前回の日記の続きでございます。
Bunkamuraギャラリーの後は、渋谷区立松濤美術館「美ら島からの染と織 ─色と文様のマジック」を観ましたのじゃ。
https://shoto-museum.jp/exhibitions/184okinawa/
(展示室以外は写真撮影可)
お供のEは沖縄が大好きじゃからの(と言うても石垣島に何度か行っただけじゃがw)、沖縄の染織物にも興味があるのじゃ。
本展は琉球国王尚家伝来の染織品を中心に、同地で発達した高度な染織文化を紹介。
展示替えは3期に分かれておりまして、今は2期目のB期。
構成は5章で、地下の第1会場は第1章、第2章、第4章、2階の第2会場は第3章と第5章。
なので観た順の構成で、お気に入りや気になった作品はリスト順に挙げておくぞよ。
まずは地下の第1会場から。
【第1章 紅型-沖縄の至高の染色品】
18~19世紀の素晴らしい染めの衣装。国宝もあるぞよ。
《黄色地鳳凰蝙蝠宝尽青海立波文様紅型綾袷衣裳》国宝 18-19世紀 絹
鮮やかな黄色地に、カラフルな鳳凰と水玉模様のコウモリが可愛い。
《白地松桜紅葉亀松皮菱繋文様紅型木綿衣裳》国宝 18-19世紀 木綿
少年用衣装も華やか。四季の植物と蓑亀の柄で、背景の石畳のような松皮菱繋ぎが印象的。
《木綿白地牡丹模様衣》19世紀 木綿
牡丹唐草のような文様が綺麗。
リストの第4章に記載の型紙《①牡丹模様白地型紙》(19世紀/ 1978年頃 和紙/豆腐)と並べて展示で、観比べられまする。
《木綿水色地菊水に団扇模様衣裳(裏:木綿花色地菊水に団扇松桃模様)》19世紀 木綿
こちらも第4章に型紙《②流水に菊葵団扇模様白地型紙 》(19世紀/ 1978年頃 和紙/豆腐)があり、並べてではなく背後のガラスケースに展示。
《木綿浅地松竹梅に菊文様紅型袷子供衣》19世紀 木綿
ブルーの地に朱色などが鮮やかな子供用の衣装で、背中に幼児を守るおまじないの背守(マブヤーウー)が6カ所も。
【第2章 沖縄の織】
沖縄は湿潤亜熱帯の気候ゆえ、独特な繊維素材もありますのぅ。
《白地緯絣桐板衣裳》18-19世紀 桐板
士族だけが身につけた色絣。材質の桐板(トゥンビャン)が気になる。
《浅地緯絣麻衣裳》18-19世紀 麻
見るからに涼しげな麻地の、士族の夏物衣装。一見地味じゃが手の込んだ織り。
《木綿紺地経緯絣衣裳》20世紀初期 木綿
袖丈が短い「ドゥスディー」なる衣装。モノトーンの十時絣がレトロモダン。
【第4章 沖縄染織の道具】
先ほど第1章でも書いた型紙や、道具の展示。紅型の制作工程の解説パネルもあり。
ささ、お次は2階の第2会場じゃ。
【第3章 多彩な染織品の数々-着物以外の染織品】
《御絵図帳(7冊のうち3冊)》国宝 18-19世紀 紙本着色
琉球国王時代、王家が着用する織物を発注する際の絵図面で、織物図案が実寸大で描かれておりまする。
【第5章 伝統を伝えて-現代の染織品】
現代の作家たちによる復元と創作の作品で、ガラスケースなしに展示のものも多いのが嬉しゅうござります。
《絹草花模様両面紅型衣裳》玉那覇有公(1936年-/重要無形文化財 紅型 保持者)作 2006年頃 絹
透けるほど薄い白の絹地に、花と葉のパターンを横にずらして繰り返した柄。
全然似てないけど、パッと見モリスのような印象でお気に入り。
《縮緬黄色地雲鳳凰と松藤に雀竹と牡丹衣裳》玉那覇有公(1936年-/重要無形文化財 紅型 保持者)作 2015年頃 絹
紅型と聞いて、真っ先にイメージするような色と柄。
鮮やかな黄色地にカラフルな鳥や牡丹や竹など。鳥ちゃん可愛い。
《芭蕉・朱地経縞緯絣衣裳(復元)》平良敏子(1921年-/重要無形文化財 芭蕉布 保持者)作 1996年 芭蕉
煮綛(ニーガシー)した芭蕉糸で織られており、つややかな橙色の地色が美しく、控え目な縦縞と絣模様も上品。
これは着てみたいぞよ~。
《花織衣裳(マサチューセッツ州セイラムに所在するピーボディ・エセックス博物館所蔵染織品の復 元製作)
》宮平初子(1922年-/ 重要無形文化財 首里の織物 保持者)作 2008年 絹
沖縄の海の如き青一色の衣装。
《絹花色地雲龍文様紅型衣裳》知念績弘(1905-1993年/沖縄県指定無形文化財 紅型 保持者)作 1980年頃 絹
ハデハデぶりが目を引いた衣装で、花色(ハナイル)と呼ばれるピンク地に、黄色のドラゴンが飛び交うの図。
もちろん赤、青、緑、白なども使われておりまする。
琉球国王の衣装も現代の創作衣装も素晴らしく、観応えござりました。
会期は9月23日までじゃが、最初に書いた通り展示替えがございます。
A期は既に終了し、B期は9月8日まで、C期は9月10日から。
A期を観逃したのは残念じゃったが、C期もまいりますぞ。