ウェネトさまの館

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ビスうさ・ウェネトと申します。
どうぞごゆるりとおくつろぎ下さいまし。

「ショーン・タンの世界展」(ちひろ美術館・東京)

2019年05月26日 06時16分41秒 | 展覧会・美術関連

一昨日は、ちひろ美術館・東京「ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ」を観たのでございます。
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/91789/


 

ちひろ美術館、何と3年近くご無沙汰じゃった。
が、ショーン・タンの日本初の大規模個展とあらば、観逃す訳にはいかぬのじゃ。

原画、習作、スケッチや絵コンテ、立体作品、資料、映像などなど約130点、たいそう観応えあり、ショーン・タンの奇妙で不思議で奥深い世界に引き込まれたぞよ。
展示室には絵本も置かれ、見比べる事もできまする。

出品リストも、決まった順路もありませぬゆえ、観た順の構成と、お気に入り作品なども挙げておきまする。

まずは、お2階の【展示室2】からまいるぞよ。(展示室以外は写真撮影可)


 

★[アライバル]

約5年もの制作期間を経て2006年に発表された、移民をテーマにした深い作品。
本は全6章、128ページもあるのじゃが、言葉はひとつもなく絵だけで物語が進み、サイレント映画を観るようじゃ。

鉛筆で緻密に描かれた原画は、不思議な世界や不思議な生き物たちがたいそうツボ。
原画の他にも、スケッチ、習作、写真による習作、映画『アライバル』コンセプト・スケッチなども展示され、完成までの過程も見えて興味深うござります。
映画が完成したら、絶対に観たいぞよ。

原画の一部をば。 
《到着する船》
不思議な国の港に着く、移民を乗せた巨大な船。
空には、鳥と蝶を合わせたような、白い小さな生き物がたくさん飛んでおる。
千と千尋に出てくる、紙でできた式神のようじゃのぅ。

《風船と町並み》
不思議な町の奇妙な建物や乗り物などが緻密に描かれ、綺麗な翼の巨大な鳥のような生き物が卵を抱いて立っておる、お気に入りの絵。
隅々まで目を凝らして、舐めるようにじっくり観てしもうた。
フライヤーの裏に、この作品の写真が載っておりまする。


 

《部屋のなかの生き物》《最初の目覚め》
1枚の紙に、《部屋のなかの生き物》は7つ、《最初の目覚め》は11のシーンにコマ割りされた絵。
主人公の男が住む事になった家にいた奇妙な生き物と、男の困惑ぶり。

奇妙な生き物は、金色の素敵フライヤーにいるこの子じゃ。可愛いのぅ。わたくしの家にも現れぬかのぅ。


 

★[内なる町から来た話]

最新作(邦訳仮題)で、都市の中の動物をテーマにした25編の寓話から、4点の原画が展示。
キャプションにストーリーも書かれ、分かり易うござります。

《クマ》
ストーリーがじわじわ怖い~。

《オウム》
床に開いた丸い穴から、巨大なオレンジ色のオウムの頭がこんにちは。ブルーグリーンの大きな目も可愛い。

★[油彩-観察的小品]

タンが訪れた世界各国の都市の情景の油彩で、風景だけでなく静物や自身のアトリエも。

《ホテルの地下、東京》
奥行き感に雰囲気あり。

《ホテルの部屋、スイス、ローザンヌ》
山吹色の室内、窓の外は青と、鮮やかな色彩。

お次は1階の【展示室4】じゃ。

入るとまず、メルボルンにあるアトリエの写真や、「ショーン・タン インタビュー」の2本の映像。
アトリエの机も再現。机の上や壁のたくさんのドローイングは、会期中も本人から送られてきて追加されるそうな。
タンの手帳もございます。

『鳥の王さま ショーン・タンのスケッチブック』
鉛筆画とボールペン画。楽しい。

『セミ』
人間の会社で、スーツを着て17年間も真面目に働くセミ。
人間に馬鹿にされ足蹴にされる姿が哀れで、人間に怒りを覚えまするが・・・
ドンデン返しなラストの絵の色彩も強烈。
絵本の最後には芭蕉の句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」 トゥク トゥク トゥク!

