やいまの島々美しゃ・心美しゃ

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「よ」からはじまる絵本

2020-12-18 | 読書

8日(火)に借りてきたので返却期限は22日(火)だけれど、2週間経たずにハイペースで「よ」の絵本5冊を紹介します。

 

よるがきらいなふくろう 仁科幸子 偕成社

とある出来事から夜が嫌いになってしまい、夜行性を返上して昼間に活動し、友達もいないふくろう。

昼行性の動物たちと友達にはなれなかったのかな。

そんなふくろうの家に、毎晩ガが訪ねてきて、2人は仲良くなる。

ガは、夜の世界のすばらしさを話し、一緒に外に出ようと誘う。。。

河合隼雄先生の本をよく読んでいるせいか、このふくろうが問題を抱えたクライアント、ガがカウンセラーのように思えてならなかったです。実際にはカウンセラー(治療者)はガのようにこんなに積極的にクライアントに対し「〇〇してみようよ」、などとは働き掛けないものだと思いますが。

ふくろうが、昼間の世界で生きていて幸せならそれで良いのではとも思うけれど、誰にでも、「自分の属するところ」というものがありますね。

人間だったらそれは家庭だったり職場だったり、はたまた住んでいる「県」だったり。

思い切ってそういう自分が住んでいる・属している世界を変えようとするのも悪くはないけれど、ふくろうが夜行性の生き物として生まれてきたように「本来の場所でおさまる」ようになるのが一番良いことなのかもしれないですね。

 

夜のあいだに テリー・ファン&エリック・ファン 作 原田勝 訳 ゴブリン書房

原作のタイトルは The Night Gardener。

夜の間に、町の木々を刈りこんでいわゆるトピアリーにするふしぎな庭師さん。

いろんな動物たちのトピアリーは町の人々をハッピーにする。

この不思議な庭師さんには、「昼の顔」があるのかなあとふと思ってしまいました。

季節が変わっても、人々の心に届いた温かさは変わらない。そして庭師さんの技はウィリアムという少年に引き継がれ。。。

大事な「技」というのは夜にこそ、伝承されるものなのかもしれないですね。

 

よるのいえ スーザン・マリー・スワンソン 文 ベス・クロムス 絵 谷川俊太郎 訳

谷川俊太郎さんの訳となるときっと良い絵本だろうと思って借りてしまいます(笑)

木版画のような素朴な絵ですが、木版画ではなく「スクラッチボード」という画法なんですね。

Wikipedia先生によると。。。スクラッチボードとは、陶板( 陶器 で作られた板)の上に塗られた 墨 の塗膜を削ってできる 線 や 点 で表現する画法の一つ、だそうです。

文章は、わらべうたから題材を得たものだそうで、確かにシンプルで短いけど詩的な言葉がページをめくるたびに続いていきます。

家の鍵、ベッドと灯り、ベッドの上の本、本の中の鳥・・・と言う順に展開していき、ここでもまた「寝室の窓を飛び出す」という冒険のパターン。

そして太陽や月とともに光や闇の世界での冒険をハイライトとして、最初とはほぼ逆の順に鳥、本、ベッド、灯り、家の鍵・・・などと収斂していくのが「うた」の構成としてきれいにまとまっているなと思いました。

 

4ひきのりっぱなこぐま さく アーノルド・ローベル やく こみやゆう 好学社

アーノルド・ローベルさんは「がまくんとかえるくん」のコンビが登場する『ふたりはともだち』などで有名。

こみやゆうさんは『ねこのオーランドーたのしい日々』の訳者さんです。

この作品の原著のタイトルは The Bears of the Air ということで、読み進めていくとなるほどと納得しました。日本語訳のタイトルも良いと思う。

ずんぐりむっくりしたクマたちが可愛い。

「りっぱなくまのするべきこと」として本に書いてあることの中に私だったら「ハチミツを探して食べること」というのを入れたくなってしまう(笑)

それにしても「がまくんとかえるくん」のシリーズを再読したくなりました。やはり、がまくんとかえるくんのキャラクターが魅力のあのシリーズは名作ですよね。

 

ヨーレのクマー 宮部みゆき/作 佐竹美保/絵 角川書店

宮部みゆきさんはベストセラー作家ですが私は一冊も読んだことがありません。

心優しくて、ヨーレの街を守っているクマーという怪獣は、なぜ透明な姿だったのだろう?

透明でなくなったばかりに悲しい展開に。。。

最後の一文がせつないです。

絵は、アニメ的な画風で別に嫌いではないのですが、画風が違うと当然ながらこの作品への印象が違ってくるだろうなと思いました。

絵本というのは一人の人が文も絵も担当していることも多いですが文と絵が別々の人によるものであることも、多いですね。

ざっくりと言えるのは、東欧やロシアなどの国々の絵本画家さんの絵は、女性が好きな、雑貨などのデザインにもなりそうな可愛い絵が多い 日本の絵本画家さんの絵は、なんとなく「日本人だな」というのがわかるのですが、たまに、海外の絵本のような絵を描かれる画家さんもいますね。

  

明日図書館に行ったら、返すのは年明けになると思うので「ら」行からは2021年に持ち越しです。

最近ハイペースが続いているので、ちょっとのんびりとレビューを書こうっと(笑)

コメント欄閉じています。読んでくださってありがとうございました。



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