Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

「紅梅」と「がん患者」

2011-08-31 14:44:33 | 日記

「紅梅」津村節子著(文藝春秋刊)、「がん患者」鳥越俊太郎著(講談社刊)を読んだ。「紅梅」は著者の夫吉村昭のがん闘病と死を妻の津村節子が純文学に昇華させたという本。かたや「がん患者」は鳥越俊太郎の自らのがんとの闘いをかつては新聞記者だった事実を追い詰める徹底した観察の記録です。「紅梅」は物語と事実との二つの流れの融合がしっくりしなくて軽い読み物の感じで小説にしたのがもったいない。鳥越の「がん患者」は壮絶な闘いのはずが彼の持ち前の明るさで、事実はしっかり読み手に伝わるが悲壮感はない。彼の視点は面白く笑える所もあるのです。これから残った時間を楽しむために幾つかの事に挑戦したいと言って、まず髪にパーマをかけると言うおバカな事…これは似合わなかった。次は筋肉トレーニング、筋肉がついてきて、老後は安心。三つ目は社交ダンス、タンゴを格好よく踊りたい(女優の杉本彩と)…など面倒くさかったり、無理だと思っていた事をやってみたいと書いています。それにしても彼等は著名人、一般人が多くの良い医者に出会え、かような手厚い治療が受けられるかは疑問です。