高校野球は変わった 大味では勝てない、細かい技術大事 高嶋仁の目 (msn.com)
まずは両チームとも投手が素晴らしく、持ち味を発揮しました。引き締まった決勝でした。
なかでも京都国際の西村一毅投手が大会を通じて好調でした。最後の場面も、1点リードの十回裏2死満塁。抑えれば優勝、ヒットを打たれればサヨナラ負けもあるところで、見事に空振り三振を奪い、ゲームセット。ええハートをしていますよ。
ポイントはやはり、十回表無死一、二塁から京都国際のバスターでしょう。打者は西村投手、しかも代打で登場しました。
関東第一のバント守備はレベルが高いです。3回戦の明徳義塾戦でも、無死一、二塁で一塁手が猛烈に前進してきて打者にプレッシャーをかけ、送りバントを決めさせませんでした。
この日は三塁手が前進し、遊撃手が三塁のカバーに入るシフトでプレッシャーをかけてきました。まともにバントをしていたら、封殺されていたでしょう。そこを西村選手が見事にバスターで左前安打し、無死満塁と好機を広げました。
この緊迫した場面で、バスターは簡単には決められません。相当練習しているのだと思います。動揺した相手から次打者が押し出し四球を選び、流れを引き寄せました。
関東第一はもう一歩でした。しぶとく接戦を勝ち上がり、粘り強かったです。あと一本が出ませんでしたが、随所に好守や好走塁が見られました。
大会を通じて7本塁打。低反発バットを象徴するような大会となりました。
高校野球は明らかに変わりましたね。大味な野球では勝てません。バッテリーを中心とした守備、バントやエンドラン、走塁、細かい技術が大事だと提示してくれたような決勝やったと思います。