お好み夜話-Ver2

海の底

たしか「ゲル」が防衛大臣だった時だと思うけど、テレビで誰かが
「いま怪獣やUFOが迫ってきたらどうしますか? 」
なんて質問をしたことがあった。

それに対して「ゲル=石破茂」は嬉しそうに返答していたけれど、もし万が一そんな事態になったら今の大臣よりはやるだろうなぁ。

なんせ「ゲル」くんはオタクだから。



突然ですが、自衛隊の出動形態には三種類あって、

① 災害出動 ( これ、近ごろ多いよねぇ。自衛隊いないと困っちゃうもんね )

② 治安出動 ( 忘れもしないオウムtの地下鉄サリンとか、不発弾
処理ね。やっぱ専門家じゃないとね )

で、③ 防衛出動 が最近きな臭いことになっちゃってるんだよねぇ、どっかのアホ総理のおかげでさ。

ちなみに、防衛出動とは、
「日本に対する外部からの武力攻撃が発生した事態または武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態に際して、日本を防衛するため必要があると認める場合に、内閣総理大臣の命令により、自衛隊の一部または全部が出動すること。自衛隊法第6章「自衛隊の行動」のうち第76条に規定されている。一種の軍事行動と解される。ただし、戦時国際法上の宣戦布告には該当せず、自衛権を行使することはできても、交戦権は認められない」

そう、いろいろな制約でドンパチしちゃいけませんぜ、だけど武力攻撃を排除するため自衛権に基づき必要な「武力の行使」はオッケーなんて、微妙な文言で悩ましい。

ま、専守防衛ってことなんだろうけど、あんまり微妙なもんだから自衛隊設立以来「防衛出動」が行われたことは一度もないんだよね。

それだけ戦後70年間この国がまあ一応平和だったってこととして・・・。


それはそうとかあちゃんなんて「自衛隊法」なんてものが存在することも知らなかったんだけど、その 第1章 「自衛隊の任務」第3条 には、
「自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとす」
ってある。

だから防衛出動以外の行動は「軍服を着たおまわりさん」としての行動としても、当然命令系統は警察官とは異なるわけで、武器の使用なんてとても認められないけれど、侵略行為への対処が目的である防衛出動にしたって銃の一発も撃てないのが現状なんだろうね。


まあそういう現状を踏まえて読むと、すごーく深いし上手いし、面白いのが「有川浩」著の
「海の底」
いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのベストセラー作家の著作を、今更ながらオヤジごときが言うのもなんですが、怪獣好きにはたまらんのよね、これ。

著作がどんどん映像化されて、読んでなくても知っている人は多い「有川浩」作品だけど、「3匹のおっさん」や「県庁おもてなし課」、「図書館戦争」なんかとは一線を画すのが「自衛隊3部作」とも言われるデヴュー作「塩の街」

次作の「空の中」

そして「海の底」とそれらのスピンオフ作品の「クジラの彼」だと思うんだよね。

「塩の街」はある日宇宙から巨大な塩の結晶が世界中に降ってきて、人間が塩化していくという塩分控えめなオヤジにはとても辛い侵略もの。

そして「空の中」は、高度2万メートルの上空に存在する超巨大で友好的な未知の何者かと接近遭遇するというスペクタクル。

で「海の底」は、桜祭りで解放された米軍横須賀基地に巨大な人食い甲殻類の大群が出現して、取り残された若き自衛官と見学の子供達が海上自衛隊の潜水艦の中に立てこもって過ごす6日間のパニック。

神奈川県警の警備部・機動隊と自衛隊、米軍との駆け引き、巨大甲殻類(ザリガニ)出現の謎を解く若き研究者「芹沢」‼️(ゴジラファンならニヤリ😁だよね)、侵攻を妨げる電磁柵を提案するゴジラ世代の警部、そして潜水艦の中の子供達と自衛官との確執。

「有川浩」自らが言うように、これはゴジラや平成ガメラのエッセンスが詰め込まれた怪獣小説なのだ。

巨大甲殻類の群れなんてまんま「レギオン」ですもの、うれしくなっちゃうね。

そしてこの「自衛隊3部作」のもうひとつの見所は、国防恋愛。

自衛官と一般人の恋、昨今のアニメにもてはやされそうなガチのラブストーリー。

さすが大人のライトノベルを標榜するだけのことはある。

登場人物の一途で不器用だけど、熱いセリフが泣かせます。


オヤジの耳に痛いセリフが「塩の街」の中にあったので、それを抜粋。

「~~~ 女が弱いだなんて男が信じたがっている幻想だよ。女性を守る義務くらいもらわないと、女から生まれてくる僕らはただ発生しただけの役立たずだからね」

一本スジの通ったカッチョいいセリフも「有川浩」作品の魅力ですな。


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