19世紀のカナダで不義の子として生を受けた「ジェームス・ハウレット」は、ヒーリング・ファクターという彼をほぼ不死の状態にする能力で長い時を生き抜いてきた。
あらゆるものを切り裂く超金属アダマンチウムの爪を拳から出して獣のごとき闘争心で敵を倒し、最強のミュータントとして戦いの人生を歩んできた彼は、地球上からミュータントが絶滅しかけている2029年変わり果てた姿で片足を痛々しく引きずっている。
共に隠遁生活をしているのは、90歳を超えて自分の超絶パワーを制御できずに薬漬けになっている「チャールズ・エグゼビア」。
どうしたのだ❓
「恵まれし子らの学園」は❓他のX-MENたちはどこへ行った❓
ズタボロになって傷も癒えず、酒をかっ喰らっては倒れるように寝、生きる目的を失ったウルヴァリンからは獣の目は消え失せ、小さな文字を見る時は老眼鏡をかける始末。
ローガンが老眼!(◎_◎;)
乾いた荒野に砂が舞い、一匹狼のウルヴァリンが衰弱したプロフェッサーXの車椅子を押し、シモの世話をする。
打ち捨てられた廃工場の壁にかかっているのは古びた日本刀‼️や「マヤ」さんのアメリカ土産でいただいた「ファイヤーボール」のボトル。
傷が癒えないのは体内に埋め込まれたアダマンチウムの毒素のせいか、死期が迫っていることを察しているかのようにアダマンチウムの銃弾を弄ぶローガン。
そこへ現れたのは一人の少女、この子なかなかいい。
「キック・アス」の「クロエ・グレース・モレッツ」ちゃんを彷彿させるアクションと眼光。
それはかつてのウルヴァリンそのもの、分身だ。
お爺ちゃんと息子、孫娘のような3人の逃避行のなかで登場するのが「シェーン」。
名作「シェーン」も「アラン・ラッド」も知らない人は、「LOGAN/ローガン」を観る前にぜひとも「シェーン」を観てもらいたい。
「遥かなる山の呼び声」の流れるなか荒野へ去って行く風来坊に、「ジョーイ」少年の哀切の声が響き渡る。
だが何人もの人を殺めた「許されざる者」には安住の地はないのだ。
それはウルヴァリンも同じ、「シェーン」のセリフが象徴的に語られる。
「人を撃った男に平安はない、もう戻れないんだよ」
「殺人者の烙印は一生消えないんだ」
たとえそれが正義のためでも。
そう、この映画は2000年から始まった「X-メン」シリーズや「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」「ウルヴァリン:SAMURAI」とも毛色が違うR指定映画だ。
荒野をさすらう「シェーン」や「クリント・イーストウッド」の「許されざる者」のようなアウトローの贖罪の物語、バイオレンスが伴う大人の鑑賞に耐えうる「ヒュー・ジャックマン=ウルヴァリン」の集大成だ。
それは悲しく切ない死へ向かう戦いで、神の気まぐれ❓神の失敗作❓として生きることを余儀なくされたミュータントの最後の物語だ。
アメコミヒーローはきっちりと自分の死を受け入れ潔い。
そこへいくと日本のヒーローは😞
観るべし!!!!
星4つ👍
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