On Stage / Tal Farlow
世の中、仕事となると何であっても、いつも後から追われるようにやらされるものだ。スケジュールであったり、仕事の完成度であったり。そして満足のいく結果でなくとも、またその次に賭けることになる。その点、趣味であればやりたい時に、納得のいく程度でやっていく限りにおいては、ストレスになることもない。
タルファーローというギタリストは、もしかしたら趣味でギターを弾いていたのかもしれない。そもそもギターを弾き始めたのが20歳になってからというので、所詮最初からプロという感覚はなかったのかも。
何度か引退をした後、コンコルドで復帰した最初のアルバムは1977年録音の、ハンクジョーンズとレイブラウンとのトリオの演奏だった。
実は、この録音に先立ち前の年の1976年夏のコンコルドジャズフェスティバルへの出演が先であった。この舞台は、実は昔のコンビであったレッドノーボとの再会セッションであった。昔の仲間との再会は唯でさえ嬉しいものだし、久々であっても直ぐに昔の感覚を取り戻すものだ。このアルバムはその時のライブ、リリースは後だがConcordへの復帰の実質的な第一弾となる。1969年以来17年ぶりのレコーディングだ。
レッドノーボとタルファーローのトリオは1950年前後。25年ぶりの再会だ。その時のベースはチャリーミンガスであったというから驚きだ。舞台では、ノーボとのトリオの時代の編成に、ピアノとドラムも加えたクインテット編成である。
このタルファーローも実はコラボレーションが得意なギタリストだと思う。ノーボの飄々としたマレット捌きと実にコンビネーションが良い。このファーローは大柄で手が大きくてフレットを這い回る手の動きはまるで蛸のようだという話をどこかで読んだ記憶がある。映像で改めて見てみると確かに。先日のエミリーレムラーの女性の手捌きとは同じギターでも別物のようだし、ギター自体が小さく見える。
クインテット編成のサウンドは、丁度この映像のような感じだ。そしてコンコルドの舞台であることもあり、プログラムの構成は各自のソロをフィーチャーした曲あり、皆で盛り上がる曲ありだが、何故かいつも冷静であり余裕があるように感じるのがタルファーローだ。本当のプロの実力がありながら、「仕事」のプレッシャーを感じることなくいつも楽しげにプレーをしているようなので。
1. The One I Love Belongs to Somebody Else Jones, Kahn 5:55
2. A Time for Love/My Romance Mandel, Webster 7:15
3. Lullaby of Birdland Shearing, Weiss 7:58
4. My Shining Hour Arlen, Mercer 7:54
5. The Very Thought of You Noble 3:03
6. Rose Room/In a Mellow Tone Hickman, Williams 6:53
Tal Farlow (g)
Red Norvo (vib)
Hank Jones (p)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)
Produced by Carl Jefferson
Enginner : Phil Edwards
Recorded live at the Concord Pavillion, Concord, California in August 1976
Originally Released on Cocord CJ-143
世の中、仕事となると何であっても、いつも後から追われるようにやらされるものだ。スケジュールであったり、仕事の完成度であったり。そして満足のいく結果でなくとも、またその次に賭けることになる。その点、趣味であればやりたい時に、納得のいく程度でやっていく限りにおいては、ストレスになることもない。
タルファーローというギタリストは、もしかしたら趣味でギターを弾いていたのかもしれない。そもそもギターを弾き始めたのが20歳になってからというので、所詮最初からプロという感覚はなかったのかも。
何度か引退をした後、コンコルドで復帰した最初のアルバムは1977年録音の、ハンクジョーンズとレイブラウンとのトリオの演奏だった。
実は、この録音に先立ち前の年の1976年夏のコンコルドジャズフェスティバルへの出演が先であった。この舞台は、実は昔のコンビであったレッドノーボとの再会セッションであった。昔の仲間との再会は唯でさえ嬉しいものだし、久々であっても直ぐに昔の感覚を取り戻すものだ。このアルバムはその時のライブ、リリースは後だがConcordへの復帰の実質的な第一弾となる。1969年以来17年ぶりのレコーディングだ。
レッドノーボとタルファーローのトリオは1950年前後。25年ぶりの再会だ。その時のベースはチャリーミンガスであったというから驚きだ。舞台では、ノーボとのトリオの時代の編成に、ピアノとドラムも加えたクインテット編成である。
このタルファーローも実はコラボレーションが得意なギタリストだと思う。ノーボの飄々としたマレット捌きと実にコンビネーションが良い。このファーローは大柄で手が大きくてフレットを這い回る手の動きはまるで蛸のようだという話をどこかで読んだ記憶がある。映像で改めて見てみると確かに。先日のエミリーレムラーの女性の手捌きとは同じギターでも別物のようだし、ギター自体が小さく見える。
クインテット編成のサウンドは、丁度この映像のような感じだ。そしてコンコルドの舞台であることもあり、プログラムの構成は各自のソロをフィーチャーした曲あり、皆で盛り上がる曲ありだが、何故かいつも冷静であり余裕があるように感じるのがタルファーローだ。本当のプロの実力がありながら、「仕事」のプレッシャーを感じることなくいつも楽しげにプレーをしているようなので。
1. The One I Love Belongs to Somebody Else Jones, Kahn 5:55
2. A Time for Love/My Romance Mandel, Webster 7:15
3. Lullaby of Birdland Shearing, Weiss 7:58
4. My Shining Hour Arlen, Mercer 7:54
5. The Very Thought of You Noble 3:03
6. Rose Room/In a Mellow Tone Hickman, Williams 6:53
Tal Farlow (g)
Red Norvo (vib)
Hank Jones (p)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)
Produced by Carl Jefferson
Enginner : Phil Edwards
Recorded live at the Concord Pavillion, Concord, California in August 1976
Originally Released on Cocord CJ-143
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Concord Records |