「太平洋の防波堤」
読んでて気の滅入る小説だった。だから文学は嫌いだ。
無知であるがゆえに貧乏に貧乏になっていき、自暴自棄、壊れて行く母と息子と娘。
救いがないなあ。わたしは幸せな話が好きなのだが……。
これからこんな話ばっかり読んでいかなきゃいけないのかと思うと気分が沈む。
池澤はわたしには文学的すぎる。
「愛人(ラマン)」
「太平洋の防波堤」と同じく、書き手の実人生の話だろう……。
こちらの方がより生々しくて心が痛い。
滅入る。わたしの精神衛生上、大変良くないんじゃないか、これ。
なぜ純文学って幸せな話が少ないんだろう。
幸福は文学にはなり得ないのか。幸福な文学を読んでみたいものだ。
「悲しみよこんにちは」
高校の時に読んだなあ。しかし内容は一切忘れた。
読み比べてみると、デュラスの辛さはないというか。書いてあることは最終的には悲劇だが、
そこをけっこう美しく、軽やかに書いてしまうんですね。
読みやすく、面白くはあった。
しかし今読むとそこまでどうこうって作品じゃない気がするんだけど、
これは世界文学史上の傑作扱いですよね。その辺の評価がどーもわからん。
文学史上の文脈的にということなのか。文脈を知らないわたしは何とも。
がんばろう、自分。
キライなアメリカ文学だって20冊くらいは読んだじゃないか。
10冊くらいは読めなかったのもあるけれども。
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