お好み夜話-Ver2

龍の刺青女のお話し

すごーくエグイ、「犬神家の一族」を数十倍ドロドロにしたようなお話だ。

舞台はスウェーデン、かといって「ABBA」の歌みたいに爽やかではなく、吹雪と白夜の陰鬱な情景は「ぼくのエリ200歳の少女」を思わせる。

(今回は、ネタばれするようなことは一切書かない)

そう、「ぼくのエリ200歳の少女」がハリウッドでリメークされたように、この「龍の刺青の女」いや、「ドラゴン・タトゥーの女」もスウェーデン映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」を下敷きにしている。

原作はスウェーデンの作家・故「スティーグ・ラーソン」のベストセラー3部作小説の第1作。

ハリウッド版は当然ながら会話は英語で、原作やスウェーデン版を忠実になぞっていくが、やはり所々にハリウッド的演出がなされ、これまた「ぼくのエリ200歳の少女」とハリウッド版「モーリス」と同様、雰囲気の違いを感じさせる。


このお話しの肝は、「ドラゴン・タトゥーの女」天才的ハッカーで調査員の「リスベット・サランデル」の人物像だ。

心と身体に深い傷を抱えた24歳の「リスベット」は、その過酷な過去ゆえ感情表現が乏しく、ボディアーマーのようにタトゥーやピアスを身に付けた、痩せて青白い肌の少年と見紛うような外見をしている。

この「リスベット」をスウェーデン版では「ノオミ・ラパス」が強烈な存在感で演じ、第2作・3作の公開が待ち遠しいほどだった。

ちなみに「ノオミ・ラパス」は、もうすぐ公開の「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム 」にも出ているし、あの「エイリアン」の前日譚「プロメテウス 」の主演だというから、これからも目が離せない女優だ。


さてハリウッド版「リスベット」だが、すでにアカデミー賞の主演女優にノミネートされている「ルーニー・マーラ」はどうかといえば、見事に化けたなという感じ。

原作とスウェーデン版を研究しつくした結果の完璧なコビー、一部ミッション・インポッシブルかよっ、という場面もあるにはあるが、これはまあハリウッド映画だから許すし、まあお見事。

「リスベット」がよしとしたら、今度はもう一人の主役、雑誌「ミレニアム」の敏腕ジャーナリスト「ミカエル・ブルムクヴィスト」だが、これは少々違和感がある。

だって、007の「ダニエル・クレイグ」なんだもの。

スウェーデン版の「ミカエル・ニクヴィスト 」(役名もミカエルだから、ちょっとややっこしい)と比べるとマッチョすぎるし、雑誌記者らしくない。

が、この「ダニエル」さん、007同様こっぴどく痛めつけられる。

そしてそれが妙にハマる。

マッチョなのに天性のMっ気俳優なのだろうか ?

いずれにしても好みの問題だが、スウェーデン版の「ミカエル」のが性にあっている。

ちなみにこの「ミカエル」さんは、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 」で憎々しい役どころで「イーサン・ハント」とバトルを繰り広げている。


さあて、これ以上書くと核心に触れてしまうのでやめとくが、ハリウッド版もスウェーデン版同様2時間30分を超える上映時間なので、しっかりトイレに行っといたほうがいい。

しかしお話しに夢中になれば2時間半も気にならないが、エグイシーンが苦手な人には辛いかもしれない。

だがお話しのわかりやすさは、このハリウッド版に軍配が上がる。

最後に余計なことだが、劇場でモザイクがかかっている映像を見たのは久しぶりだった。



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