A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

日本のジャズも東京だけではない、昔からローカル在住の素晴らしいプレーヤーも・・・

2014-10-06 | MY FAVORITE ALBUM




古谷 充とザ・フレッシュメンのファンキー・ドライブ&民謡集

若い頃、どこか地方に行くとそこのジャズ喫茶巡りが楽しみだった。京都には一時20件を超えるジャズ喫茶があり、全部廻るのにわざわざ2泊3日の京都遠征をしたことも。それぞれ特徴があって、東京のジャズ喫茶よりも拘りがあるところが多かった記憶がある。
ジャズファンは全国にいるのを実感した。

昨年、仕事で関西に行ったついでに地元のライブでも思って、大阪の老舗のライブハウスMister Kelly’sに寄ってみた。

当日出演していたのは、行本清喜とソウルブリード。普段はあまりフュージョン系のライブは行かないが、久々に濃いフュージョンサウンドに痺れた。
リーダーのトランペットの行本は初めて聴いたがドンチェリーの愛弟子とか、エレクトリックマイルスを彷彿させるプレー、リズム隊は昔懐かしいナニワエクスプレスのメンバー、そして古谷光広の豪快なテナーと豪華メンバーの素晴らしいグループであった。
関西のミュージシャンはなかなか聴く機会が無いが、日本のローカルミュージシャン(大阪をローカルというと怒られるかもしれないが)も実力者揃いだ。

このテナーの古谷氏の父上はアルトの古谷充。我々世代にはこちらの方に馴染みがある。
熱いアルトとボーカルで有名だった。大阪が本拠地であったが、テレビにも出ていた記憶がある。父上の方もまだ健在でプレーをされているようなので、こちらの演奏も機会があったらぜひ聴いてみたいものだ。

つい最近のライブの様子がYouTubeにあったが、相変わらず素晴らしい演奏だ。



1960年代の初め、世はファンキーブーム。1961年に来日したジャズメッセンジャーズの演奏に皆熱狂していた時代、和製ジャズメッセンジャーズの白木秀雄クインテットやジョージ川口ビッグフォーが大活躍していたが、この古谷充もこの時代の若手グループの先頭を走ってファンキーなプレーをしていた。
単にファッションとしてのファンキーではなく、マクリーンやウッズを彷彿させるアルトはナベサダよりも上だったかもしれない。最近の若手でこういうアルトはなかなか聴けないのが残念。
You Don’t Know What Love Isでは得意のボーカルも聴けるが、このボーカルもいい雰囲気だ。

まだ10インチのLPが出ていた時代だが、当時の2枚のアルバムがカップリングされてCD化されている。このアルバムがそうだが、2枚のアルバムの素材はどちらも日本の曲。先日Akira Tanaシャープスアンドフラッツのアルバムを紹介したが、同じような路線のアルバムだ。ただし、演奏の中身は時代に合わせてとことんファンキーだ。

民謡集のジャケットデザインはこんな感じ



このような企画の演奏は、とかくジャズ風にやるだけという軟な演奏が多いが。古谷充グループは本気度の高い演奏が聴けるので、ジャズは素材を選ばずということを実感する。アルバム全体の雰囲気が安っぽくなくいい感じなのは、ピアノの大塚善章のピアノと作編曲の貢献も大きい様な気がする。

こちらの大塚氏は関西ジャズ協会の会長。関西の長老の方々も皆さん元気なようだ。

1. 城ヶ島の雨
2. アローの夜は更けて
3. ソウルNO.1
4. アイル・シー・ユー・イン・マイ・ドリーム
5. フリー・ソウル
6. タブー
7. 暗い夜
8. ディグ
9. ユー・ドンド・ノウ・ホワット・ラブ・イズ
10. ストレンジャー・イン・パラダイス〈民謡集〉
11. 黒田節
12. 通りゃんせ
13. 祗園小唄
14. 佐渡おけさ
15. 五ッ木の子守唄
16. 城ヶ島の雨
17. お江戸日本橋
18. ソーラン節

古谷 充 (as,vol)
稲見 肇 (tp)
大塚 善章 (p)
奥村 博一 (b)
トム 樽原 (ds)

Recorded in 1960, 1961

古谷充とザ・フレッシュメンのファンキー・ドライブ&民謡集
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