with Anne

SCOUSE HOUSEさんのメルマガに寄稿した
2019年までのサッカー観戦記。
そしてこれからの旅の記録です。

第25話《チューリッヒ行きの鉄道で感動》

2023年07月23日 | 2015年デュッセルドルフ・ハンブルグ

 

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4月1日。今日はデュッセルドルフから近い都市、ボンとケルンを訪ねる予定です。

「朝もちょっとのんびり出来るね

「のんびりし過ぎ~」ボンに到着は昼近くになってしまいました。

「朝早くから始動って苦手で

 

デュッセルドルフのホームで列車を待っているといつもと違う車両が入って来ました

「わあ チューリッヒ行き

ドイチェバーンのチケットはドイツ国内だけでなく、周辺国の一部の路線まで使用範囲が広いんです。

「余裕があったら鉄道で国境を越えたかったなあ

チューリッヒ行きが来ちゃったのでちょっと不安になって近くの女性に確認をしました。

乗りたい列車はDB Navigatorで調べてあるので、スマートフォンの画面を見せます。

「DB Navigatorはドイツのサイトだからドイツ人にはすぐに伝わるんだよね

頷いてもらって、その女性の後を安心して乗車しました。

「今までで一番混んでいるかも」珍しく多くの方が座れない程の混み具合です。

「ボンは近いし、あまり奥に行かないようにしましょ

入り口付近は片側が対面の6人掛け

「片側はベビーカーや車椅子を置くスペースなのね」ベビーカーと多くの荷物が置かれていました。

次の駅に到着すると駅員さんが車椅子の乗客を車内に案内してきました。

 

その時です

オオォォ・・・」

乗客同士、荷物をどけて、車椅子の方と連れの方の荷物も棚にあげています。

連れのおばあちゃまには車椅子近くの席を譲ってさしあげたりもしています

「もうみんな知り合いのように会話が始まっちゃった

車椅子に近い席だから、車椅子のおじいちゃんも一緒に楽しそうです。

私が乗車する時に一緒に乗車した女性は入り口の対面6名の席に座りました。

座ったら持参したお菓子を出して、周りの方にも差し出しているんです。

「えっ 私にも」その近くで立っていた私にも差し出してくれたのです。

「6名の席に座っている方々もまるでずっと知り合い同士みたいだわあ

やがて車椅子の老夫婦が降りる時には、周りのみなさんが出口までお手伝いします。

「降りる時には駅員さんは必要ないほど親切なのよね

その駅で入り口の6名のうち3名の親子も下車のようです。

先ほどの女性がすぐに私に「座って」って感じで声をかけてくださいました。

ベビーカーのお母さんと子供たちが降りる支度をしています。

「周りの方が子供達に声をかけて、まるで知り合いのおばさんみたい

「お母さんが支度に集中出来るように協力してくれているのねー

 

そしていよいよボンに到着

私も降りようと並んでいると、私の後ろの女性が私の前の男性に声を掛けているんです。

振り返って見ると、女性は特大のスーツケースを3個も後ろに引いている

前の男性に「降りる時に手伝って」って頼んだように感じました。

知らない人に自分の荷物を自ら頼むのって日本だったら見かけない光景ですよね。

「日本なら『自分で持てない分まで持つな・・・』って心の中で言われそう(笑)」

私は気を利かせて、後ろの女性の後ろに移動しました。

車両の降り口、男性がごく普通に笑顔でスーツケースを降ろしています。

終わると女性が笑顔で声を掛けて分かれて行きました。

「混雑した車内でウルウルしてきちゃった

「どうしてみんなこんなに余裕があって優しいんだろう・・・」

「ベビーカーや車椅子にも進んで手を差し伸べる人たち

「まるで友人のように話しかけてくれる人たち

「手助けはお互い様ってこういう事なんですね

 

ドイツの鉄道は駅ごとにほんのちょっとずつ遅れることが多いんです。

それは乗客同士のこんなコミュニケーションがあることも原因な気がします。

みなさん、遅れることにとても寛容で、乗降に時間が掛かることを誰も嫌な顔をしません。

「なんて優しい人たちなんだろう

「私は言葉が出来なくて会話が出来ないことがとても残念

ドイツが大好きになりました

 

 

 

 

続く