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ばりん3g

顔にある特徴を持つ人は、学業において好成績を残す。

「顔が好みだから」なんて理由で恋仲や推しを決めたり、

怪訝な面立ちから「あの人はきっと怖い人だ」と判断したり、

笑い顔を不快に感じ「作り笑顔をするんじゃない」と指摘したり、

無精ひげ生えた人に「だらしない人だ」という印象を抱いたり……。

 

挙げればきりがないほどに、私たちは顔で人を判断しがちだ。

そして私たちは、その判断をもとにその人との接し方を考えている。

笑顔が嘘くさくないだとか、ひげが生えててだらしないだとか。

論的根拠もなく、ただ"顔から感じ取った印象"で動くことは少なくないだろう。

「ただし、イケメンに限る」なんて揶揄は、その最たる例ではないだろうか。

 

 

 

顔から感じ取った印象は、私たちの判断にあらぬ介入をする。

 

その表れの1つに、学業成績への影響が挙げられる。

ディベートなどの審査員に判定が一存されるテストにおいて、顔の幅が相対的に広い人は比較的いい成績を収めたというのだ。

厳密にいうと、学習指導要領でいうところの「総合的な学習」の分野においては、"「頬骨を直線で結んだときの距離/上唇の最上点~眉毛の中央の点」を求めた時の数値の大きさ(fWHR)"と成績に小さいながらも関係があったという。

fWHRの数値が大きい人は男らしくリーダーシップがある人という印象を持たれるらしく、その印象が審査員を揺さぶり、成績が高くつけられたと推測されている。

 

あらぬ介入をする例を、もう1つ。

多数の人に「悪そうな顔」と判断された人は、実際の裁判においても厳罰を下される傾向にあったという。

また、過去に冤罪の判決を受けた人も、多数の人に「悪そうな顔」と判断される傾向にあったという。

このお話にもfWHRの概念は通用する。fWHRの数値が大きい人は攻撃的かつ支配的な人という印象を与えるらしく、それが裁判官の判決に影響したと推測されている。

公平が求められる司法判断においても、印象の影響は無視できないという。

 

 

 

以上の例の通り、顔から感じ取った印象---今回は相対的な顔の幅を取り上げたが---は、私たちの判断にあらぬ介入をする。

これらの介入の厄介な点として、現状本質的な理由が見当たらないことが挙げられる。

つまり、私たちはfWHRを理由に男らしいだの支配的だのと言っているが、そのfWHRと支配性や男らしさに関係性が見いだせない、fWHRがかかわっているという根拠がほとんどないというのだ。

 

攻撃性や支配性との関係性が深い男性ホルモンとfWHRは関係なし。

また数学といった客観的な指標に判定が一存される分野とも関係なし。

仕事の業績や出世といったイメージが幅を利かせそうな領域においても影響は確認されず。

攻撃的かどうかとfWHRにはわずかな相関関係があるが、因果関係とまではいかず、これも怪しいところである。

 

 

 

挙げればきりがないほどに、私たちは顔で人を判断しがちだ。

そして、その判断には特に根拠がない

というか、現状根拠を説明できないものである。

 

しかし、私たちの決めつけてしまう癖は依然としてある。

せめて「だらしない人だ」と思われないよう身だしなみは最低限整えるとして、

決めつけてしまう癖を念頭に置いておくことにしよう。

 

 

参考文献

Brian M.Bird,Valeska S.Cid Jofré et al. (2016) Does the facial width-to-height ratio map onto variability in men's testosterone concentrations.

Edgar E.Kausel,SantiagoVentura et al. (2018) Does facial structure predict academic performance.

John Paul Wilson,Nicholas O. Rule (2015) Facial Trustworthiness Predicts Extreme Criminal-Sentencing Outcomes.

Linke, L., Saribay, S. A., & Kleisner, K. (2016). Perceived trustworthiness is associated with position in a corporate hierarchy. Personality and Individual Differences.

Michael P. Haselhuhn ,Margaret E. Ormiston et al. (2015) Men’s Facial Width-to-Height Ratio Predicts Aggression A Meta-Analysis.

Shawn N. Geniole,Thomas F. Denson et al. (2015) Evidence from Meta-Analyses of the Facial Width-to-Height Ratio as an Evolved Cue of Threat.


論文を参考にいろいろ喋るブログです。

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