このオヤジのアメリカ映画のベスト1は、前にも書いたと思うが「明日に向かって撃て ! 」だ。
永遠のストップモーションが主人公「ブッチ・キャシディ」と相棒「サンダンス・キッド」をいつ迄も輝かせているのだが、世の東西を問わずヒーローに生きていて欲しいと願う余り、数多の伝説が生まれる。
曰く、「源義経」は大陸に渡って「チンギスハーン」になったとか、「エルビス・プレスリー」はまだ生きているとか、「坂本龍馬」は生き延びて明治維新を影で動かしたとか、等々。
アメリカの西部開拓時代に実在したアウトロー「ブッチ」と「サンダンス」も、ボリビアで軍隊に包囲され蜂の巣にされたという定説の他に、生き延びて余生を全うしたという記録もあるようだ。
そんな伝説を「続・明日に向かって撃て ! 」というタイトルではなく、「BLACKTHORN」という原題で「ブッチ・キャシディ 最後のガンマン」として公開された映画をTSUTAYAで発見した。
主演は「サム・シェパード」( 渋い ‼️ )だが、なんとスペイン映画。
1927年、現在は「ブラックソーン」という名でボリビアの奥地で静かに暮らしている「ブッチ」が主人公。
アメリカの8州を股に掛け悪名を轟かせた「ブッチ」も老いて郷愁にかられ、今は亡き「キッド」の恋人「エッタ」の息子⁉️ と暮らそうとアメリカへの帰国を決意したところから物語が始まる。
本家「明日に向かって撃て ! 」よろしく、雄大な自然の中で繰り広げられる追跡劇、とくに表面が真っ白な塩で覆われている「ウユニ塩湖」のシーンは秀抜だ。
1900年の「ブッチ」と「キッド」、そして「エッタ」のシーンが時おりカットバックで入るのも、本家のファンには嬉しい。
また「サム・シェパード」がバンジョーをかき鳴らして、錆びた声で歌う歌詞もいい。
白くなった髪と髭を蓄え、深く刻まれた皺に鋭さと哀切の眼差し、だがまだ男の色気を匂わせる気骨あるかつてのアウトローの姿がカッコイイ。
こんなジジイになりたいと思ってしまう。
劇中「ブッチ」が言う、
「男の人生には2つの瞬間がある。家を出る時と戻る時だ。他は全部、その間だ」
と。
西部劇初心者、「明日に向かって撃て ! 」初心者にもオススメの1本。
けれど、「新・明日に向って撃て!』(Butch and Sundance: The Early Days)「リチャード・レスター」監督、「トム・ベレンジャー 」「ウィリアム・カット」 主演と、「続・明日に向って撃て!」( WANTED : THE SUNDANCE WOMAN ) 「キャサリン・ロス」主演と全部合わせて一気に観たいと願うポンコツオヤジなのである。
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