〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(164)

2016年09月09日 17時57分38秒 | エッセイ
「秋」の音が「飽き」に通ずるということから、古くから男女の情がさめていくことに「秋」の凋落の感じをダブらせて表現することが多かった。平清盛ははじめ白拍子の妓王を寵愛していたが、仏御前の出現によって情を移し、妓王を追放してしまう。その時妓王が障子に書き残した歌は「萌えいづるも枯るるも同じ野辺の草いづれか秋にあはではつべき」だった。「あなたも同じ運命なのよ」という警告の意をこめたもので、平家物語の中でも女心の悲しさを感じさせる一コマである。・・・・・
「ことばの歳時記」金田一春彦 新潮文庫 昭和48年
                      富翁
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