立体作品の『セミ』もおりまする。
緑色のセミ、灰色スーツの腕は4本、足が短くてズボンがダブダブ。愛おしいのぅ。

★[遠い町から来た話]

15の短編から成っておるのじゃ。

『エリック』
とある人間の家族の元に、交換留学生としてやって来たエリック。
奇妙なエリックの行動も、ホストファミリーのお母さん曰く「お国柄」(いったいどんなお国じゃ~?w)
小さな鉛筆画17点のうち、じわじわ感動なラストシーンだけ色が使われておるのも効果大。

しかしなんじゃの、エリックが交換留学生なら、人間もエリックの国に留学しておる訳で、どんな暮らしをしておるのかも気になるのぅ。
それ以前に、人間が住めるほど大きな部屋があるのかのぅ。

『エリック』は単独でも絵本になっており、本のサイズもちっちゃいのじゃ。
フライヤーにもおるぞよ。この子がエリックじゃ。


 

★[夏のルール]

ふたりの少年が習得した16の「ルール」
《知らない人に鍵を渡さないこと》《パーティで残った最後のオリーブに手をださないこと》などの様々なルール、どの絵もちょっと怖くて楽しい。

★[ロスト・シング]

奇妙な生き物「そいつ」の居場所を探す少年。
この作品を元に、9年の歳月をかけて映画化した『ロスト・シング』はアカデミー賞を受賞しておるそうで、映画のスケッチもございます。

この展示室の中央には立体作品もあり、砂紋からカエルが頭と両手を出している《カエルの王さま》など、楽しい作品ばかりじゃった。

タンの絵本は展示室の他、2階の図書室にまとめて置かれており、座ってゆっくり読む事ができまする。
全部読んでまいりました。


 

“ちひろの庭”を眺めてひと休み。


 

今年のツボな展覧会ベスト10に入れたいほど好みな展覧会でありました。
会期は7月28日まで。入館料800円。ご興味ある方はぜひ。
わたくしも再訪する所存にござります。
9月21日から、京都にも巡回するそうな。

【展示室1】【展示室3】は、「ちひろが描いた日本の児童文学」同時開催。
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/28327/
会期は同じく7月28日まで。

さて、上井草駅からすぐの、昭和レトロなサンドイッチ屋さん、カリーナに初潜入しましたのじゃ。


 

色んな種類があるが、どれにするかのぅ・・・やはり最初は好物の・・・

タマゴサンドをお願いいたしまする~。


 

ふわふわの食パンに、たっぷりタマゴ。
さっぱりしたお味ゆえ、10個くらい食べられそうじゃが自重w

高円寺で、まちかんさんと月1のブラックマウンテンの会なのじゃ。


 

新作のメロンパフェをお願いいたしまする~♪

ど~~~ん!


 

何と!いまだかつて見たこともない衝撃のお姿じゃ。
2種類のメロンと2スクープのメロンアイス、クリームやらパイ生地やらドライフルーツも入って美味しいぞよ。
前回のイチゴパフェも凄かったが、今回は更にインパクト増しましたのぅ。

ちなみにイチゴパフェのお姿はこちら。


 

マンゴーパフェや白桃パフェも、今後ぜひ作ってくださいまし~!

まちかんさんから、ヨックモック×アナ・スイのコラボ菓子と、三國屋善五郎の白桃麦茶を頂いたぞよ。


 

アナ・スイの鳥と花の缶が可愛くて感涙。何を入れるかのぅ。(中身は既にお腹の中)


 

白桃麦茶は、お味は完全に麦茶なのに白桃。
甘みはないのに仄かな甘みも感じて美味しいぞよ。
他にも色々なフルーツの香りがあるそうじゃが、全部試してみたいものじゃ。