遅くても、時どき歩いても、走ることを習慣づけないことには先へ進めないので、雨の間を縫って6、7㎞をノロノロと。
しかしどうにも足の裏が痛く、それをかばっているせいか膝や腿まで痛くなって喘いでしまう。
なんとか我慢して6.09㎞を歩いたり走ったりしたが、1時間7分もかかってしまった。
はっきり言ってこれじゃ歩いた方が早いわけで、2011年の「東京トライアルハーフ&10K」の自己ベスト44分18秒を大きく後退の華麗なる加齢というしかない。
華麗なる加齢は誰しもが避けて通れないことではあるが、この5年間の入退院ですっかり振り出し以下になってしまった体を走れるように戻すのは容易じゃない。
かあちゃんは別の接骨院でまた「モートン病」と言われ、ちゃんと足裏の状態を計測してインソール(足底挿板=足底板)で保存治療をした方がいいと、ついでにスイスのランニングシューズ「On-オン」が足にいいと紹介された。
まあ最新のシューズは良いに決まっているし、足裏の計測は今じゃ手軽にできるから、この際きちんと計ってもらった方が良いだろう。
このオヤジにしたって走っている時の10年間に足裏を計測してもらったことはないし、加齢なる加齢とポンコツで足の裏だって変化しているかもしれず、足裏の状態がわかれば少しはマシに走れるかもしれないし、よし、5年ぶりに神保町の「ビクトリア」へ行ってみるかあ。
ということでかあちゃんと千代田線で新御茶ノ水駅で下車、明大通りまで歩いて行って最初の交差点に佇む。
嗚呼、この明大前の交差点はその昔し、19歳のガキがはじめてバイクで事故った現場だ。
朝の8時ごろ、前方から来たワゴン車とぶつかって弾き飛ばされ宙を飛び、交差点の真ん中に大の字に倒れたのだ。
道行く通行人から「死んだ、死んだ」という声が聞こえる中、まだ死んでねぇよと起き上がろうとしたが動けず、すぐに救急車に乗せられ目の前と言っていい日大病院に担ぎ込まれた。
左足の腿の付け根からジーンズがスパッと切り裂かれ、ふくらはぎの靭帯欠損と脳震盪と診断され、フルフェイスのヘルメットの額はポコッと凹み、バイクはフロントがねじ曲がりホイールも外れかかっていた。
警察官から「死んでもおかしくない事故だよ」と言われ、呆然としてその写真を見た。
嗚呼、それから46年の月日が流れ、何度も死ぬような目にあいながらまだ生きながらえている・・・。
そこからちょっと行くと路上に御茶ノ水博士のマンホールの蓋があった。
さらに坂を下って靖国通りにぶつかり、右に行けば神保町の交差点、左に行けば小川町。
18、9の頃はしょっちゅうこの街をうろついて古本屋巡りをしたり、山用品を漁っていたりしたものだ。
もう「三省堂」のビルはなく、「書泉グランデ」の外看板には「アイドル・プロレス・鉄道」とデカデカとあり、「スヰートポーヅ」はなく、目当ての「ビクトリア」もなく???
あれ❓「ビクトリア本店」のビルが「スーパースポーツゼビオ」になっているではないか。
ここの店員さんは実際に大会でも走っていて、いろいろな相談にも応えてくれるから信頼できる。
で計測してもらったが、オヤジの足はつま先からかかとへ極端な逆三角形で、右足のほうが左足より5ミリもでかく土踏まずが扁平気味で、そんな足裏だから左足ばかりがつったり怪我したりバランスが悪いのだとわかった。
ひょっとするともうこれで最後になるかもしれないので、かあちゃんとともにしっかり足裏の計測をしてもらい、それぞれのインソールとシューズを選んだ。
選んだシューズのことはまた別の機会に。
店を出て神保町へ歩いて行くと、「人生劇場」があったところが古本屋になっているではないか!(◎_◎;)
「人生劇場」というのはこの界隈随一のパチンコ屋で、結構お世話になったものだが時代の流れにはかなわなかったのか・・・。
アパートで一人暮らしをはじめた19歳のころ、映画の学校の帰りにパチンコを弾いて(ひと玉づつ穴に入れて弾く時代です)出玉を換金するよりも大根やキャベツなどと交換していた。
「人生劇場」にはひと頃景品に野菜や食品があったので、食料をひと稼ぎに度々弾いたものだ。
嗚呼今は昔、パチンコ屋の店内にはもう何十年も足を踏み入れていない。
せっかくだからJR御茶ノ水の駅の方へ戻り、はじめてギターを買った「下倉楽器」を覗いたり大規模な工事をしている御茶ノ水駅を対岸から見ながら歩いていくと、聖橋に何人もカメラをかまえた人が見えた。
何だろうと反対側を振り返れば、なるほど、丸ノ内線がトンネルから出てくるところを狙い撮りしたい鉄ちゃんか。
ふーん、どこにでもいるね撮り鉄は。
まあせいぜいマナーは守ってさ、あと10年もしたらこの光景も様変わりしてしまうかもしれんしね。
と、さらに坂を下りていくと、わっ、ビリヤードの「淡路亭」だっ!!
いやぁ懐かしい。
昭和の時代に何度か入って突いたことがある。
いまだに良心的なお値段、さすが老舗、正統派、これからも続いて欲しいと願う。
秋葉原でコロナ禍から戻ってきたメイドに声をかけられながら、中央通りを歩いて上野まで8.4㎞歩き、京成線に乗って帰路に着いた。
1日も早く、雨が降っていないときにGlycerinGTS20を試したい。