お好み夜話-Ver2

宮廷画家ゴヤは見た

  
久しぶりの映画。

有楽町スバル座。

日曜日の初回ではあるが、7割りがた席はうまっている。

平均年齢は高め、40歳は下らないかもしれない。

前から3列目のほぼ中央に腰を下ろしたオヤジのひとつおいて隣の席で、白髪まじりの男性が「芸術新潮」を開いている。

芸術の秋、ですな。

昔から有楽町スバル座は、なんとなくお芸術っぽい雰囲気があったような気がする。

この劇場で必聴なのは、開演前の場内アナウンスである。

何十年も使い回していると思われるノイズまじりのアナウンスを聴けば、ある程度の年齢の人は瞬時に昭和へワープできる。
言い回しと口調の古さ、「ロビーのウォーター・クーラーをご利用ください」なんて、今どき言うか ?
アナウンスが終わったら、モノクロのニュースフィルムが流れそうなのだ。
いいです。
じつにいい。
シネコンばかりで小屋に情緒がなくなっている昨今、妙に懐かしい雰囲気にさせてくれます。

さて、映画であります。
「ナタリー・ポートマン」ファンは見なければいけません。
オヤジのようにスケベ心でいっても、損はしません。
「クローサー」のときから、さらに一皮むけたナタリー・ポートマン」にお目にかかれます。

「Vフォー・ヴェンデッタ」で潔い丸刈リ~タを見せてくれた「アミダラ女王」は、今度はもっと汚れちゃいます。
畏れ多くも汚したのは、「ノーカントリー」の殺し屋「ハビエル・バルデム」。
見方によっては殺し屋ともいえる聖職者が、卑劣な生殖行為をいたして、ヒロイン「イネス」の人生を滅茶苦茶にしてしまいます。
「ハビエル・バルデム」は、またしてもガツンとかましてくれます。
この人の次回作が見たい ! と思わせてくれます。

お話しの始まりは1792年のスペイン。
と言ったってピンとこないけど、ルイ16世(ヒゲ男爵ではありません)とマリー・アントワネットが断頭台の露と消えた頃、と言えばなんとなく想像ができるでしょう。

異端審問と革命、それに翻弄された哀れな女の一代記、それを「家政婦は見た」じゃなくて、偉大な画家ゴヤの目が追った歴史絵巻、なんて簡単にしてしまうと味気ない。

そこは監督・脚本「ミロス・フォアマン」の腕の見せ所、格調高くも衝撃的で、役者の持ち味か遺憾なく発揮され、この題材でよくぞここまでやったと拍手。

ただひとつ思ったのは、台詞がみんな英語なのです。
ヨーロッパの人がこの映画を観たときに、違和感を感じないのだろうか ?
たとえば、日本の時代劇が中国語で演じられたら、ものすごーく違和感を感じるのだけれど、そんなような感じはしないのだろうか ?
今度「ジョニー」に聞いてみよう。

あ、もちろん「フランシスコ・デ・ゴヤ」ファンも楽しめます。
ちょっと「ゴヤ」さんがいい人すぎるきらいはあるけれど、たくさんの作品を観ることもできます。
こういう機会でもなきゃ、じっくり絵画なんて見ないやね。
ああ、芸術の秋しちゃった。








ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「銀幕夜話」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事