ウェネトさまの館

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「ラファエル前派の軌跡展」(三菱一号館美術館)

2019年04月08日 06時23分24秒 | 展覧会・美術関連

先月、会期始まった次の日に観に行って、もう3回も観ておるのに、まだ書いていなかった展覧会でございます。

三菱一号館美術館「ラファエル前派の軌跡展」
https://mimt.jp/ppr/
(一部写真撮影可)


 

ラファエル前派は大大大好きで、今年は本展の為にサポーター入会(1年間何度でも観放題)したと言うても過言ではないのじゃ。

英米の美術館所蔵所蔵の絵画を中心に、写真、ステンドグラス、織物、家具など約150点の展示。
この美術館の雰囲気もピッタリでございます。

構成は以下の通り。主なお気に入りや気になった作品もリスト順に。

【第1章 ターナーとラスキン】

最初にターナーとラスキンが取り上げられておるのが意外じゃったが、ラスキンがターナーを見いだして高く評価し、前衛のラファエル前派同盟を擁護したのですな。

最初にターナーが5点、その後ラスキンがずら~り並んでおるが、そういえば副題が「ラスキン生誕200年記念」じゃった。

・ジョセフ・マラード・ウィリアム・ターナー《カレの砂浜-引き潮時の餌採り》
ターナーは好きでして、まず水彩画が思い浮かびまするが、こちらは透明感ある油彩。

・ジョン・ラスキン《渦巻レリーフ-ルーアン大聖堂北トランセプトの扉》
扉の装飾の一部分が、紙にセピアと白色のボディカラーで本物そっくりに描かれておる。
ラスキンは、職人の個性や技能の差があらわれやすい、こうした装飾の部分を好んだそうな。

【第2章 ラファエル前派】

この章の最初のお部屋のみ写真撮影可なのじゃ。嬉しいのぅ。
全ての展示室が写真撮影可なら、もっと嬉しいのじゃがのぅ(こらこら)


 

このお部屋はロセッティが多く展示されておりますが、ここだけの話、ロセッティの描く女性の顔はゴツくて、イマイチ好みではないのじゃ(ごめんなさい~・逃)
わたくしはミレイが好きでして、油彩は2点ございました。 

撮ったお写真の一部をば。

・ジョン・エヴァレット・ミレイ《結婚通知-捨てられて》1854年 油彩、板


 

以下6点は、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ。ペン画がツボじゃ。
《王妃の私室のランスロット卿》1857年 ペン、インク


 

《ジョージ・プライス・ボイスとファニ・コンフォース》1859年頃 ペン、インク、紙


 

《ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)》1863-68年頃 油彩、カンヴァス
本展のメインビジュアル。
ラスキンから花が雑だと描き方を批判されたロセッティは、数回にわたり全体を描き直したんだそうな。


 

《クリスマス・キャロル》1867年 油彩、カンヴァス


 

《祝福されし乙女》1875-81年 油彩、カンヴァス


 

《ムネーモシューネー(記憶の女神)》1876-81年 油彩、カンヴァス
パンジーは記憶の暗示、右手の容器に入った水を飲むと過去を完全に思い出せるんだそうな。


 

・ジョン・ロバート・パーソンズ《ジェイン・モリス》1865年 湿板写真
ラファエル前派のミューズ、ジェイン・モリスのお写真じゃ。


 

・ウィリアム・ホルマン・ハント《甘美なる無為》1866年 油彩、カンヴァス


 

ここから先は写真撮影不可。ヒューズ大好きなのじゃが、残念よのぅ。

・アーサー・ヒューズ《音楽会》
楽器を奏でる女性が美しい~。
膝にすがる小さなお子も愛らしく、背後の男児も美男子に成長する予感ありあり。

・アーサー・ヒューズ《マドレーヌ》
《音楽会》の女性と構図もそっくりじゃ。と思うたら、《音楽会》の女性の習作として描かれたそうな。
ゆえに当然こちらも美女で、左手に持った宝石箱から右手で取り出した珊瑚のネックレスを眺めるの図。

【第3章 ラファエル前派周縁】

・ウィリアム・ヘンリー・ハント《ヨーロッパカヤクグリ(イワヒバリ属)の巣》
以前観た時も緻密細密さに驚いた水彩画じゃが、鳥の巣や青い卵、土や石の感触まで感じられまする。
もう1点の水彩画《果実-スピノサスモモとプラム》も。

・ウィリアム・ダイス《初めて彩色を試みる少年ティツィアーノ》
少年ティツィアーノの真剣な表情が愛らしく、木々や草花の緻密な描写も凄い。
もう1点の油彩《アラン島の風景》も好みじゃった。

・フレデリック・レイトン《母と子(サクランボ)》
以前観た時も美しさに見入ったお気に入り作品で、再会できて嬉しゅうござります。
肌やドレスや絨毯の質感や、サクランボの透明感も美しいのぅ。

・フレデリック・サンズ《ヴァルキューリ》
ドラマチック~。

【第4章 バーン=ジョーンズ】

エドワード・バーン=ジョーンズの作品が、25点ほどまとまって展示。
バーン=ジョーンズも好きなのじゃが、今回ツボる作品はあまりなかったのぅ。

【第5章 ウィリアム・モリスと装飾芸術】

モリスとバーン=ジョーンズは親しく、共同で手がけた作品も多いのじゃ。
モリスが設立した「モリス・マーシャル・フォークナー商会」(1875年以降は「モリス商会」)の壁紙、織物、家具、ステンドグラスなども展示。

・モリス・マーシャル・フォークナー商会《シンデレラ》
シンデレラの物語の6枚のタイルから成るパネルで、デザインがバーン=ジョーンズ、絵付はルーシー・フォークナー。

・モリス商会《3人掛けソファ》
3人掛けとな?5人は座れるじゃろ?と密かにツッコミ入れたクルミ材の長椅子。

・モリス・マーシャル・フォークナー商会《a巻物を持つ天使(左)b巻物を持つ天使(右)》
個室に鎮座まします可愛いステンドグラスで、形も天使の羽根のよう。

3階のフォトスポットでひとやすみ。


 

グッズでは、モリスの壁紙を使った素敵パッケージの紅茶が、1つ1つ柄の出方が違って気になったぞよ。
会期は6月9日まで。ご興味ある方はお早めにの。

観終わって、タイアップデザートを食すべく、Café 1894へ。


 

ファム・ファタル・ルージュをお願いいたしまする~。


 

メインビジュアルのロセッティ《ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)》をイメージしておるのですと。
フランボワーズムースに突き刺さったスポイトの、薔薇のシロップを注いで食べるのじゃ。
美味しゅうござりますが、酸味もけっこうございます。
練乳も頂けるとありがた・・・(ばきっ)

今度行ったら、HANAMIフェア限定のフランボワーズのムースと桜の最中も食べてみようかの。