グランプリシリーズを歯抜けで放送する決断をした朝日放送に驚愕。
……しかしそれが有難いと思うほど、フィギュアスケートへの関心が薄れている。
アメリカ大会の結果も確認してないくらいだもの。
今年はグランプリシリーズを4回しか見なくて済んで非常に助かる。
しかも放送したのも6人だけでしたからね。
でも6人くらいがちょうどいいんだ。実は。
つくづく思うが、フィギュアスケートを面白くなくしているのはロシアだよなー。
よりピンポイントでいえばエテリ。というか、ロシアの選手育成システム。
たしかにすごいよ。ロシアの女子選手は。素晴らしい。
ジャンプがすごくて表現力もあって……文句のつけようがないくらい。
が、彼女らの滑りには一点、ものすごく足りないものがある。
味わい。
早い話、みんなが同じに見える。クローンのよう。
それは当然だと思うんですよ。だってみんな同じ育成機関で同じ指導方法で。
同じコーチに指導される。出来上がるのは同じ鋳型で作られた同じような演技。
通常だと、そこからどう自分の個性を盛り込んでいくかが重要でしょう。
それには時間がかかる。女子の場合は20歳前後だろうか。
ああ、良くなった、その人らしい滑りが見えて来たと思えてくるのは。
若くて粗削りでパワフルな選手と、そういう自分を作り上げようとする選手たちを
ごった煮にして見られるからフィギュアスケートは面白い。
だが、現行のロシアシステムでは、その人の個性を伸ばそうとは全く考えてない。
必要な筋力と体力をつけ、高難度のジャンプを跳ばせ。
表現力の部分もそつなく「形」を教える。
それを合計すると、出来上がるのは見事なフィギュア選手。
ただね、いくら見事でも、何しろオートマティックに同じフィギュアを作るから、
みんな同じ味つけになっちゃうんだよ。
それは仕方ない。まだ15、6歳の女の子たちだもの。
味わいはそこから本人たちが努力して身に着ければいい。
というか、滑り続けていればその人らしい滑りがどうしても出てくるもの。
が、――ここが一番問題だと思うのだが――何年か滑って、味わいが出て来て、
人の心を打つ演技がようやく出来るようになっても、
その頃には新しい若い子が脂肪がつく前の体の利点を生かして、
高難度のジャンプをバンバン跳んで、より高い点を出すようになっているのだ。
だから味わいのある演技が出来るようになってきた20歳前後のロシア選手たちは
国内選手権の上位に行けず、したがって国際大会で見かけないようになり、
ロシアの選手といえば毎年毎年顔も名前も知らないような子が出てくるだけ。
名前も知らないから愛着も湧かないし、みんな同じような滑りだから、
いくら素晴らしくても記憶に残らない。
記憶に残らないのは、私個人の問題かもしれないが。
最近、若い子がみんな同じ顔に見える……。
フィギュアスケートは選手が育っていく過程を見るのも醍醐味の一つだと思うのだが。
ロシアの育成システムを何とかしないと、女子フィギュアの面白みのなさは
ずっと続くよ。
だが現行それで点数が出ている以上、改善されるとも思えない。
何しろロシアはそれで上位を独占しているわけだから。
ロシアとしてはこのやり方が正解。
結論。――エテリが引退するまで、女子フィギュアは終わりだ。
※※※※※※※※※※※※
今シーズン初のテレビ観戦で、新鮮味も大いにあったのかもしれないが、
出場した日本人三選手、みんないい滑りだったと思う。
三原舞依、わたしは子どもっぽさを感じて今まで好きな滑りではなかったんだけど、
今回の滑りは良かったですね。ようやく大人の滑りになった感じ。
河辺愛菜。開始直後からその滑りのスピード、力強さに注意を惹きつけられた。
今回ジャンプは悪かったけど、その後も滑り自体の力強さは衰えなかったので、
フィジカルもメンタルも強い選手なのではないかと思う。
ちょっと興味を持った。面白そうである。今後期待。
樋口ワカバは今回良かった。円熟味を感じた。まだ20歳か。
このくらいになってからが女子フィギュアは面白いと思うんだがなー。
20歳にして、樋口ワカバも浮き沈みを体験しているわけでしょう。
何年も見ていた我々は、その浮き沈みを経験したワカバを見て拍手を贈るんだよ。
そして名前も顔も覚えられないロシア娘2人はどちらも素晴らしかったです。
でも個性がないので覚えられない。つまり次回出て来たとしても
懐かしいとも思えないし、おっ、この人か、との期待も抱けないということ。
やっぱり面白くありませんよ。
そんななかで長年がんばっているトゥクタミシェワはすごいなあ。
彼女が出てくると応援したくなるし、今度は何を見せてくれるんだろうと
期待が広がる。タミ子さんとあだ名をつけたくなる。
今回の演技も良かったですね。
タミ子さんらしい演技。タミ子さんにしか出来ない演技。
そういうものをわたしは見たいんだ。
