花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

街は疲弊

2017年01月09日 11時18分43秒 | 日記
現今では街の疲弊を嘆く声をよく耳にします 全くと寂しく
思うこのごろです
昔は街の商店お茶屋さんでもお客を喜ばせるささやかな催しを
企画されていたものです
私は母の道具を大切にしていて滅多に茶道具を買わないのですが
お茶屋さんの展示会で雅号華正の大棗が気に入って買い求めました
大棗の内側は梨子地になっていて蒔絵は松唐草で
そうなんです 気に入ったのです

すると暫く経ったころお茶屋さんからのご案内でその作家塗師を
お店に招聘してお客さんに個々お好みのお道具を創ってみませんか
ということでした
私も参加して平素使う棗に挑戦しすることにしました
ご親切に蒔絵の見本が準備されていましたので私は秋の紅葉が
感じよく表現された蔦の紋様を選びました
思いのほか私なりに出来上がりました
すると当日の招かれた塗師の華正さまはその上に優しく金粉を
振ってくださいました
そして私の茶名を聞かれてご親切に棗の底に私の茶名を書いて
可愛く瓢の形で囲んでくださいました
私とても嬉しくて
漆は湿気の中で何日か乾燥させるものでお気に入りの私の棗もその
湿気乾燥機に入れて帰りました
今思い出しても心躍る一日でしたね

それからは毎年世界でたった一つの照葉の蔦紋様の私の棗は年に一度は
お稽古の場に出して私は講釈します

こんな思い出もいいものです
街の疲弊さえなければもっと夢が膨らむことでしょうに



拙い私の蔦の絵の棗ですが