お好み夜話-Ver2

一生バカでいきます

春になったら伺いますと先方に言っていたのに、なんだかんだで延び延びになってこの時期になってしまった。

そうこうしているうちに、いかにオヤジの髪の毛でも欝陶しくなり、ましてや小僧やかあちゃんの髪の毛は見苦しくなってしまったので、すぐにでもヘアーサロン「Comfrtable」でサッパリとカットしてもらいたかった。


荷物もあることなので車で行くと決めていたが、前日の夜1時ちかくまで酒を飲んでしまい、寝たのはけっきょく2時半。

小僧に4時半に起こされ、5時20分には出発した。

酒こそ残っていなかったが、まともな神経ならわずか2時間の睡眠で仙台まで車を転がしてゆくのはどうかと思うが、逸る気持ちのせいか気分も良く、テンション上げ上げで

仙台まで自分で車を運転していくのは、およそ30年ぶりくらい。

去年、「ちち」の車に乗せてもらって行った以来の仙台だ。


天気は上々、渋滞もなく快適なドライブ。

途中の安達太良SAで

10ねん長生きソフトを舐め、よっしゃ~っ !! と気合を入れ、およそ350㎞の道のりを一気に走った。

10時過ぎにはヘアーサロン「Comfrtable」に到着。

ナスみたいなヘアースタイルの店主・通称「バーバーくん」に、まずは小僧からカットしてもらい、

次にオヤジとかあちゃんの順にまとめてサンパツ。

そこへ国分町の帝王こと、地元の名士でもある「バーバーくん」のお父さ・・・、お兄さん・・・ええい、もういいだろうよ、お父さん登場。

相変わらずのハイテンションに恐縮しまくり、お宅でお昼の用意をしていただいているとのことでまたまた恐縮至極。


「Comfrtable」から徒歩でもすぐのご自宅に伺い、「バーバーくん」のお母さんとお姉ちゃんに再会。

昔の写真などを見せてもらい旧交を温め、お母さん手作りのお昼をご馳走になった。


ここでビックリなのは、小僧が他所のお宅で食事をすることはかなり珍しいことなのだ。

かあちゃんの実家でさえ食べられなくて、小僧だけいまだに外食だというのに、「バーバーくん」の実家では前回もなんの抵抗もなく箸を伸ばし、普通に美味しく頂いたのだ。

これはかなり居心地がいいということで、ご両親やお姉ちゃんのお人柄のおかげだと思う。

なによりもそれは感謝してやまない。


居心地がいいということはオヤジも一緒で、お腹を満たしたら眠くなってきた。

夜の宴席まで用意してくださっているとのことだが、ちょっとお昼寝をしなければさすがに持ちそうにないので、ホテルにチェックインして車を置いて来ることにした。

がっ !!


駐車場の車に向かう途中、右手の指がしびれ、おやっと見たら身体が右に傾いた。

危うく踏みとどまったものの、クラっと目眩がした。

こりゃヤバイ

眠気が限界にきたようだ。


ホテルの部屋までフラフラの状態でたどり着き、冷や汗でびっしょりの服を脱ぎ捨て、ベッドに倒れこんで爆睡。

しばらくして遠くで電話が鳴っている音が聞こえたようだが、身体がまったく反応せず、再び爆睡。

次に電話がなったとき、なんとか起き上がり出ると、「バーバーくん」のお父さんが車でホテルまで迎えに来てくださるという。

まったく身体に力が入らなかったが、こうしちゃいられないとシャワーを浴びた。

熱いお湯を浴びスッキリするどころかますます目が回り、たまらず吐いた。

右手はまだ痺れているし、かあちゃんが「脳梗塞 ?! 」と口走るのを制したが、これは眼からきていると実感があった。

最近、遠近両用メガネを愛用しているのだが、寝不足な上に長時間運転してかなり疲労したのだろう。

だかそれにしても、ちょっと異常だ。


お父さんの車に乗せてもらい、みんなと落ち合い、行きつけの飲み屋へ案内された。

しかし顔色は最悪で、自分でも覇気のない顔だということがわかるし、目が回る感じだったが、乾杯くらいは気持よくせねばと我慢した。

がっ !!

乾杯したものの、1杯のビールが飲めない。

地元の魚介類や牛タンなど、美味しいものがたくさんテーブルに並んでいるというのに、まったく食欲もわかず、バッカスの神に見放された馬鹿者だ。

見かねたご両親が、ちょっと横になったらと言ってくださったので、普段は絶対にしないが端っこで仰向けになって目をつぶった。

そうして30分ほどウトウトしたろうか、幾分よくなった気がしたが、両脚の腿がつった。

これじゃいかんと思い、なんとかビールぐらい飲もうとしたが、まったく手が出なかった。

宴席でこんなにダメなことは、生涯はじめてのことだ。

ほんとうに不調法で申し訳ございませんでした。

その夜はまったくいいところがなく、一杯のビールも飲めないという最悪の事態に意気消沈して、よくして頂いた皆さんに別れを告げ、ホテルに引き上げた。

そして服を脱ぐのももどかしく、ベッドにもぐりこんで爆睡。


10時に寝て、翌朝7時まで9時間、まったく起きずに死んだように寝た。

それでもまだ、目眩と右手の痺れがとれない。

帰り道が危ぶまれたが、のんびりいけばいいと、車を出した。

途中の話しはまた後日、なんとか夜8時には我が家にたどり着き、シャワーを浴びて10時には寝床へ。

翌朝、一旦起きたものの、まだ目眩がして身体に力が入らす、再び寝床へ。

次に起きたときは夕方4時、顔色も悪く覇気がなく、まるで仕事のできる状態でもなかったので、残念ながら臨時休業にさせてもらった。


かあちゃんは、もうお酒をやめなさいというが、お酒のせいではない。

バッカじゃないの、と言うが、じゃないのではなくてバカなのだ。

バカを直すつもりは毛頭ないのだ。

いつかその時がきて、

「あのオヤジ、バカだったねぇ」

と言われても悔いはないのだ。

寅さんみたいなバカになりたいのだ。

まだまだバカ度が足りないのだ。


そうは言っても「バーバーくん」、今回はほんとうにすまなかった

次回は万全の体調で伺うので、皆さんによろしくお伝えください。


バカは死ぬまでなおら~な~い~・・・。


本日バカは復活しました。

営業開始しますので、よろしく

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