「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします・・・」菅総理大臣の所信表明演説です。
ここで、「カーボンニュートラル」という言葉が出てきている。文章全体からの意味を考えると「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ということが「カーボンニュートラル」になるということみたいだ。
カーボンは炭素であることは分かる。ニュートラルは中立?確かめてみよう。
ここで、「カーボンニュートラル」という言葉が出てきている。文章全体からの意味を考えると「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ということが「カーボンニュートラル」になるということみたいだ。
カーボンは炭素であることは分かる。ニュートラルは中立?確かめてみよう。
まず先に「温室効果ガス」とは何か?
二酸化炭素じゃないの?
温室効果ガスは、CO2だけではなく、メタン、N2O(一酸化二窒素)、フロンガス(4種類)もひっくるめている。温室効果をもたらすガスを複数対象にしているということだ。「地球温暖化対策の推進に関する法律」という法律に定められている。なるほど。
温室効果とはどういうこと?
温室効果ガスはもともと大気中に存在している。そのおかげで太陽からの熱を地球に封じ込めて平均してちょうどいい(15℃程度)気温に保たれるようになっている。もしこれらのガスがなければ、マイナスの(マイナス18℃程度)世界になり地球が氷に覆われることになる。そんな説がある。ただし、何をしなくても寒冷化と温暖化が交互に訪れる地球のサイクルが長い長いスパンで自然の営みの中で繰り返されるが・・・。現在はちょうどいい時期ということなのだ。
しかし、これらのガスが多すぎると、温室効果の働きが必要以上になり、地上の温度が高すぎるようになる。
二酸化炭素じゃないの?
温室効果ガスは、CO2だけではなく、メタン、N2O(一酸化二窒素)、フロンガス(4種類)もひっくるめている。温室効果をもたらすガスを複数対象にしているということだ。「地球温暖化対策の推進に関する法律」という法律に定められている。なるほど。
温室効果とはどういうこと?
温室効果ガスはもともと大気中に存在している。そのおかげで太陽からの熱を地球に封じ込めて平均してちょうどいい(15℃程度)気温に保たれるようになっている。もしこれらのガスがなければ、マイナスの(マイナス18℃程度)世界になり地球が氷に覆われることになる。そんな説がある。ただし、何をしなくても寒冷化と温暖化が交互に訪れる地球のサイクルが長い長いスパンで自然の営みの中で繰り返されるが・・・。現在はちょうどいい時期ということなのだ。
しかし、これらのガスが多すぎると、温室効果の働きが必要以上になり、地上の温度が高すぎるようになる。
地球の温度は、南極や北極の氷とこれらのガスの量によりバランスよく一定に保たれるようなシステムがあるが、これが崩れてくるわけだ。異常気象になり自然災害が頻発するようになる。
だから必要以上に温室効果ガスを排出することで、地球の気候変動のサイクルの長さが急速に縮められ、これ以上の人為的な排出は許されない限界まで来ているということなのだ。
だから必要以上に温室効果ガスを排出することで、地球の気候変動のサイクルの長さが急速に縮められ、これ以上の人為的な排出は許されない限界まで来ているということなのだ。
そもそも何で温室効果ガスが発生するのか?
〇電力を供給するために発電をするために燃料として石油や石炭、天然ガス=化石燃料などを燃やすと大量の二酸化炭素が発生する。
〇自動車の燃料であるガソリン=化石燃料を燃やすと二酸化炭素が発生する。⇒化石燃料を使う各種交通機関すべて。
〇エアコンや冷蔵庫に冷媒として使われているフロン。
〇その他の多くの電気製品を使うことにより多くの電力が必要となる。
〇ずっと問題になっているアマゾン川流域の焼き畑農業により森林が焼かれて、農地が増加している。
⇒焼く行為と森林が二酸化炭素を吸収する量の減少。
〇自動車の燃料であるガソリン=化石燃料を燃やすと二酸化炭素が発生する。⇒化石燃料を使う各種交通機関すべて。
〇エアコンや冷蔵庫に冷媒として使われているフロン。
〇その他の多くの電気製品を使うことにより多くの電力が必要となる。
〇ずっと問題になっているアマゾン川流域の焼き畑農業により森林が焼かれて、農地が増加している。
⇒焼く行為と森林が二酸化炭素を吸収する量の減少。
主な発生源であるこのような私たちの生活を支えている化石燃料の使用を減らす必要があるんじゃないの?でも温室効果ガスの排出をゼロにするなんてとんでもなく不可能じゃないの?
