2024年1月14日(日)寒いけど晴れました。今日はまた北朝鮮が中距離弾道級と思われるミサイルを発射している。
日本人宇宙飛行士 野口聡一さんは3回宇宙に行っている。「感覚で宇宙をつかむ」ことを重視する野口さん。この方の宇宙観がおもしろい。
ーこんなことをおっしゃっているー
「船外活動で、身ひとつで宇宙空間に出て行くのは、この世とあの世の間に流れる『三途(さんず)の川』を渡るような感覚、と表現できるのかもしれません。今回の自身4回目となった船外活動では、今までとは少し違った形で強烈に感じました。」
ーーー
ごく薄い大気の層を挟んで向かい合っている、地球の光「生命」と宇宙の闇「死」を同時に見たときに感じたことだという。
「重力」についての次の言葉もなんとも面白く興味深い。
「頭が上で、足が下と思いたい気持ちは残ります。面白いのは、機械は瞬時に『無重力仕様』に切り替えられますが、人間の感覚はそうはいかないということです。1970年代の初期の宇宙ステーションは円筒形の構造物で、その丸い筒の壁面に沿って機械が設置してあった。少し動けば使えるので、空間の有効利用上はいい。でも人間にはきわめて使いにくいのです。今のISSは天井や床、横壁を『決めごと』として、人為的に作っています」
ーーー
私たちの重力のある地球の世界では、上下左右が人間の社会に重要なポイントになる。重力に支配されているこの世界に存在する言葉を無重力生活を知っている彼だからこそ、独特の感じ方をしている。
ーーー
「上下左右」という身分関係。「昔の殿様が城の上にいて城下を見下ろす」「社長は会社のビルの最上階に近い所にいる」
(・・・まぁ、安全・セキュリティという面もあるけどね・・・)
「大地に根を下ろす」という言葉は、植物の生態からの比喩です。今回は(ISSで)植物の実験も試みましたが、地上では下の地面に根を張るように見えても、実は上下は関係ないのです。無重力空間では水を吸収でき、光合成を行える場所ならば、どこでもその方向へ根は伸びる。重力に基づく言葉は無重力では実態と離れてしまいます」
ーーー
宇宙開発の競争が激化している。もし人間が月や火星で暮らせるようになった時、どんな人間の社会ができているだろう?上下左右はなくなっているかもしれないが別の区別(差別)ができているのかもしれない。