やいまの島々美しゃ・心美しゃ

 やいま(八重山)のブログへ、おーりとーり♪ タイトルは
「しまじまかいしゃ・きぅむかいしゃ」と読みます。

「な」からはじまる絵本

2020-02-10 | 読書

今回もいろいろ迷った末、5冊選んできました。

  

なまえのないねこ 竹下文子 文 町田尚子 絵 小峰書店

どこかでこの絵本の表紙を見たことがあり、こちらを見上げる猫の緑色の目がとても印象的で、迷わず借りました。

名前のない野良猫のストーリーが切ないです。

文を担当した作家さんも絵を担当した作家さんも、どちらも猫飼いさんのようで、猫に対する愛情があふれています。

猫というのは毛色・模様も様々ですが、個性も様々で、そして飼われている猫たちの名前も様々ですよね。

この絵本に出てくる猫たちも「ああうちの近所にこんな野良猫いるいる」という感じ(笑)

ただ、この作品の主人公のノラちゃんと違って、たいていのノラちゃんは警戒心が強いですね。私は動物が大好きなので野良猫を見かけると「わ~可愛い。元気?」とでも声をかけたくなってしばらくじーっと見ているのですが、野良猫のほうも私をじーっと見ながら。。。警戒してる(笑)

寒い冬も暑い夏も、名前がなくても。。。ノラネコちゃんたち、たくましく長生きしてね。

 

ながいながいよる マリオン・デーン・バウアー 文 テッド・ルウィン 絵 千葉茂樹 訳 岩波書店

夜の場面の絵は、3色の絵の具だけで描かれているそうです。

長い冬の夜、自分こそ太陽を連れ戻す、と意気込むカラス、トナカイ、キツネ。

同じパターンが3回繰り返されるのはよくある昔話や神話・民話のパターンを思わせます。

小鳥のひたむきな鳴き声で、太陽がまた姿を現す。。。寒色ばかりだった世界に広がる夜明けの色がとても良いです。

まぶしい黄金色や朱色、バラ色でもなく、サーモンピンクをうんと薄くしたような色。木々の間から見えてくるこの色がとても自然で良いなと思いました。

 

なんでもないなつの日 「夏の夕ぐれ」 ウォルター・デ・ラ・メア 詩 カロリーナ・ラベイ 絵 海後礼子 訳 岩崎書店

絵本の途中で、文字のない絵だけの見開きがあるととても効果的ですが、この作品はそういう文字のないページのほうがメインで、文章はとても控えめ。

それが全体的にゆったりとした夕ぐれの雰囲気を演出していて良いです。

「夏の夕ぐれ」なので、黄色やオレンジが占める風景でも良いと思うのですが、ぱっと見、どうしてもこれらの色だと秋のほうをイメージしてしまう気もします。

ちなみにこの作品は「お」で紹介した『おぼろ月のおさんぽ「銀色」』と同じ絵の作家さんと訳者さんです。

 

なかよしの水 タンザニアのおはなし ジョン・キラカ作 さくまゆみこ訳 西村書店

いかにもアフリカらしいはっきりしたカラフルな絵に惹かれて選びました。

賢いうさぎが重要な役を演じているのがうさぎ好きとしては嬉しい。

訳者あとがきによると、アフリカの昔話では、弱い立場ながらも天敵に負けずに生きるうさぎは英雄とみなされているそうです。

作者のキラカさんにはぜひ、たくさんのタンザニアの昔話を収集して、素敵な絵本として後世に残して欲しいです。

 

ないたあかおに 作 浜田廣介 絵 野村たかあき 講談社

タイトルは聞いたことがありましたが、ストーリーを知らなかったので借りてみました。

ただ、道徳の教科書に載っていたりもするそうなので知らなかった、というよりは覚えていなかったのかも(汗)

主人公のあかおによりも、あおおにのほうが気になる。。。

あおおには、人間と仲良くしたいという気持ちはなかったかもしれないけれど、友達であるあかおににこんなに優しいなんて、あかおにと同じくらい良いおにじゃないですか。

あおおには今どこでどうしているのだろう。。。

ひょっとすると、あかおには、あおおにを探しに旅に出たかも。。。その旅の途中、行く先々で、あおおにが残したメッセージのとおりに、人間と仲良くしたのかもしれない。

それにしても「鬼」ってなんだろう???

節分で「鬼は外」と豆を投げつけられる鬼。桃太郎に退治される鬼。「鬼のような形相」という表現もあるし、サンゴを食い荒らすヒトデは「オニヒトデ」です。

大きくて怖くて乱暴者、というのが一般的なイメージですね。

でもなんとなく、日本人なら「鬼」のことを100%悪者だとは思わず、「鬼」に対してどこか愛着を持っているものではないでしょうか。

  

いつも絵本のレビューを読んでくださってありがとうございます。



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