フリー。
河辺愛菜。素晴らしかったね。ショートでのジャンプ失敗が嘘のような堂々たる滑り。
いい3A。いいコンビネーション。
開かれた演技が出来るのが強みだなー。坂本花織的なダイナミックな傾向。
スピンの速度はもう少し欲しいか。
選曲も良かったよね。全体的に素晴らしい出来だった。
三原舞依。すごく良かったけど、そのか弱い――そよ風のような芸風が
あんまりわたしの好みじゃない。ジャンプが軽やかすぎるんだな。
ジャンプはぶんっと跳ぶタイプの方が好き。
とはいえ、スピンの滑らかさは一級品。ビールマンもきれいだったね。
樋口ワカバ。衣装が個性的。
こう言われて本人がうれしいかどうかしらないが、
牝豹のイメージがとても似合ってると思う。
数年前にやっても良かったと思うくらい。
ステップの振付が個性的で面白かった。
タミ子さん。衣装似合いますね。振付に緩急があっていい。
こういう間合いが個性、独自の感性ってことなんだよね。
やっぱりタミ子さんの滑りは面白いと感じる。
このプログラム、いいね。最後のノリも含めて盛り上がる。
オリンピックシーズンにいいものを持って来た。
コストルナヤ。すばらしい。
ワリエワ。すごい。
いや、この2人もすばらしいよ。すばらしいけれども、見ているこちらの
心が寄り添わない。
コストルナヤは優雅で美しい。ワリエワは――やってることはすごいんだろう。
が、子供があんなに無造作にぽんぽん跳ぶところを見せられても、
1回目2回目はまだしも、見ているうちにどんどん普通のことになってしまう。
自分自身で紡ぎ出す物語がまだない。
ワリエワ、世界最高ですか……。
「すごい」=「美しい」ではないし(美しくないわけではないけれども)、
ましてや感動できるということではないんだなあ。
4回転を跳べる人が世界で1人しかいない状況なら息をのんで見つめるだろうけど、
ロシアが4回転マシーンを量産している現行では、そこまでは。
それに、この人も跳べなくなる17歳頃にはもう見なくなっているんだろうなと
冷めた目で見てしまう。
10年の選手の人生を見たいんだよなあ。
下手だったコストナーが、素晴らしい表現力を磨いたように。
2年で入れ替わるロシア女子の状況は味気なさ過ぎて。
シニアの参加年齢を18歳以上に引き上げるとかはダメですかね?
それもズルっぽいけど、今のロシア女子を何とかするとしたらそのくらいしか。
……しかしそれが有難いと思うほど、フィギュアスケートへの関心が薄れている。
アメリカ大会の結果も確認してないくらいだもの。
今年はグランプリシリーズを4回しか見なくて済んで非常に助かる。
しかも放送したのも6人だけでしたからね。
でも6人くらいがちょうどいいんだ。実は。
つくづく思うが、フィギュアスケートを面白くなくしているのはロシアだよなー。
よりピンポイントでいえばエテリ。というか、ロシアの選手育成システム。
たしかにすごいよ。ロシアの女子選手は。素晴らしい。
ジャンプがすごくて表現力もあって……文句のつけようがないくらい。
が、彼女らの滑りには一点、ものすごく足りないものがある。
味わい。
早い話、みんなが同じに見える。クローンのよう。
それは当然だと思うんですよ。だってみんな同じ育成機関で同じ指導方法で。
同じコーチに指導される。出来上がるのは同じ鋳型で作られた同じような演技。
通常だと、そこからどう自分の個性を盛り込んでいくかが重要でしょう。
それには時間がかかる。女子の場合は20歳前後だろうか。
ああ、良くなった、その人らしい滑りが見えて来たと思えてくるのは。
若くて粗削りでパワフルな選手と、そういう自分を作り上げようとする選手たちを
ごった煮にして見られるからフィギュアスケートは面白い。
だが、現行のロシアシステムでは、その人の個性を伸ばそうとは全く考えてない。
必要な筋力と体力をつけ、高難度のジャンプを跳ばせ。
表現力の部分もそつなく「形」を教える。
それを合計すると、出来上がるのは見事なフィギュア選手。
ただね、いくら見事でも、何しろオートマティックに同じフィギュアを作るから、
みんな同じ味つけになっちゃうんだよ。
それは仕方ない。まだ15、6歳の女の子たちだもの。
味わいはそこから本人たちが努力して身に着ければいい。
というか、滑り続けていればその人らしい滑りがどうしても出てくるもの。
が、――ここが一番問題だと思うのだが――何年か滑って、味わいが出て来て、
人の心を打つ演技がようやく出来るようになっても、
その頃には新しい若い子が脂肪がつく前の体の利点を生かして、
高難度のジャンプをバンバン跳んで、より高い点を出すようになっているのだ。
だから味わいのある演技が出来るようになってきた20歳前後のロシア選手たちは
国内選手権の上位に行けず、したがって国際大会で見かけないようになり、
