山之上もぐらの詩集

2024年02月02日 | 日記

終のすみか


私の終のすみかは 地球の上
雪五尺の終のすみかは ぜいたくのうち
終のすみかを持たぬ者も 多いのだ

私の終のすみかは 路上かそれとも公園のかたすみか
いずれ 私の終のすみかは海の底
ここに飛び込んだとて 河がこの身を運んでくれる

私の終のすみかは 地球の上

お偉方の終のすみかは 墓の中
その墓とても 三代持てばマシな方
すぐその上に 誰かの終のすみかが建てられる

おごるなかれ 身分賤しき者どもよ
我が身を葬る術を  論ずるなかれ
それは 葬る者の決めること

おおよその人間は 墓はむろん
蓋を覆う棺さえ 持たぬのだ

動物たちに墓はない
鳥や蛇や虫やミミズに 墓はない

せめて 私とお前たちのために
地球という石ころを一つ置こう

 



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。