痛み止めの効果が出るのに1時間以上かかるからで、さてもうひと眠り、という気にもならずradikoを起動して文化放送を聴きながらMacに向かう。
コロナが鎮静化するのを静かに待つつもりなど毛頭ないから、またぞろメニューの直しやら次に仕入れる焼酎や日本酒の銘柄をチェックしたり調べたりしているうちに8時を過ぎる。
8時半前に小僧がひと足早く家を出、追いかけるように家を出てクリニックへ向かう。
クリニックへ通って来る大方の人はクリニックの送迎車で、家から直接車に乗り込むのでパジャマやジャージ姿の人ばかり。
圧倒的に後期高齢者が多く、車椅子や介助が必要な人も少なくない。
ロッカールームで出会すご老人は皆節目がちで背を丸めて、陽気に挨拶を交わすなんて状況になったことはない。
着替えて靴を履き替え、iPadとそれを寝ながら操作できるアームとモバイルルーターやメガネをバッグに入れ、トイレに寄って出すものを出して9時15分前には透析室に入る。
まずは靴のまま体重計にのり、自分の適正ドライウエイトとの差を明らかにして、その日の除水目標が決まる。
早い人がもうベッドに横になり針を刺されている傍を奥に進み、窓のそばの自分の所定のベッドに来ると、隣の84歳のお爺ちゃんと黙礼を交わす。
ロッカーから持ってきたマラソン大会のフィニッシャーズタオルを敷き、枕カバー用のタオルを広げ、アームをベッドのフレームに取り付けてiPadをセット。
ルーターを起動してBluetoothのイヤホンを耳に突っ込み、ベッドに横になる、これが一日置きの儀式。
ほどなく看護師がやってきて右手に血圧計のカフを巻き、左腕のサランラップを剥がしてアルコール綿でふいて消毒、聴診器で血液の流れる音を聴いて異常がないことを確認してゴムで腕を縛り、まず1本の針をブチュ~ッ(/ _ ; )
イテテテテッテ‼
うまい看護師とヘタな看護師の差が歴然と出るこの瞬間、麻酔のクリームが全然効きゃあしない。
エビゾリになって痛みに耐えても正直文句を言える立場じゃない。
看護師だって一生懸命、ハードワークなのだ。
およそ50床もあるベッドに横たわる患者に次々と針を刺し、忙しく動き回っている看護師は絶対数が足りない上に、朝のグループが午後2時ごろ終わったら今度は午後のグループがやって来る。
何交代制なのか知らないが、毎日同じルーティンだとしても休む暇もなさそうだ。
かといっても、痛いものは痛い、どうしたってムスッとしてしまう。
最初の針が失敗して抜いたら、止血のために5分から10分押さえ、うまい人にチェンジしてもう1度刺し、さらにもう1本。
なんとか針がさせたらダイヤライザー運転開始、血圧計が膨らみおデコで体温をはかられ、ロス分を加算して透析終了時間がはじき出される。
とりあえずホッとして片手でiPad起動、radikoを聴きながらいろいろ調べ物を開始する。
透析になったら4時間たっぷりとアマゾンプライムで映画が楽しめると思っていたらさにあらず、入れ替わり立ち替わり看護師がやってきて体調はどうかとか検査結果がどうだとか、血圧計のカフが定期的に巻かれ、その度に作業を中断しなきゃならない。
とてものんびり映画など観ていられないし、気持ちよく寝ることもままならない。
なのに、ベッドに横たわった途端グースカ鼾をかくご老人もいて、こりゃ慣れるしかないのか❓と思ってしまう。
途中離脱したり足がつらないようにホッカイロをタオルの下に入れたせいで、ここ最近はなんとか耐えているが、透析が終わる間近につりそうになることがままある。
ダイアライザーにアンテナのようについているパチンコ屋のランプみたいなのが、色が変わると終了時間がわかるのだろう、看護師があと何分ですよと知らせに来る。
終了時間になると♩春のうららの 隅田川 ♩とか何種類かの音楽が鳴る。
最後に貧血などの注射液を入れることもあり、機械の中を巡回している血液が戻るまでしばし待ち、注射針を止めているテープを剥がし消毒して、右手にビニールの手袋をはめられ止血のためのガーゼで針穴の上を押さえる。
いちにのさんみたいにして針が抜かれ、ガーゼで強く押さえ、もう一本も同じようにする。
刺すのに痛かったら抜くのも痛い、どうしても顔をしかめてしまうが、やっとホッとする瞬間だ。
看護師はみな透明のビニールのエプロンをしているのだが、それはピュッと血が飛び出てかかることもあるの❓
と聞いたら、よくあることなんですとのこと。
へえー、大変だねぇ、などと言って止血の時間5分が過ぎたらガーゼをを外してテープを張る。
あー、透析終了午後2時2分、腹は減るわオシッコしたいわで、とっとと荷物をまとめていたら・・・!(◎_◎;)
血が滴っている~~~~~!!
熱い血潮がとめどなくターラタラ、ターラタラとテープの隙間から溢れているではないか( ̄◇ ̄;)
看護師のお姉さんのエプロンにドピュッはなかったからまだいいが、ベッドカバーに血が点々、床にベトッと血だまりが・・・。
嗚呼、離脱、足つり、おまけに流血かぁ・・・。
いつもより長ーく止血して、針を刺すのに失敗したところと合わせて左腕がだるい。
その夜はちょっとそばめし作るのが辛かったし、翌日は走って腕を振るのも違和感があった。
針穴とその周辺が痒くてだるくてイヤんなっちまう(;´д`)
いつまで続くのかいな❓
そりゃ、クリニックのご老人たちが暗ーくなっちゃうのがわかるよ。
そんな時は、飲むしかないかぁ・・・。
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