無駄な抵抗

その1　

髪の毛が伸びて、白髪がなんともジジくさく、貧乏ったらしい。

じっさいジジイで貧乏だからしょうがないんだけれど、少し抵抗してみた。

かあちゃんが使った残りの白髪染めを、貧しい頭髪に塗りたくり(白髪染めは人生初の試みだ)・・・・・イッヒッヒ、ちょっぴり見た目若返ったかも

なに　てっぺんの薄いのは隠せやしないって　フン


その2　

歯医者で、また奥歯を抜かれた。

2本続けて抜かれると覚悟していたのだが、あっさりと1本だけで、2連発の抜歯は次回に持ち越され・・・・ってことはなにかい　けっきょく3本抜かれちまうのかい

先日抜いたのと合わせて、短期間に左右の奥歯を4本も失ったら、ますますジジイ化するじゅないか

きっと、歯医者はみなドSなんだろう。

映画「マラソンマン」のナチの歯科医の拷問か、「リトルショップ・オブ・ホラーズ」のクレイジーな「スティーブ・マーチン」に憧れているに違いない。

しかし、入れ歯だけはなんとしてでも阻止せねば・・・・・


その3　

ヤカラどもがせせら笑いやがった。

禁酒6日目の夜である。

まあ笑われても仕方がない前科があるから無理もないが、見ていやがれ、オヤジは酒のみに生きるにあらず、ってことを証明してやろうじゃないの

3ヶ月後、大阪で吠え面かくのは連中だってことを思い知らせてやる。

その晩オヤジが悪魔化しても、もはや誰にも止められんから、覚悟しておくがよい


その4　

毎日持ち歩いているiPadちゃんに、パツ金のおねえさんがビデオで腹筋を一緒にやってくれる無料のアプリをダウンロードした。

ワークアウトの時間と回数を設定できるので、いちばん軽いやつで試してみた。

1セットで汗だくになり、2セットでヒィヒィ言って、3セット目に首が上がらなくなった。

ビデオのおねえさんは苦もなくヒョイヒョイやるので悔しくて、ジタバタと4セットやったら、完全に首と腹が筋肉痛

いい歳して腹筋を割ろうなんてことを考えた報いは、2日間続いた。



人はみな、無駄なことをするものなのだ。

無駄か無駄じゃないかってことは、主観的なもので、本人がよければそれでいいのだ。

無駄が文化を作り、芸術を花開かせることも多いのだ。

ほんとは「断捨離」なんてことは嫌いなのだ。

しかし、足し算ばかりじゃいけないってことも痛い経験で学んだので、時には引き算もするのだ。

しょせん、ヤカラどもには理解出来ないのだ。

これからも無駄な抵抗をするのだ