昨夜民放BSでドナルド・キーンと瀬戸内寂聴の対談を見た。共に91歳だと言う。三島由紀夫と川端康成の話が特に興味深かった。お二人とも両人と親交があり寂聴が無名の頃ファンレターを三島由紀夫に出して返事を貰い、ペンネームも選んで貰ったと言う事はよく話している。”金閣寺”は火を放つのは主人公と解っていながら読者を最後まで引きつけて離さない、その凄さ三島の筆力をキーンさんは讃えています。大岡昇平が「ノーベル賞が二人を殺した」と言ったが、三島由紀夫が受賞していたらあのような道へは進まなかったであろうし、川端康成が受賞しなかったら自殺はしなかったのではとキーンさんは言っているがとても納得できる。三島の弟がポルトガルで大使をしていた時寂聴は会ったが、彼は「兄はノーベル賞を貰うべきだった」と盛んに言っていたそうです。私も三島由紀夫にノーベル賞をあげたかったなあ。老年の彼の作品も読みたかった。でも、円く穏やかになった彼の作品なんて面白くないと思うが。キーンさんは驚く事に伊勢神宮遷都に4度も参加したそうで、回を重ねる毎に日本の精神文化の造詣が深くなる様子。”不易と流行”は相反するものでなくお互いに融合し合いながら進むものと話された。しかし古典に対する愛情は深いんですね。東北や福島の問題も未解決なのに、2020年の東京オリンピック開催はお二人とも反対、秘密保護法も憂いて居られる。昨年日本国籍を取得したキーンさん十年後もお元気な姿が拝見出来ます様に…心を打ついい番組だった。