槍平小屋ホームページ はこちらです。http://www.yaridairagoya.sakura.ne.jp/
槍ヶ岳・飛騨沢ルートの標高3000m付近から槍平・奥丸山方面の飛騨沢全景です。登山道の端々に雪渓がかかっている箇所がありますが、
通行に支障はなく、本日現在でピッケル、アイゼンは必要ありません。
7月18日からの三連休を前に、登山計画中の皆様も多いことと思います。新穂高から槍平へのルートで、心配なのは大雨による沢の増水です。
写真は本日12日午後5時時点での滝谷架橋部。平水時は橋から水面まで1m以上あります。しかし、先日はこれよりも高い位置にあった橋が流されています。
架橋箇所を拡大します。写真右側(滝谷レリーフ側)の橋桁に大きな石が2段積まれているのがわかると思います。平水時にはこの石に水はかぶっていません。
雨天時の通行に関しては「橋があるから大丈夫」ということだけではなく、”平水時と比べて、水量がどれだけ変化しているか”という点に留意して下さい。それによって、登りの場合なら南沢、下りの場合ならチビ谷の増水状況を予測することがある程度可能になります。
次に、これまで言及していませんでしたが、この架橋箇所のすぐ脇に鉄管で枠組みを作ってネットが張られている場所があります。これは、冬季に滝谷登攀中に行方不明となった登山者が雪解けとともに下流に流出するのを防ぐために張られたネットです。先日の再架橋時、行方不明者の捜索に来ていた登山仲間の方がご遺体を発見し、県警ヘリによって収容されました。「興味本位で近づく登山者が出るのでは?」という危惧からこれまで言及していなかったのですが、小屋開け前の架橋がされていなかった時期に、この鉄管を伝って沢を渡る登山者が見られました。この鉄管は渡渉用に組まれたものではなく、強度も不十分ですし、これまでの大雨で変形箇所もあり、非常に不安定な状態です。万が一、架橋部が流出していた場合でも、この鉄管を伝って渡渉を試みることは絶対にやめて下さい。
2013年、2014年と残念なことに沢の増水によって命をうしなった登山者の方が計4名いらっしゃいます。絶対にこのシーズンはそのようなことがないように、出来うる限りの注意喚起、情報提供を行っていきます。決して大げさにはお伝えしておりませんので、このブログで登山道に関しての緊急の注意喚起が行われた場合には、絶対に無理な入山、行動をすることがないようにお願いいたします。