そこで、吸収と除去が必要になってくる。
どういうこと?
森林に二酸化炭素を吸収させようというもの。もう一つの除去とは、CO2を回収して貯留する「CCS」「CCUS」技術を利用して排出されたCO2を集めて地中に貯留してしまおうという取組がある。さらには「DACCS」や「BECCS」などの技術で大気中に存在する二酸化炭素を回収して貯留することも考えられている。 これは「ネガティブエミッション技術」と呼ばれる。
どういうこと?
森林に二酸化炭素を吸収させようというもの。もう一つの除去とは、CO2を回収して貯留する「CCS」「CCUS」技術を利用して排出されたCO2を集めて地中に貯留してしまおうという取組がある。さらには「DACCS」や「BECCS」などの技術で大気中に存在する二酸化炭素を回収して貯留することも考えられている。 これは「ネガティブエミッション技術」と呼ばれる。
つまり、「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする・・・」というのは、排出削減だけではゼロにできないから、吸収・除去も含めてトータルでゼロにするという意味なのだ。
ニュートラルの意味がいまいち釈然としない?そもそもの例で考えてみる。
ニュートラルの意味がいまいち釈然としない?そもそもの例で考えてみる。
植物は全て有機化合物で炭素原子を基本に有する化合物。植物は光合成により大気中の二酸化炭素の炭素原子を取り込んで有機化合物を作りながら成長する。だから植物を燃やして二酸化炭素を発生させて排出しても、それはもともと空気中に存在した炭素原子を植物が取り込んだものです。
だから大気中の二酸化炭素の総量の増減はプラスマイナスゼロとなる。つまり、炭素が循環する過程での二酸化炭素はプラスマイナスゼロ=中立となる。このような考え方に基づいているようだ。排出削減と吸収・除去でプラスマイナスゼロ=カーボンニュートラルは政策的な考え方と思えばいい。
ちなみに、排出される二酸化炭素が吸収される二酸化炭素を上回る場合は「カーボンネガティブ (carbon negative)」、排出される二酸化炭素が吸収される二酸化炭素を下回る場合は「カーボンポジティブ (carbon positive)」と言う。
だから大気中の二酸化炭素の総量の増減はプラスマイナスゼロとなる。つまり、炭素が循環する過程での二酸化炭素はプラスマイナスゼロ=中立となる。このような考え方に基づいているようだ。排出削減と吸収・除去でプラスマイナスゼロ=カーボンニュートラルは政策的な考え方と思えばいい。
ちなみに、排出される二酸化炭素が吸収される二酸化炭素を上回る場合は「カーボンネガティブ (carbon negative)」、排出される二酸化炭素が吸収される二酸化炭素を下回る場合は「カーボンポジティブ (carbon positive)」と言う。
菅総理大臣だけが言っているわけではない。2021年1月20日時点では、日本を含む124か国と1地域が、2050年までのカーボンニュートラル実現を表明している。中国は2060年までのカーボンニュートラル実現を表明したている。全世界の3分の2が目指している。
京都議定書を引き継いだパリ協定のこと。アメリカのトランプ前大統領が脱退したパリ協定だ。
京都議定書を引き継いだパリ協定のこと。アメリカのトランプ前大統領が脱退したパリ協定だ。
今回はカーボンニュートラルについて理解した。いろいろと複雑な問題を持ちながらも、温室効果ガスの削減を目指さないと大変なことになるという認識を世界のほとんどが持っているということだ。
具体的にどういう取り決めをしているのだろうか?