ロシアの選手といえば毎年毎年顔も名前も知らないような子が出てくるだけ。
名前も知らないから愛着も湧かないし、みんな同じような滑りだから、
いくら素晴らしくても記憶に残らない。
記憶に残らないのは、私個人の問題かもしれないが。
最近、若い子がみんな同じ顔に見える……。
フィギュアスケートは選手が育っていく過程を見るのも醍醐味の一つだと思うのだが。
ロシアの育成システムを何とかしないと、女子フィギュアの面白みのなさは
ずっと続くよ。
だが現行それで点数が出ている以上、改善されるとも思えない。
何しろロシアはそれで上位を独占しているわけだから。
ロシアとしてはこのやり方が正解。
結論。――エテリが引退するまで、女子フィギュアは終わりだ。
※※※※※※※※※※※※
今シーズン初のテレビ観戦で、新鮮味も大いにあったのかもしれないが、
出場した日本人三選手、みんないい滑りだったと思う。
三原舞依、わたしは子どもっぽさを感じて今まで好きな滑りではなかったんだけど、
今回の滑りは良かったですね。ようやく大人の滑りになった感じ。
河辺愛菜。開始直後からその滑りのスピード、力強さに注意を惹きつけられた。
今回ジャンプは悪かったけど、その後も滑り自体の力強さは衰えなかったので、
フィジカルもメンタルも強い選手なのではないかと思う。
ちょっと興味を持った。面白そうである。今後期待。
樋口ワカバは今回良かった。円熟味を感じた。まだ20歳か。
このくらいになってからが女子フィギュアは面白いと思うんだがなー。
20歳にして、樋口ワカバも浮き沈みを体験しているわけでしょう。
何年も見ていた我々は、その浮き沈みを経験したワカバを見て拍手を贈るんだよ。
そして名前も顔も覚えられないロシア娘2人はどちらも素晴らしかったです。
でも個性がないので覚えられない。つまり次回出て来たとしても
懐かしいとも思えないし、おっ、この人か、との期待も抱けないということ。
やっぱり面白くありませんよ。
そんななかで長年がんばっているトゥクタミシェワはすごいなあ。
彼女が出てくると応援したくなるし、今度は何を見せてくれるんだろうと
期待が広がる。タミ子さんとあだ名をつけたくなる。
今回の演技も良かったですね。
タミ子さんらしい演技。タミ子さんにしか出来ない演技。
そういうものをわたしは見たいんだ。
フリー。
河辺愛菜。素晴らしかったね。ショートでのジャンプ失敗が嘘のような堂々たる滑り。
いい3A。いいコンビネーション。
開かれた演技が出来るのが強みだなー。坂本花織的なダイナミックな傾向。
スピンの速度はもう少し欲しいか。
選曲も良かったよね。全体的に素晴らしい出来だった。
三原舞依。すごく良かったけど、そのか弱い――そよ風のような芸風が
あんまりわたしの好みじゃない。ジャンプが軽やかすぎるんだな。
ジャンプはぶんっと跳ぶタイプの方が好き。
とはいえ、スピンの滑らかさは一級品。ビールマンもきれいだったね。
樋口ワカバ。衣装が個性的。
こう言われて本人がうれしいかどうかしらないが、
牝豹のイメージがとても似合ってると思う。
数年前にやっても良かったと思うくらい。
ステップの振付が個性的で面白かった。
タミ子さん。衣装似合いますね。振付に緩急があっていい。
こういう間合いが個性、独自の感性ってことなんだよね。
やっぱりタミ子さんの滑りは面白いと感じる。
このプログラム、いいね。最後のノリも含めて盛り上がる。
オリンピックシーズンにいいものを持って来た。
コストルナヤ。すばらしい。
ワリエワ。すごい。
いや、この2人もすばらしいよ。すばらしいけれども、見ているこちらの
心が寄り添わない。
コストルナヤは優雅で美しい。ワリエワは――やってることはすごいんだろう。
が、子供があんなに無造作にぽんぽん跳ぶところを見せられても、
1回目2回目はまだしも、見ているうちにどんどん普通のことになってしまう。
自分自身で紡ぎ出す物語がまだない。
ワリエワ、世界最高ですか……。
「すごい」=「美しい」ではないし(美しくないわけではないけれども)、
ましてや感動できるということではないんだなあ。
4回転を跳べる人が世界で1人しかいない状況なら息をのんで見つめるだろうけど、
ロシアが4回転マシーンを量産している現行では、そこまでは。
それに、この人も跳べなくなる17歳頃にはもう見なくなっているんだろうなと
冷めた目で見てしまう。
10年の選手の人生を見たいんだよなあ。
下手だったコストナーが、素晴らしい表現力を磨いたように。
2年で入れ替わるロシア女子の状況は味気なさ過ぎて。
シニアの参加年齢を18歳以上に引き上げるとかはダメですかね?
それもズルっぽいけど、今のロシア女子を何とかするとしたらそのくらいしか。
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