たしか誰かのオススメで読んでみたのだったが……
わたしの好きな書き手。池澤だったか、柴田元幸だったか。
誰だったかな。忘れた。
冒頭を読んでみて翻訳史は翻訳史でも、フランス翻訳史の本だったことに驚いた。
日本人が書いてこのタイトルだったらまさかフランス翻訳史の本とは思いませんよ。
まあフランスをつけるのとつけないのでは売り上げも相当違っただろう。
日本人翻訳者が調べたフランス翻訳史ということで、ちょこちょこ日本の状況も
出てくるし、意表はつかれたけどテーマに不満はありませんでした。
面白かったしね。
「翻訳史」ではなく、プロムナードとついてるだけあって、
がっつりとした歴史ではなく、時系列ではありつつもエピソードによって
組み立てる構成。
中世の、アラビア語から翻訳されたものの多さ、
近世の、翻訳に力を入れた文学者、
近代の、翻訳の組合を作ることに尽力した人々。
印象に残ったのはその辺り。
アラビア語からの――いいかえれば、イスラム文化から中世ヨーロッパが
学んだことって、わたしが認識しているよりもずっと多いんだろうな。
イスラム文化のことは、よく知らないけど忘れないようにしようとは思っていて、
イスラム美術をさらっと眺め、千夜一夜物語を読み、シナン、華麗なる世紀、
ごくごく断片的にだが少し触れている。
が、わたしの認識では、ヨーロッパ文化は古代ギリシャを直接継ぎ、
その間に別系統からちょこっとイスラム文化が流入したというイメージだった。
だがよく考えてみれば、アテネとイスタンブールの距離なんて、
物理的にも歴史的にもほんのお隣だ。直線距離にすれば600キロもない。
メソポタミアやエジプトから古代ギリシャが影響を受けたように、
古代ギリシャがイスラムやローマに影響を与え、
ヨーロッパにその両方の流れが戻って来る。
傍流ととらえずにもう一つの主流と考えた方が正しい。
……ということを考えさせてくれたので、この本は読んで良かった。
翻訳に力を入れた文学者、翻訳者の話は面白かったので
これだけの本を書いてくれるのはどうだろうか、と思ったが実際に書いてた。
今後読んでみる。
わたしの好きな書き手。池澤だったか、柴田元幸だったか。
誰だったかな。忘れた。
冒頭を読んでみて翻訳史は翻訳史でも、フランス翻訳史の本だったことに驚いた。
日本人が書いてこのタイトルだったらまさかフランス翻訳史の本とは思いませんよ。
まあフランスをつけるのとつけないのでは売り上げも相当違っただろう。
日本人翻訳者が調べたフランス翻訳史ということで、ちょこちょこ日本の状況も
出てくるし、意表はつかれたけどテーマに不満はありませんでした。
面白かったしね。
「翻訳史」ではなく、プロムナードとついてるだけあって、
がっつりとした歴史ではなく、時系列ではありつつもエピソードによって
組み立てる構成。
中世の、アラビア語から翻訳されたものの多さ、
近世の、翻訳に力を入れた文学者、
近代の、翻訳の組合を作ることに尽力した人々。
印象に残ったのはその辺り。
アラビア語からの――いいかえれば、イスラム文化から中世ヨーロッパが
学んだことって、わたしが認識しているよりもずっと多いんだろうな。
イスラム文化のことは、よく知らないけど忘れないようにしようとは思っていて、
イスラム美術をさらっと眺め、千夜一夜物語を読み、シナン、華麗なる世紀、
ごくごく断片的にだが少し触れている。
が、わたしの認識では、ヨーロッパ文化は古代ギリシャを直接継ぎ、
その間に別系統からちょこっとイスラム文化が流入したというイメージだった。
だがよく考えてみれば、アテネとイスタンブールの距離なんて、
物理的にも歴史的にもほんのお隣だ。直線距離にすれば600キロもない。
メソポタミアやエジプトから古代ギリシャが影響を受けたように、
古代ギリシャがイスラムやローマに影響を与え、
ヨーロッパにその両方の流れが戻って来る。
傍流ととらえずにもう一つの主流と考えた方が正しい。
……ということを考えさせてくれたので、この本は読んで良かった。
翻訳に力を入れた文学者、翻訳者の話は面白かったので
これだけの本を書いてくれるのはどうだろうか、と思ったが実際に書いてた。
今後読んでみる。
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