お好み夜話-Ver2

プロのブラックレインを味わう

昨日はかあちゃんは昼も夜もおばさんの集まりで出かけて家におらず、昼間走ったあと一人黙々と深刻な申告を一気に半分終わらせた。

6時頃小僧に夕飯を食べさせ、さらに深刻な申告の続きをしていると、麻呂こと「ホリちゃん」から飲みにいきましょうメールが入った。

もういい加減深刻な申告に飽きていたから、ちょうどいいと家を出た。


TSUTAYAの前で待ち合わせをして、さてどこへ行くかと考えたが、最近夜の街をうろついていないからどこにどんな店があるのかわからないので、少しブラブラしていろんな店を見て回り、裏通りに和食の構えの間口の広くない店を見つけて入ってみた。

看板に牡蛎の串焼きとしめ鯖がメニューにあったので、それにつられたのだ。

明日は雪が降ろうっていう水曜日、他に客はおらず貸切りで、しめ鯖や穴子でビールを飲み、何年かぶりの「百年の孤独」をロックで飲んだ。

「ホリちゃん」は「ガルシア・マルケス」なんてノーベル賞作家がいることも知らないから、当然「百年の孤独」の名の由来も知らない。

ここぞとばかりにオヤジのウンチクが入り、続いて日本酒になだれ込む。

それでも11時前には店を出て、さらにどうするかと悩んで、ウイスキーを飲みに行こうと決めた。


思いついたが吉日、店に「ブラックサンプーカ」を取りに行き、お気に入りのBARへ。

ところが、はっきり言って居酒屋と間違えているような粋じゃない客がカウンターにいたので、出だしは大人しくジントニックなんぞをすすり、そろそろ酔っぱらってきていた「ホリちゃん」には「シャーリーテンプル」を出してもらおうと頼んだら、マスターニヤリと笑い「わかってますよ」とアイコンタクト。

カクテルには映画にちなんだ名前が多いから、それだけでつまみになるのだが、いかんせん「ホリちゃん」はまだまだ若い。

そこでまたぞろオヤジは「チャーリー・チャップリン」や「ゴットファーザー」、「フレンチコネクション」などというカクテルがあるというウンチクを語りタイミングを見ていると、無粋な客が帰っていい感じのカウンターになったので、失礼ながらと「ブラックサンプーカ」を差し出し、よかったら使ってほしいと言った。

マスターも喜んで受け取ってくれ、プロの「ブラックレイン」を作ってくれた。

まあ適量の「ブラックサンプーカ」をシャンペンかスパークリングワインで割るだけなのだが、そこはプロ。

冷やした口当たりのいいグラスに静かに注がれた漆黒の液体は、その見た目だけでもう旨そう。

無粋を覚悟で断って写メを撮らせてもらったが、暗いしボケてるし旨そうに見えない、だめだこりゃ

しかしやはり、飲めば旨い。

調子に乗って「シシリアン・マティーニ」をオーダーすると、今まで一度もオーダーされたことがことがないんですとマスター素直に認め、少々お待ちくださいと奥へ引っ込みレシピ本か何かで調べたのだろう、笑顔で戻ってきて冷えたマティーニグラスを取り出した。

うーん、イタリアの博打打ちがボルサリーノをあみだにかぶって片目をつぶってすするような、素敵なお味。


とっても満足してBARを出てからの記憶が曖昧だが、きちんと家に帰り着替えて歯を磨き、iPhoneは放ったらかしにして爆睡した。

余は満足じゃ


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