はるか昔――な気でいたが、「天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語」を読んだのは
2017年でそこそこ最近でした。7年前を最近というかは人によるだろうが。
「天使の歩廊」は日本ファンタジーノベル大賞受賞作。まあまあ好きだった。
今作は2作目。
いい意味で地味で小粒な作品。……うーん、悪い意味も含んでるかな。2%くらい。
序盤は地味で、最後まで読み続けられるか心配になった。
台詞に「?」を多用するのもちょっと気になった。
でも20ページくらい読んだら話が動いて、ちゃんと入り込めました。
真面目で地道な主人公が、年の離れた人品卑しからぬ老人と出会い、親交を深めるも、
彼は謎の失踪を遂げ、老人の行方を追う過程で知り合った女の子と一緒に旅に出る話。
そう書くとミステリっぽいが、基本的にはファンタジーです。
後半ちょっとだけミステリ、全体的にはサスペンスな雰囲気もあるけど、何しろ地味。
一番美味しいクライマックスの前に一部種明かしをしちゃうくらい。
ある意味、人がいい。良すぎる。もったいな!と思った。
けっこうな比重で鉄オタ&鉄子の要素があるので、鉄分があれば余計面白みを感じるだろう。
わたしも鉄分は若干あるので楽しめた。
でも作者はそんなに鉄オタではない気がする。もし本人が鉄オタで、それをこんな風に
ふんわりと仕上げているのであれば、それは腕。
結末は、そうするのとそうしないのと、どっちが正解かなと思った。
ちょっとねー。彼女の感情の流れが納得できないのよね。
わたしだったら続行一択で、心変わりはない気がする。
でもこれが最後のチャンスじゃないという意味では、いいのか、これで。
そして「奇跡」の部分はちょっと描写的に弱かったかなー。
ここはもう少し、わざとらしいくらい盛り上げても良かったかもね。
もったいないその2。
とはいえ――この地味さは映像化に向いてるかもなあと思いながら読んでいた。
あんまり派手なファンタジーだと実写ドラマ化は難しいが、
地に足がついたファンタジーなので、クライマックスのCGさえがんばれば
(ここで手を抜いたら駄目だけれども)けっこういいドラマになりそうじゃない?
主人公は思いつかなかったけど、それっぽく雰囲気を作れる役者なら
そんなに難しい役ではない。ヒロインは綾瀬はるかの若い頃をイメージしていた。
邪気のない感じの女優さんで誰か。
10回とかでやる話ではないから、NHKの6回か8回でちょうどいい気がする。
派手さはない。でも面白く読んだ。
ただ確かにねー。癖がない分、ファンはつきにくかったかもなあ……
この人は2011年に3作目を出版したのを最後に以来出版はなし。
もう書かないんだろうな。少し惜しい。
2017年でそこそこ最近でした。7年前を最近というかは人によるだろうが。
「天使の歩廊」は日本ファンタジーノベル大賞受賞作。まあまあ好きだった。
今作は2作目。
いい意味で地味で小粒な作品。……うーん、悪い意味も含んでるかな。2%くらい。
序盤は地味で、最後まで読み続けられるか心配になった。
台詞に「?」を多用するのもちょっと気になった。
でも20ページくらい読んだら話が動いて、ちゃんと入り込めました。
真面目で地道な主人公が、年の離れた人品卑しからぬ老人と出会い、親交を深めるも、
彼は謎の失踪を遂げ、老人の行方を追う過程で知り合った女の子と一緒に旅に出る話。
そう書くとミステリっぽいが、基本的にはファンタジーです。
後半ちょっとだけミステリ、全体的にはサスペンスな雰囲気もあるけど、何しろ地味。
一番美味しいクライマックスの前に一部種明かしをしちゃうくらい。
ある意味、人がいい。良すぎる。もったいな!と思った。
けっこうな比重で鉄オタ&鉄子の要素があるので、鉄分があれば余計面白みを感じるだろう。
わたしも鉄分は若干あるので楽しめた。
でも作者はそんなに鉄オタではない気がする。もし本人が鉄オタで、それをこんな風に
ふんわりと仕上げているのであれば、それは腕。
結末は、そうするのとそうしないのと、どっちが正解かなと思った。
ちょっとねー。彼女の感情の流れが納得できないのよね。
わたしだったら続行一択で、心変わりはない気がする。
でもこれが最後のチャンスじゃないという意味では、いいのか、これで。
そして「奇跡」の部分はちょっと描写的に弱かったかなー。
ここはもう少し、わざとらしいくらい盛り上げても良かったかもね。
もったいないその2。
とはいえ――この地味さは映像化に向いてるかもなあと思いながら読んでいた。
あんまり派手なファンタジーだと実写ドラマ化は難しいが、
地に足がついたファンタジーなので、クライマックスのCGさえがんばれば
(ここで手を抜いたら駄目だけれども)けっこういいドラマになりそうじゃない?
主人公は思いつかなかったけど、それっぽく雰囲気を作れる役者なら
そんなに難しい役ではない。ヒロインは綾瀬はるかの若い頃をイメージしていた。
邪気のない感じの女優さんで誰か。
10回とかでやる話ではないから、NHKの6回か8回でちょうどいい気がする。
派手さはない。でも面白く読んだ。
ただ確かにねー。癖がない分、ファンはつきにくかったかもなあ……
この人は2011年に3作目を出版したのを最後に以来出版はなし。
もう書かないんだろうな。少し惜しい。