あべっちの思いをこめた雑記帳

昼顔

 
 ものぐさで不器用だから、庭の手入れをほとんどやったことがない。
 茎が伸びてきてから、ようやく重い腰を上げる。だから家人にはいつもあれこれ小言を頂戴している。

 初夏の頃、朝顔やほおずきなどをたくさん抜いたからだろうか。昨年まであれほどあった昼顔が、今年は極端に少なくなった。
 自然の摂理というより、適当に間違って抜いてしまったのだろう。だからこの夏は朝顔やほおずきに対し、昼顔さんがあまり顔を見せてくれない。
 茎も抜けたが、気も抜けた。

 昼顔は、各地の道端や野原に自生する。
 地中を横に走る白色の地下茎からつる性の茎を伸ばし、他の花などについてよじ登る。
 夏期はおおよそ6~8月。

 朝顔よりやや小さく、淡紅色の花をつける。
 早朝に花開くその朝顔に対し、日中に花が咲くところからその名がある。昼顔などとシャレたその名を付けたのは、いつどなたなのだろうか。当人に会って、聞いてみたいものである。
 直径2~3cmで、夕方にはしぼむ。繁殖力が強く、雑草化しやすい。

 万葉の時代に誘い込んでくれる昼顔。
 来年はきっとたくさん再会できることを、今からのぞんでいる。


                     「季節の花(26)昼顔」

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