Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

バルザックと19世紀パリの食卓 アンカ・ミュルシュタイン著 (白水社)

2013-04-11 16:35:05 | 日記

白水社刊の本は難しい物が多いが、意外と楽しく読めて嬉しかった。ミルシュタインはパリの伝記作家で19世紀の食文化をバルザックの小説などを通して見た。食べ物や料理を書くことによって、登場人物の内面の精神や家庭のレベル、社会の様子を表していると言う。スープのおいしそうな匂いは家事が万全になされ、円滑に生活が営まれている事を物語る。けちな登場人物はスープをカラスから取る…など。何が美味しくてどのように調理するかと言うのではなく、その食の裏側の人物の性格、家庭の雰囲気、社会の様子を汲み取る。「行き過ぎは何でも人生を短くしてしまう」と言うバルザックの哲学は「美味し過ぎる食事は横隔膜の中の第二の脳によって脳を消滅させる。偉人と言われる人は総じて食べる事には節制を守っていた」と”従兄ポンズ”に書いていると言う。”従兄ポンズ”読んで見たいと思う。そう、何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。