実生活上での情報も全く耳に入って来なかったし……
ネット上の評判もイマイチだったし……
公開8日目にして、すでにシネコンのハコの一番小さい処での上映だったし……
まあこれで名作なら奇跡ですよ。
最初から期待をしていなかったので、がっかり度は低い。こんなもんだろう。
ただ、これから見ようかどうしようかと思っている人には薦めない。
見終わって出る時に入り口にいた親子4人連れに、「4000円払って見る映画じゃないっすよ」と
言いたくなったもん。相手はすでにチケットを買っているんだろうし、言わなかったけどさあ。
これに4000円はツライなー。
映像に関してはプラス評価なんだけどね。奔放な想像力を一応感じた。
傾向的に好きか嫌いかは分かれるだろうが。
個人的には好きという映像ではない。ま、大嫌いでもない。
言うたらティム・バートン系。多分好きな人からすれば
「ティム・バートンとテリー・ギリアムを一緒にするな!」と言われるだろうけど、
極彩色でねっとりシツコイ、という意味では同系統。
まあでも。映像はなかなかがんばっていると言っていい。
ストーリーがなあ……。
陳腐。というと、映画のストーリーで陳腐じゃないものなんて、前衛以外はそうそうないか。
モチーフは悪魔との賭けで、ありがちなんですよ。
そのありがちな部分を、ありがちというだけで貶すつもりはない。
が、……いや、こめんどくさい言い方は止めよう。
話がつまらない。これに尽きる。
テリーさん、もうちっと話を整理した上で映画にしないとさー。
そうそうフクザツな話じゃない筈なんだから。
ご本人的にも、話の部分はそれほどこだわってないでしょ?
要はこの映像と、展開の転がり具合を見せたいんでしょ?
そしたらもっとストーリーはわかりやすくしていい。筋立てはほとんどシンプルって
言っていいほどなのに、必要な台詞がなかったり、枝葉が加わったり、
シーンの順番が整理されてないせいで、無駄にフクザツな話になっている。
いいじゃん、「昔々あるところに、物語を語り続けることで世界を維持し続けるお坊さんの
集団がいました……」と時系列順に始まったって。
そこにその辺のオッサン的悪魔がやってきて、お前たちのやっていることは無駄骨だと。
世の中にはもっと楽しいことが色々あるぞー、と茶々を入れたと。
その方がわかりやすかろー。
ってか、映画とは話が違ってしまうけど、単に、天国へ通じる道を選ぶ者が多いか、
地獄への道を選ぶ者が多いか、賭けよう!って話でもいいと思うんだよね。
不死の代わりに、とか枝葉の話をくっつけなくても。
それだと内的宇宙の映像はむしろもっとがっつり描けた筈だし、
ヒース・レジャーの役割も、むしろちゃんと確立したのではないかと思うのだが。
盛り込みたいことが複数あったとしても、諸処鑑みて、
今回はこれ、とストイックに取捨選択するのも必要でしょーよ。
この映画の大きな特異点は、主役だったヒース・レジャーが撮影途中に死んでしまったこと。
そして、彼の友人だった3人の俳優(デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル)が
その穴埋め出演をしたこと。
わたしは主にこの辺に興味を感じて見に行った。
どの程度撮影済みだったのか知らんが、ピンチヒッターが1人ならまだしも、
3人もいては余計混乱しないか?と。
そしたら、代役ってわけじゃなかったのねー。
話を作り替えて、ヒース・レジャーが場合によって別顔になるという設定にしたらしい。
時間も予算も限られたなかで急遽変更したにしては面白い設定だったと思う。努力賞。
この辺の話のためにパンフレットを買おうと思っていたんだけど、
レジが激混みだったため、あっさり諦めました。やはり総合的な出来でいえば……。
経緯が経緯なだけに、クレジットが終わった後何かあるかな、と思ったけど、
これというほどのことはありません。全くないってわけではないのだが、
「これだけ?」程度なので、むしろ無い方が好印象だったかもってくらいだ。
さあ、次は3月半ばの「シャーロック・ホームズ」だなあ。
顧みると、洋画で満足感があったのは直近で去年の2月の「マンマ・ミーア!」くらいなので、
そろそろスカッと楽しい洋画が見たいものだ。
最近洋画に当たりがないようだ。「マンマ・ミーア」から遡ってみたら、
2007年10月の「幸せのレシピ」(ハリウッド版)までいっちゃったもん。
その間に「スウィーニー・トッド」があることはあるけど、どう間違っても
“スカッと楽しい”という表現は出来ないからねー。
ちなみに、デップのシーン、ロジャーと名乗った後、自分の顔を鏡で見直して、
バリーと名乗り直したのは、「ネバーランド」から来てる?
同じ監督でもないようだから、関連づける理由も思いつかないんだけどさ。
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