半分は自伝で、もう半分は師・武智鉄二の思い出。
ほんと半々で中途半端かなあと思わんでもないけど、面白かったです。
わたしは松井今朝子はわりと最近(この6、7年?)、それもエッセイから始めており、
そしてエッセイには実家の京都の料理屋さんのことが頻繁に出て来るので、
まあ、ええとこの嬢やったんやろうなあ、と思って読んでいた。
そしたら3歳から6歳まで里子に出されていた、と書かれていて驚いた。
しかし里子といってもスタンダードな里子ではない様子で、
里親に当たる人は、実家の(自称)奉公人である戦争未亡人の「おはるさん」だった。
読んでの想像だが、24時間ベビーシッターがついたようなものである気がする。
里子になってからも実家には頻繁に訪れたそうだが、両親もお家騒動的なごたごたがあり、
両親自身も家を出て屋台を引いていたというから、小さな子を養う余裕はなかったのだろう。
両親はやがて屋台から店を構えるようになり、その過程で松井今朝子は両親の元に戻っている。
親も養子に入った人だったとか、
祖父の代には梨園との婚姻関係があったとか、
「家」関係では様々あった人らしい。そういう環境は子供を複雑にする。
「きつうて、気随」という子供だったそうだ。エッセイの言い散らしっぷり(いい意味で)
からもそのことは推察される。
……と、内容を紹介していくとはかが行かないから、いつものように感想のみだが、
幸せな人。という印象。
幸せ一辺倒にも書いてないんだけどね。たしかに心を開けない、自閉的な性格ではあったんだろうけど。
でも本当に自閉的な性格なら、演出の仕事は無理だと思うなあ。
自閉的な性格でも社交的。……うーん、わからないこともないがね。
ただ、すごく仕事に役立つ人と出会ってるよね。
そういう意味では幸せな人でしょう。その最たるものが武智鉄二。
正直、わたしは武智鉄二という人を知らない。ムチテツジだと思っていた。
この本を読んでどんな人か……わかったかというと、実はわからないのだが、
とにかく何かエキセントリックな人で、目新しいことを色々やったらしいというのはわかった。
評伝ではなくて思い出話ですね。それはそれでいいと思う。
身近に接した人の話は意味がある。
でも実際に近くで働いたのはそんな長い年月じゃないらしいよ。
松井今朝子自身もけっこう色々な境遇に身を置いている人らしく、主だったところでも
松竹にて広報→芝居の脚本・演出→小説家という流れらしい。
うろ覚えなので間違っていたらすみません(^^;)。
その中で武智鉄二との師弟関係は芝居の脚本・演出についてのようだから。
小説家稼業になってだいぶ長いようだし、武智鉄二は相当前に亡くなっているようだし、
でもまあ、人との出会いは単純に接触時間の長短で測れるものでもないからね。
受け取ったものは大きかったんだろう。また、書き手として書いておきたい素材でもあったんだろう。
わたしは松井今朝子の自伝部分を面白く読んだ。
うん、やっぱり中途半端だとは思うので、自伝か武智鉄二の伝記か、どちらかに寄せた方は
良かったと思う。
武智鉄二が速水御舟好きだったので、装丁が「炎舞」。
……だと思ったのだが、どうも「炎舞」の蝶と違うようだなあ。どうでしょうか。
ほんと半々で中途半端かなあと思わんでもないけど、面白かったです。
わたしは松井今朝子はわりと最近(この6、7年?)、それもエッセイから始めており、
そしてエッセイには実家の京都の料理屋さんのことが頻繁に出て来るので、
まあ、ええとこの嬢やったんやろうなあ、と思って読んでいた。
そしたら3歳から6歳まで里子に出されていた、と書かれていて驚いた。
しかし里子といってもスタンダードな里子ではない様子で、
里親に当たる人は、実家の(自称)奉公人である戦争未亡人の「おはるさん」だった。
読んでの想像だが、24時間ベビーシッターがついたようなものである気がする。
里子になってからも実家には頻繁に訪れたそうだが、両親もお家騒動的なごたごたがあり、
両親自身も家を出て屋台を引いていたというから、小さな子を養う余裕はなかったのだろう。
両親はやがて屋台から店を構えるようになり、その過程で松井今朝子は両親の元に戻っている。
親も養子に入った人だったとか、
祖父の代には梨園との婚姻関係があったとか、
「家」関係では様々あった人らしい。そういう環境は子供を複雑にする。
「きつうて、気随」という子供だったそうだ。エッセイの言い散らしっぷり(いい意味で)
からもそのことは推察される。
……と、内容を紹介していくとはかが行かないから、いつものように感想のみだが、
幸せな人。という印象。
幸せ一辺倒にも書いてないんだけどね。たしかに心を開けない、自閉的な性格ではあったんだろうけど。
でも本当に自閉的な性格なら、演出の仕事は無理だと思うなあ。
自閉的な性格でも社交的。……うーん、わからないこともないがね。
ただ、すごく仕事に役立つ人と出会ってるよね。
そういう意味では幸せな人でしょう。その最たるものが武智鉄二。
正直、わたしは武智鉄二という人を知らない。ムチテツジだと思っていた。
この本を読んでどんな人か……わかったかというと、実はわからないのだが、
とにかく何かエキセントリックな人で、目新しいことを色々やったらしいというのはわかった。
評伝ではなくて思い出話ですね。それはそれでいいと思う。
身近に接した人の話は意味がある。
でも実際に近くで働いたのはそんな長い年月じゃないらしいよ。
松井今朝子自身もけっこう色々な境遇に身を置いている人らしく、主だったところでも
松竹にて広報→芝居の脚本・演出→小説家という流れらしい。
うろ覚えなので間違っていたらすみません(^^;)。
その中で武智鉄二との師弟関係は芝居の脚本・演出についてのようだから。
小説家稼業になってだいぶ長いようだし、武智鉄二は相当前に亡くなっているようだし、
でもまあ、人との出会いは単純に接触時間の長短で測れるものでもないからね。
受け取ったものは大きかったんだろう。また、書き手として書いておきたい素材でもあったんだろう。
わたしは松井今朝子の自伝部分を面白く読んだ。
うん、やっぱり中途半端だとは思うので、自伝か武智鉄二の伝記か、どちらかに寄せた方は
良かったと思う。
師父の遺言 (集英社文庫(日本)) [ 松井 今朝子 ] |
武智鉄二が速水御舟好きだったので、装丁が「炎舞」。
……だと思ったのだが、どうも「炎舞」の蝶と違うようだなあ。どうでしょうか。
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