山田の案山子

日々是吉日

警察不祥事? 庶民に愛され頼られる警察官のイメージを壊すな!

2013年08月16日 | 時事・ニュース
「嘘でも実績を・・・」交通反則金「割引」の元警察官が語る違反キップの “裏事情”
   産経新聞・社会
 交通取り締まりの際、反則金が安くなるよう実際の違反と異なる内容の反則切符を切ったとして、虚偽有印公文書作成等の罪に問われた元警視庁浅草署巡査部長の男性被告(51)の公判。

 警察官が「値引き」を繰り返した背景には、違反者にとって喜べないような話も含む様々な “裏事情” があったようだ。

 警察関係者十数人が傍聴席から見つめる中、東京地裁で1日に開かれた初公判。冒頭で裁判長から職業を聞かれた被告は、「無職です!」と語気を強め、既に辞職した事を明らかにした。

 検察側の冒頭陳述によると、被告は昭和59年に大学卒業後、警察官を拝命。平成23年以降、浅草署に勤務し交通取り締まりを担当していた。

 被告は2件の取り締まりで、虚偽の反則切符を作成したとして起訴された。1件目は平成23年12月。実際は「乗用車が赤色点滅信号のある交差点で一時停止をしなかった」と云う違反なのに、「原付きバイクが適切なレーンを走らず交差点を大回りした」と云う「右左折方法違反」の反則切符を作成した。
 本来なら反則金は7千円だが、3千円に減額された。

 もう1件は今年2月。交差点で左折専用レーンを直進した原付きバイクの男性を、やはり右左折方法違反で処理した。此のケースでは反則金は5千円だが、3千円に減額された。2月の処理で運転手から「反則金の安い方で処理すると言われた」と浅草署に申し出があり、犯行が発覚した。

 職場を追われる危険を冒して迄、反則金の「割引」を繰り返した理由は何だったのか。6月の逮捕当時、被告は「偽造は記憶にない」と容疑を否認したが、其の後の警視庁の調べで、過去5年間に虚偽の反則切符を30件交付していた事が判明。

 「より軽い違反にした方が素直に取り締まりに応じてくれると思った」と供述を変遷させていた。
 一方、公判の罪状認否では、起訴内容を認めた上で「虚偽の切符を交付したのは事実だが、運転手に哀願されてやったと云う事を認めてほしい」と強調。違反処理上の都合ではなく、飽く迄も運転手側への配慮だったとする主張に転じた。

 確かに1件目の事件では、初心者マークだった男性運転手への同情が働いていたようだ。証拠調べでは「家が近所だと云う話になり、『しょうがないから安くしてやるよ』と言われた」とする男性運転手の供述調書が読み上げられた。

 被告は弁護人の質問に対し、免許取得から1年以内の運転初心者が一定の違反を犯すと再講習が課せられる点に言及し「哀願され、講習はかわいそうだと思った」と振り返った。

 一方、2件目の事件からは、被告側の事情が働いていた事も明らかになった。検察側は冒頭陳述で、職務質問での検挙実績を上げていなかった事を犯行の直前に上司に叱責されていた、と指摘。其れを挽回する目的で交通ルールの複雑な交差点に立ち、違反の取り締まりを狙ったと主張した。弁護側の質問に対し、被告も事実を認めた。

 弁護人「実績を上げる為に取り締まりに出たんですか?」
 被告「『自転車盗の検挙もないのか、反則切符の検挙もないのか』と言われ・・・。嘘を吐いてでも実績を残したい、1本でも反則切符を切りたいと云う思いでした」

 弁護人「上司との関係が良くなかった?」
 被告「『上から目線』の人で、仲は良くなかったです」
 被告は続けて、交通取り締まりの運用について、こう述べた。「原付きバイクが左折専用レーンを直進する行為は、実務上は反則切符を切らず、注意にとどめていた」。

 此処で、ある疑念がわいた。被告が云う通り、原付きバイクの左折レーン直進では反則切符を切らないと云う作用が警察で為されているのなら、被告が此の違反を「右左折方法違反」で処理した事、運転者にとっては通常なら払う必要のない反則金を払わされている事になるのではないか。しかも、被告にとっては検挙実績も上げられるのではないか・・・。

