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「昼過ぎからはシャンゼリゼ通りに行かなきゃ」
「観戦チケットを発行してくれる電器屋さんってシャンゼリゼ通りだったよね。」
「明日が試合だから今日中に発行して貰わなくちゃ」
「電器屋さんの名前と住所をグーグルの地図と一緒にプリントアウトして来ましたよ。」
「ちょうど最初の一軒目はシャンゼリゼ通りのお店だからここに行ってみよう」
「グーグルの地図には住所も店名も入れて来たから何とかなるよね」
「しかもシャンゼリゼ通りにはパリサンジェルマンのオフィシャルショップ」
「これは寄らなきゃ」
「オフィシャルショップだー」「シャンゼリゼ通りの中央辺りだからすぐに見つかるよ」
「何だかリヴァプールのショップに比べて物々しい雰囲気。」
「店内は撮影禁止」「強面な警備員が店内の所々で監視してる 」
「あれっ オフィシャルショップでもチケットを購入してる方がいるよ。」
「そっか オフィシャルショップなんだからここでチケットの発行が出来るのかも。」
「私もカウンターの列に並んで予約書を見せてみよう」
「14時から 」担当の方に予約書を見せたら14時を示してくれました。
「『14時に来るように』って言ってるよねえ・・・」
「地図だとオフィシャルショップのすぐ先が交換所の電器屋さん」
「14時まで時間が余ってるし行ってみようかな・・・」
地図を頼りにシャンゼリゼ通りを凱旋門の方角に歩くとショッピングセンターのようなビル。
「電器屋さんの住所ってこのショッピングセンターだ」
「入り口の警備員さんにお店の名前を見せてみよう。」
「奥の方を指してくれました。」「キョロキョロ!」
「ありました」「カウンターの列に並んで待ちましょ。」
「前の方の話が全く終わりません」
「待てども待てども何となくダラダラと話している」
「奥から出て来た人。 別の店員さんかな」
「予約書をみせてみよう。」「『・・・ここは違うよ』って言ってるみたい。」
「えーっ だってここで発行してくれるって」
「仕方ない 入口の案内所「アクイール」で見せてみよう。」
予約書を見せると案内所の女性がさっきのお店を教えてくれました。
「今度はカウンターの女性に聞こう。」
「あー まだ先程の人が話しています。」「郷に入っては郷に従え・・・」
「待つしかないよね」「待っている私のことは見えているはずなのに。」
「一向にお構いなしな感じで話してる」
もちろん最初に来た時から同じ人がずっとです。
その方の用事がちょっと行き詰ったところでやっと予約書を見て頂きました。
カウンターの女性は予約書をじっと読んでいます。「・・・・」
このお店が指定になっているんだからすぐにチケットを発行して頂けると思っていました。
無言のままひたすら読んでいます。
途中で先程のお客さんが何かを店員さんに尋ね始めました。
「また始まっちゃった」
「店員さんが私の予約書を置いて彼女と話し始めちゃった」
「他の店員さんが対応してくれるなんてこともないのねー。」
「待たされっぱなしです」
前の方の対応が終わるまでまた延々と待ちぼうけをくらっている私です。
待って待って待って、やっとまた予約書を読んで頂けました。
「こんなに待っていたのに・・・」「何なの 店員さんたら両手を広げているよ。」
「『うちでは出来ないよ』って言ってるみたいだ」
「予約書を返されちゃいました。」
「入口の案内の女性だってちゃんとこの店って言ったのに」
「仕方ない。」時間を確認したら14時過ぎています。
「オフィシャルショップに戻ってみよう。」
「カウンターにはさっきよりたくさん人が並んでいる」
「チケットを買っているらしいね。」
「チケットらしいものを受け取っているよ」
またまたずっと待ってやっと私の番。
「パリの人ってお話が大好きって聞いてたけど本当ね。」
「こんどこそ」予約書を見せます。
「カウンターの店員さんたら予約書を見て首を振ってる」
「ここでは出来ないの」
「えーっ さっきの女性は14時過ぎって言ってたのに」
「この予約書のチケットはここでは発行出来ないって・・・」
「電器屋さんもオフィシャルショップもダメって」
「ヤバいかも」
「引き換えしてくれる電器屋さんは他にもあったよね。」「あと2軒印刷してきたよ」
「殆どパリの市街地から離れてたから3軒だけ地図を印刷してきたんです。」
「それでも3軒調べて来て良かった」
「まさかこんなことになるとは想定外です」
続く
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