「き」からはじまる絵本は、「きつね」が結構多かったです。5冊選んできました。
きたきつねとしろふくろう たすけあう 手島圭三郎 絵本塾出版
「か」で紹介した『かしこくいきるしまりす』と同じ作家さんです。ああ~良いなあ、北海道の大自然に憧れます。。。
一貫してドキュメンタリー的かと思いきや、最後の夏の場面で、キタキツネの心情をいれることでかえって私はぐっと感動しました。
これまで読んだ手島さんの『はしれはるのゆきうさぎ』も『かしこくいきるしまりす』も、捕食されるほうの動物が主人公でしたけど、こちらの『きたきつねとしろふくろう たすけあう』は、どちらも他の動物を狩って捕食する側の生き物。
ドキュメンタリー番組など見ると、どうしても捕まった動物が哀れで「ああ可哀そうに」となってしまうのだけれど、ハンターたちだって、必死に生きているのですよね。。。
木はいいなあ ユードリイ さく シーモント え さいおんじさちこ やく 偕成社
原文のタイトルは A TREE IS NICE。何度か「いいなあ」「いいよ」などの言葉が出てくるのですがそれも原文だと nice、なのでしょうね。適切な和訳だと思います。訳のほうから原文の香りとでもいうものが感じられるのは優れた訳の証拠。
この絵本とは別物で、TVで「巨樹」についての番組を見て、ああ、巨樹の良さや魅力がもっと、自分のこととして「わかる」には私にはもう少し時間がかかるな、と思ったのですけど、とにかく「木はいいなあ」。
近所の公園などで枝ぶりの良い木を見ると「登ってみたいなあ」とこの歳になっても思ったりする、子供みたいな私です(笑)
きみもこねこなの? エズラ・ジャック・キーツ 作・絵 当麻ゆか 訳
最初、おや、これは文字のない絵本かな!と思いましたがちゃんと文字もありました(笑)文章が少なくても楽しめる作品です。でもかえって、文章が少ないと訳が難しいですね。。。
原文のタイトルは A KITTEN FOR A DAY。自分だったらどう和訳するかと考えると、結構悩ましいですぞ、これは(笑)
きりんきりん 武鹿悦子 詩 高畠純 絵 リーブル
キリンもこんな詩を作ってもらって嬉しいね~(笑) 最初のほうはリズムが良くて、声に出して読みたい感じ。
言われてみると、「キリン」というのは「きらりん」という音に似ていて、朝露や星との組み合わせにも納得です。
木いちごの王さま サカリアス・トペリウス 原作 きしだえりこ 文 やまわきゆりこ 絵 集英社
トペリウスはフィンランドのアンデルセン、と呼ばれているそうです。『星のひとみ』は読んだことがあります。
この絵本は、トペリウスの作品を訳したものではなくて、トペリウスの原作から日本語での文章を作ってあるようです。原作の短いバージョンなのかな?それでも、絵本にしては文章多めです。
森の中で一夜を過ごす姉妹。キャンプみたいに、外で寝るのも楽しいものだけど、食べるものは野で摘んだものだけ&寝るのは地べたで、ではなく、美味しいものとちゃんとした寝床があってはじめて、楽しいんだよねえ。
最近はやっている「グランピング」にちょっと興味がある私ですが、おっと、キャンプやグランピングとこの絵本は関係ありません(笑)
ストーリーの最初のほうで出てきた、木いちごの虫を助けたことが、最後につながってきます。
レモンやシークワーサーにつくアゲハの幼虫や、クチナシにつくオオスカシバの幼虫を、心を鬼にして駆除している私には、ちょっとチクっとくるお話です(笑)
前回、「か」の絵本で7冊ものレビューを書くのはちょっとしんどかった。。。5冊くらいまでがちょうど良いですね