236点にも及ぶ作品のシャガール展を見た。鮮烈な色彩に溢れた数多くの彼の作品を十分に堪能し素晴らしいひと時だった。彼のデザインしたバレエ「ダフニスとクロエ」の衣装もシンプルだがファンタスティックでとても心地よい感じがします。シャガールはパリ、オペラ座の天井画も描きその下で数回「ダフニスとクロエ」は上演されたと言いますから贅沢な事です。彼はロシアからパリへ亡命したユダヤ人、何時も彼の脳裏には故郷ヴィテブスクがあり、作品には故郷の思い出が何処かに描かれている事で有名です。赤と青などどう考えてもマッチしない色がシャガールによれば華やかに美しく描き出されるのですから不思議です。第二次世界大戦後、シャガールはステンドグラスや陶器、タペスリーなどにも旧約聖書に基ずく思想を展開し手がけたと言う。前衛絵画は全く好きではない私ですがシャガールの幻想的な絵は部分的に見ながら理解して行く…その過程が楽しい。10年前の南仏のシャガール国立美術館、ロシアのプーシキン美術館、東京藝術大学のシャガール展、横浜美術館のプーシキン美術館展そして今回のS市立美術館のシャガール展と私のシャガールの旅はこれからも続くと思う。