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青空ーすべてはバランス

がん細胞とウイルスー3 ウイルスの細胞感染を逆手に

2021年6月9日(水)今日も晴れ。午後にかけて気温がグングン上がり暑くなりました。夕方には少し涼しくなりましたが。

ウイルスによるがん治療薬は他にもありました。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学の藤原俊義教授らの研究グループは、がん細胞の中だけで増殖し、がんを破壊する腫瘍融解ウイルス製剤「テロメライシン」を開発しています。
食道がんに対して放射線と併用した治験(第I相試験)を行っていたが、新型コロナウイルスの影響もあり、残念ながら国内承認申請時期が2024年以降に変更になることが明らかになったばかりです。

がん細胞の中に入り込み破壊するとはどういうことなのか?以下、この教授のサイトを参考にさせていただきました。

遺伝子治療には遺伝子の運び屋が必要
遺伝子治療では、病気の原因となっている不足の遺伝子の補充や、遺伝情報の乱れに対して関連するRNA(miRNA、shRNA他)などを細胞内に送りこむことが必要です。 
この時の方法の一つは、患者から採取した細胞に、必要な遺伝子を組み込んだあと、再び体の中に戻す方法。これは細胞培養など、再生医療技術も必要になるそうです。
もう一つは、今回のウイルス製剤のように改変した遺伝子などを搭載したベクターを直接体内に投与する治療法です。 ベクターとは遺伝子の運び屋のこと。運び屋はウイルス。ターゲットの細胞の核の中のDNAまで運ばせます。
ウイルスの細胞への感染力を逆手に取る方法です。

ウイルスの種類は?
テロメライシンでは、アデノウイルスというウイルスを使っている。このウイルスに感染すると、軽い風邪程度の症状から重症の扁桃腺炎や肺炎、結膜炎などさまざまな炎症が引き起こされる。
 
この教授は、以前は「増えない無害化したアデノウイルス」を用いたがん治療を開発していましたが、その後、増殖力の強いがん細胞に対する治療効果を高めるために、「増えるアデノウイルス」を用いた開発を進め、テロメライシンを完成させた

世界でもすでに、アデノウイルスやヘルペスウイルス、レオウイルスといった腫瘍融解ウイルスを使ったがん治療薬の開発が行われている。 

デリタクトを開発した藤堂教授は次のように言っている。
日本は遺伝子治療開発において世界に勝る独自の最先端技術を持っているにもかかわらず,臨床応用という点では欧米に大きな遅れを取っています。」
せっかくすぐれた技術を持っていても、製品化できなければ何にもならない。悲しい日本の現実だ。今の新型コロナウイルスのワクチン開発も同じことが言える。

遺伝子治療開発には,製品化までトータルで1000億円近くの費用が必要とされていますが、こんな高額を獲得できる研究者は日本の中でもごくわずからしい。いつも欧米に先を越されてしまう。

バブル崩壊以降、嘆くことばかりの日本。
でも気持ちを変えて、私の疑問。
増殖するウイルスを使えば、正常な細胞にも感染するのではないか?
どうなっているのだろう?そこが一番の難関だったはずだが。

 

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