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今回の旅は蚤の市での買い付けがメイン
ただ蚤の市って普通は土日に行われるものなんです。
「えっ 毎朝蚤の市が開かれている広場がある 」
「しかもそこはマルシェも毎朝開かれているんだあ。」「これは訪ねない理由はないよね。」
到着の次の日「金曜日の朝です」「マルシェだからちょっと早起きしよう」
「だって地下鉄に乗って最寄駅のルドリュ・ロランまで行かなきゃ。」
「前回のパリでは窓口で『カルネ』って回数券を買ったよね。」
カルネはメトロやRERやバスが利用出来る回数券です。
移動がかなり多い方はツーリスト向けのパリ・ヴィジットや一日乗り放題のモビリスもあります。
私は歩ける距離は散歩を楽しみたいのでカルネの10回券を利用。足りなくなったら買い足すことにします。
カルネは10回券だけじゃなく、枚数も選べます
窓口には女性がいました。「よし カルネを買うぞ 」
「何よ~ 私の後ろの方を指しながら何か言ってる・・・」
相変わらず意味不明でキョトンとしていると窓口から女性が出て来ました。
「『自動販売機で買いなさい!』ってことね・・・」
女性は説明をしながら次々画面を進めて行きます。
「訳がわからないまま現金投入画面」「お金を投入しなきゃ」
「結局よくわからないまま・・・でもカルネが手に入ったし まあいいか ポリポリ」
平日の朝にもかかわらず地下鉄は通勤ラッシュって感じではなかったですよ。
「カルネが手に入ったらパリの地下鉄は分かり易くて楽チン」
「でも一つ困ったことが」「日本でも慣れない土地だとあるかも。」
「それは地下鉄を降りて地上に出た時なんです。」
知らない街でどちらに歩いたらいいのか全く分からない
「地下鉄のホームから出た時ってそんなことありませんか」「もちろん地図は持っています。」
「ただ日本で見慣れた地図と違って建物やお店の名前はなんにも書かれていないんです 」
「ヨーロッパの地図って通り名だけですよね。」
「だけど通りの名前ってどこに書かれてるの」
「ダメだ」「もう一度地下に潜って地図を確かめよう。」
「地下鉄構内の地図は日本と同じように出口に番号が書かれてるね。」
「自分の地図と地下鉄構内の地図をつき合わせてしっかり確認」
「目指す方向の出口の番号はこれだ」「歩く方角をしっかり確かめてからもう一度地上へ行こう」
「まだ少し不安だけど多分こっち 」
「あっ、印刷してきた地図にある公園だ 3本に分かれた通りも見えて来た」
「これでやっと安心だね」
しばらく歩くとマルシェが見えて来ました。「美味しそうな果物や野菜が美しく並んでいるよ」
「海外の市場って本当に目を奪われるよね 」「マルシェの裏側が蚤の市なのね。」
「もうオープンしているお店やまだ準備中のお店があるみたい。」
「初めての蚤の市~」感動だけど始めはただ眺めているだけでした。
どんなものが並んでいるのか、何が欲しいのかよく分からない時間が続きました。
「なんかあれって面白そう」少しずつ気になるものを見つけることが出来るようになりましたよ。
「ご存じのようにフランス語が出来ない私」「勇気が必要なんだよね 」
「ボンジュール」現地の方は気さくに声を掛けてくれます。
「ボンジュール 」「ちょっと緊張しちゃうなあ・・・」
「そうだ カンニングペーパーを出して勇気 勇気」「頑張るぞ 」
「セ・コンビアン(いくらですか)」
「キャー 通じたみたい 」
「通じたけどフランス語は理解出来ないんだった 」
フランス語の数字で知っているのは「アン・ドゥ・トロワ」位です。
「大丈夫」「メモ帳とペンをちゃんと持参」
「これを渡したら『書いて欲しい』が伝わるもんね~。」
「蚤の市って値切るらしい。」「メモで商談しちゃおう 」
「数字が万国共通で良かった 」
商談成立すると新聞紙なんかに包んで手渡してくれます。もちろんエコバッグ持参は当たり前ですよ!
「お腹が空いてきたなあ・・・」
「そうだマルシェで果物を買って食べることにしよう」
マルシェの写真を撮りながら何を買おうか考えています。
「えっ どうして私の方を怖そうな表情で見てるの」
「『撮らないで』って感じのジェスチャーに見えるよ」
「ドキッ 」「マルシェって写真撮影ダメじゃないよねえ。」
「なんだあ 」「マルシェのお兄さんったら私の不安そうな表情を見て笑ってるじゃない。」
お兄さんの冗談だったみたいです。それどころかお兄さんも撮影に協力
「ポーズなんか取っちゃって~」
私がリンゴを指して指で一個とアピール。
「5ユーロ」「マルシェのお兄さんは五本指を広げてるからそう言うことだよねえ」
「えっ それってボッタくり 」
「リンゴ1個5ユーロって」「あり得ない 」
「これもお兄さんの冗談なのね 」
「わざわざ別のリンゴを拾い上げて人差し指で1ユーロって」
「『こっちなら1ユーロ』ってことなの」「リンゴ1個1ユーロも高いけど・・・」
「フランス語で文句言えないからいいか」
「1ユーロを渡してリンゴを頂くことにしましょ 」
するとお兄さんったらリンゴと一緒にお釣をくださいました
「ごめんなさい」「本当はとってもいいお兄さんだったんだあ」
「きっと私がフランス語分からないから工夫してくれたのかも 」
一旦1ユーロを受け取ってお釣を渡す。
1ユーロぴったりだったら指1本で伝えられるものね。
「私も海外で言葉の代わりに工夫していることが多いけど。」
「言葉が出来なくて旅をしてるって現地の方々も工夫してくれているんだあ」
「その優しさに改めて感謝です 」旅に出ると、小さなことでも人の優しさを感じることが出来ますね。
まだ初日なのにもう感謝と感動に包まれています。
続く
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