 被告の法廷供述を聞けば聞く程こうした疑念がわいてきたが、被告はこれを否定、次のように述べた。
 被告「違反内容は別のものでも切符を交付する事で、運転手に交通違反を実感させ、反省を深めてもらいたかった」

 一方、検察側は犯行に至った「第三の理由」として、2件の反則に適用された「右左折方法違反」以外での書類の書き方を被告がよく理解していなかったと指摘、追及した。
 検察官「『始めから右左折方法違反で切符を切ればいいと考えていた』と供述したとする調書に署名していますよね」
 被告「勝手にそう作成したんじゃないですか? 私は一貫して『哀願されてやった』と言っている」

 元同僚等の前で「能力不足」と指摘されたかのような主張に腹を立てたのか、検察官に対する苛立ちをあらわにしていく被告。検察官は被告に「処分を軽くするよう求められても実際の違反で処理すべきだった」と云う現在の認識を確認し、更に質問を続けたが、被告は憤りを爆発させた。

 検察官「それなのに、どうして違反内容を軽くしたんですか?」
 被告「先程から言っている通り、哀願されたから・・・」
 検察官「そうではなくて・・・」
 被告「話を最後まで聞いてくれませんか!」

 裁判長から「じゃあ好きに話していいから、感情的にならないで」と諌められる被告。「話を中断しないでほしい」と不満を漏らしつつ、過去に切符を切った約120件のうち、30件以外は通常の手続きで行っている事を強調した。

 噛み合わない遣り取りが続いた被告人質問の最後に、裁判長が改めて尋ねた。
 裁判長「実績を上げるよう叱咤されたと云うが、捏造がばれればより厳しい処分を受ける事が分かっていたわけですよね。危険を冒してまで繰り返した理由が分からないんですが・・・」

 被告「いつか捕まるとは思っていた。ビクビクしながらやっていました」
 其れなら何故・・・。疑問は最後まで解けず、裁判長は首を傾げつつ検察官に論告求刑を促した。

 検察側は「警察官の職務執行に対する信用を揺るがした悪質な犯行で、『実績を上げたい』と云う動機に酌量の余地は無い」として懲役1年6月を求刑。弁護側は「被告本人は犯行で利益を得て居らず、警官を辞めた事から再犯可能性も無い」として執行猶予付き判決を求めた。判決は9月3日に言い渡される。

 「今後反則切符の内容が精査され、厳しく見られるようになる。都民や上司の目が厳しくなるのが申し訳ない」。
 被告が法廷で述べた反省の弁は、元同僚の警察官に向けたものだった。

 しかも、「好い加減なキップを切れなくなり、仕事がやりづらくなって申し訳ない」と云う言葉とほぼ同義のものだった。
 不適正な取り締まりを繰り返した事についての都民への謝罪は、最後迄無かった。



 警察の不祥事は後を絶たないが・・・交通係には検挙率や罰金徴収のノルマが在るのだろうか?
 罰金を安くしてもらった事に何の不服が在って警察署に出向いたのだろう?

 警察不祥事は署内で減給や戒告・懲戒解雇等で有耶無耶にされて居る様な気がするが・・・何故、起訴されたのだろう? 検察とも折り合いが悪かった?
 白バイやパトカーは違反者出現を狙って街中を徘徊して居る?
 其の目を自転車にも向けてもらいたいと思う。

 判決は被告は既に退職した事で社会的制裁も受けて居り・・・云々で執行猶予付きになるだろう。
 検挙率や罰金徴収を目的としたネズミ捕りは止めてくれ!
 庶民に愛され頼られる警察官のイメージを壊さないでもらいたいものだ!

 一つ疑問が残る! 何故、元警視庁浅草警察署巡査部長(51)で実名を公表せぬ?
 退職は依願退職か懲戒解雇か? 退職金は? 
 まぁ如何でも好い話なのだが・・・