読んでいたゆえ、こちらも読んでみた。
『後宮の烏』よりちょっと後の時代じゃが、あの千里が主人公の祖父になってて、烏妃らしき人の話もちょこっと出た。
面白かったので2巻も読まねば。
★嬉しい話
明日1月26日(日)の13:55から、テレビ朝日(地上波!)で「羽生結弦 Echoes of Life」の特別番組が放送されるのじゃ!!!
https://www.tv-asahi.co.jp/echoes_of_life/index.html
わたくしは埼玉公演の楽日を最前列で観たが、素晴らし過ぎて記憶が飛んでしもうた。
明日、お供のEは仕事の合間に一旦帰宅し、リアタイすると申しておる(うちは録画ができぬからの)
お時間のご都合つくお方も、ぜひぜひご覧くださいまし。
ちなみに来月の千葉公演は、初日のチケットは確保しておるが、大楽は落選続きなのじゃ。
昨夜の3次先着は時間前から待機するも、秒殺で惨敗。
うわ~ん、大楽も現地で観たいぞよ~!