東京オリンピックが終わった。
17日間は長かったと思えば、長い。 が、見たい競技の決勝が夕方から夜に集中し、やや寝不足になったほうが印象的には強い。
アメリカが大スポンサーだから、日本からは遠い距離になり、時差の関係で、夕方からに主な競技の決勝が集中するのは仕方ないのかもしれない。ほんとうは涼しい時間である朝の8時には全競技とも始めたらよいのだが、アメリカはその時間はみんな真夜中で、寝ている。時差を考慮しなければならないことはほとんどの人は理解していたことであろう。
競技ではソフトボールと野球が特に楽しみにしていたので、日本が出場する試合はほぼ全部見た。柔道もしかり。
それと同時に、日本がメダルを取れそうな試合も、可能であれば見ることにしていた。ただ、なかにはルールのよくわからない競技もいくつかあり、その種目のルールを覚えた頃には、もうおしまいになっていた。とほほ。
それにしても今大会のメダル獲得は金が27個で史上最多であり、総メダル数58個もこれまた最多であるのは日本人としてやはりうれしい。
このオリンピックで3回の君が代を聴いた。
聴いたというのは、正確には正しくない。柔道のある階級以外は生で聴いてはいないのだから。でも、開会式と閉会式に流れた君が代の歌をカウントすると全部で3回聴いたことにはなる。
開会式のそれは、最初は少し間の抜けた歌い方をするなと思った。でも聴いているうちに、数秒後には、これはいいなとすぐ思えてきた。
この歌詞は今から1100年くらい前に編纂された古今和歌集の
我が君は千代にやちよにさざれ石の巌となりて苔のむすまで
からとった。
曲は明治13年(西暦1880年)に作られた。今から141年前の唱歌であるから当然他のそれと同様に、作詞作曲者の名は当時は伏せて発表している。
古今集に読み人知らずとはなっているが、この短歌は大伴家持の作というのはほぼ間違いない。
平家物語で平忠度の名を伏せたように、紀貫之も大伴家持の名を「読み人知らず」として掲載した。この場合の君とは天皇をさすとは限らない。
君が代は千代に八千代にさざれ石のいわおとなりてこけのむすまで
しかしこのように、国歌としての君が代は明らかに天皇である。
「童謡唱歌歌謡曲など(9)君が代と東京五輪閉幕」