やさいの家

小さな日常・小さな風景

台所を休もう~大原照子さんを偲んで~

2016-10-04 11:04:25 | 日記




久しぶりに買った「天然生活」。

買おうと思ったのは、大原照子さんのことが掲載されていたからでした。

    



大原照子さん。
ご存知の方も多いと思いますが・・・、

~~料理研究家の草分け的存在として半世紀以上テレビ、雑誌、広告、単行本などで活躍。
  その間イギリスに6年間暮らし、語学、英国料理、アンティークなどを学ぶ。
  91年に「英国骨董おおはら」を開店(amazonの紹介より)~~
・・・と言う方です。

お料理も、それに付随する食器や、しつらえ・・・、全てが魅力的でした。

そして何より、
年齢と共に、自分に合った暮らしを実践されていく潔い姿(必要なものしか持たない)も、本に沢山残されたのです。

80歳を超えても、お料理の本も執筆されていて。

昨年1月にご逝去されたとのこと。

知らなかったです。

読んだとき、軽くショックを受けました。

若い頃、まだ駆け出しで、働くことに必死だった頃、
大原さんの本は私にとっての、大切な暮らしの指標のひとつでした。

断捨離やミニマリストなどと言う言葉たち。
多分まだ、どこを探しても見出せない頃、
大原さんは、人気料理家でありながら、積極的に物を減らして、
大切で大好きなものだけを持つ暮らしを、実践されていました。

    

当時のCMで「日本を休もう」と言うのが流行った頃です。

大原さんはそのCMをなぞるように、「台所を休もう」と言う、
大胆な提案をされました。

人気料理家でありながら、コンパクトな台所。
フライパンや鍋の数も、ごくわずか。

    

家の中の持ち物も、厳選して美しい。

もちろん、大原さんがお好きだったイギリスの貴重なアンティークなどは、
目の保養であって、真似の出来るものではないですが。

暮らしていく上で、必要なものはそれほど多くないという姿勢。
それを潔く実践された、料理家のお一人だと思います。
とても自分らしく、美しく。


スージークーパーのティーセットと一緒に微笑む大原さん。

    

大原さんの本には、素敵な英国のアンティーク食器が沢山登場していました。

その本の美しいしつらえに惹かれて、
スージークーパーの食器に、憧れたときもありました。

本当に好きなものを厳選して、大切に使っていく暮らし方。


この「天然生活」には、息子さんである大原千晴さんが、寄稿されています。

「私がこどものころから母は、掃除をし、縫い物をし、料理をし、整理整頓を徹底する人だった。
 
 手の届く範囲で、自身の生活空間の充実に努力する。海外に住んでも変わらず、まずは日常生活の足固め。

 すべてはそこからスタートする。母は自身の生き方を通して、その大切さを教えてくれたと思う」
        
            ~「大原照子の小さな暮らし」 大原千晴~ (天然生活2016 11 vol.142)



なんだか懐かしくて、熱く語ってしまいました(汗)

ひとつの雑誌を読んで、思い起こした記憶。

忘れていたようで、忘れてはいなくて。

今の自分の暮らしのどこかで、息づいている。

たかが暮らし、されど暮らし。

今日一日を掌の中に包んで、暮らせることのありがたさ。


私にとっての大原さんは、今でも大切な憧れのような存在なのです。


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