TaizanのWhite Mountain

北部白山管理人&中宮温泉くろゆり館主がお届けする白山情報満載!

温暖化で困難になるトナカイ遊牧の記事

2017-06-23 | 北欧情報

北極圏では温暖化による影響が深刻化していますが、ラップランドでは何千年も続いて来たトナカイ遊牧に影響を与えて居ます。

今や遊牧ではなく、飼育化しているようです。

下記、記事と翻訳です。

http://lm.facebook.com/l.php?u=http%3A%2F%2Fwww.svt.se%2Fnyheter%2Fvetenskap%2Fhelt-crazy-med-tvara-temperaturkast&h=ATMC3_G8vjE3sATU_UgtvRl77iHhoVAHdI5YxfGq65lpRWAhwY6GWtgZBjf1SJsmkW00o_-E3umrwczlEsTnZdqIZN3ox7x4CxV9Iwh58CFeLbZzr5abLUalllJCU1L3MrNfnwCdDFo&s=1

 

キルナ郊外にあるラエバスサーメ村のニーラインガ氏がもはやトナカイらは餌を見つけることができないと話しました。我々の年寄りにこのことについて相談することもできない。なぜならこのような状況に誰がしも遭遇したことがないから。 
2月の終わりに彼と会った際、彼のトナカイらは北はケブネカイセから夏の避暑地であるピリヤルビ(キルナより南西100㎞)までとサーメ村の全域に広がって生息していました。
トナカイらを管理することはとても困難です。トナカイらが車道、鉄道や建物内に留まったりすることで、人々は通常存在しない場所に餌を探し求めるトナカイが出現することにいらいらしています。と彼は言います。
ラエバスサーメ村の会長であるニーラインガ氏は毎日、山岳地域での気候変更を体験しています。天候により積雪量が変化していますのでトナカイらは餌を見つけることができず、飢餓の恐れがあると彼は言います。
マイナス37度からプラス8度まで 
トナカイ所有者を脅かす冬の間の寒さと温暖の急激な変化。時に雪が凍り、また時には雪が解けたりして、氷の層ができるため、積雪の間、トナカイら自身が餌を見つけるのが困難である。国のサーメ村調査によると大半のトナカイ所有者は天候によるトナカイ自身で餌を見つけられないことに問題があるとのことです。
–この冬は完全におかしい。ある日はマイナス37度あり、翌日は急激にプラス8度まで気温が上昇した。とニーラインガは言います
相談に乗ってもらえる人がいない
通常、ニーラインガ氏はトナカイの問題が生じた際、父親またはサーメ村の年寄りに相談しますが、この場合はアドバイスをしてもらえる人がいない。
–私は家に電話をかけて「今、ここにトナカイらが来たけど、良いことなのかそれとも悪いことなのか?」と聞くことができない。なぜなら父は知らないから。そのような経験を一度もしたことがないから。17年間トナカイ飼育してきましたが、「通常」の冬を経験したことがないと彼は言います。
サーメのトナカイ飼育は口伝えで知識と伝統を引き継がれてきたので、伝統を受け継ぐ世代にとってこの新しい条件はとても難しいことです。
ニーラインガ氏のトナカイらは今のところ、木から垂れ下がるコケを食べて凌ぐことができるでしょう。しかし他のトナカイ所有者は冬の一部の期間、餌付けするようになっています。
ピリヤルビから数マイル離れたところにある Parrakkaのトールエリックフーヴァ氏は4月までメス・雄トナカイにエサを与えます。春に無事、出産できるようにと。柵の中に入り、通常、野生の地で生活する動物がビニール袋からの餌を乞う動物を見るのは少し奇妙な体験です。– 一匹だけでなくたくさんのトナカイらがこのように餌を与えられます。とトールエリック氏は言います。
トールエリック氏の話は続きます。できる限りトナカイへ餌を与えるのを避けると。長期的にみてトナカイに餌を与えることによってどのような影響を及ぼすか誰もわからないからです。彼自身トナカイらの行動に影響が出ないか(雪下にある餌を自分で探すことが出来なくなるのではないか)と心配しています。
農民の生活
エサを与えることはトナカイ所有者にとって大きな変化を意味します。
朝、晩にエサを与えるようになり、まさに農民の生活。今までのような伝統的なトナカイ所有者ではなくなります。とトールエリック氏は言います。
しかし、トナカイ飼育はトナカイ所有者が他の選択・生き方を選ぶこともできるという大きな変化に直面しているのでは。
いいえ、そんなことは私の世界ではありえない。トナカイ飼育は私の遺伝子の一部、それは私であり、私のアイデンティティ、私の人生であります。とニーラインガ氏は言います。


ノルウェーのトナカイ落雷で大量死

2016-08-31 | 北欧情報

これはラップランドではなく、オスロの西約150キロ 位に有るベルゲンに近い国立公園での出来事らしい。

先週金曜日、落雷で323頭のトナカイが直撃を受けたそうだ。

さっそくスウェーデンに住むサーメのトナカイ組合のボスにこんなことが過去に有ったのか聞いてみたが、Noと言うことだった。

このトナカイは国立公園に住む野生のトナカイだが、集群れで暮らす習性が有る。激しい雷雨の中、身を寄せ合って大量死につながったものと思われる。雨で地面が水浸しになっていたのだろう。


2016異常気象

2016-07-24 | 北欧情報

今年は梅雨明けしたものの、太平洋高気圧が弱いため涼しい夏となっている。山では9時過ぎになるとガスが発生し眺望は悪い。熱中症にならなくて良いがカラリとしていない。台風はこれまで1号が発生したが2号が未だ発生していない。このまま8月3日まで発生しないと観測史上最も遅い記録更新となる。近年では2010年7月12日に台風2号が発生しているが、2010-11の冬は全国で131人もの犠牲者を出す豪雪となった。台風の発生が遅いと豪雪に繋がりやすいのではないか?と思う。しかし、世界的には反対の現象も起きていて、最近21日から23日でスウェーデン最北の都市キルナでは最高気温が20℃以上の日が続き、23日19時で24℃を超えている。知人の住む北極圏キルナの隣町イェリバーレでは23日はスウェーデン中の最高気温30℃以上だったという。毎年5月にハワイ島で観測している二酸化炭素は今年407.7ppmで過去最悪の上昇という。南極の氷からの分析では過去80万年無かった記録だそうで、温室効果ガスである二酸化炭素量の減少は見られず、このまま無策では地球環境の大きな変動を回避できないと思う。フロンガスは世界的規制に取り組んだ所、オゾンホールの回復が見られたという。(短期的で実質効果かどうかは分からないが)氷河に覆われたスウェーデン最高峰ケブネカイセの主峰交代は今年現実のものとなるかも知れない。


スウェーデン最高峰のケブネカイセ山と新たな2,000m峰発見のニュース

2016-07-18 | 北欧情報

ケブネカイセ山は氷河に覆われたスウェーデン最高峰で、年々氷河が融けて低くなっている。一方隣にある北峰は岩稜の山で、やがてこちらの方が高くなるのではないか?と言われている。毎年8月末にストックホルム大学の研究チーム(Tarfala Research Station)がGPSで観測を行っている。Facebookの情報によると今年は6/30日に計測を行っていてまだ3.4m高いそうだが、これは昨冬の雪が残っているからで、その雪も融け始めているという。今年は定期的に計測するそうで、いよいよ最高峰交代が現実になるのかも知れない。地球の温暖化はスカンジナビアの北極圏にまで影響を及ぼしている。写真は2008年登頂時のもの。奥が北峰

もう一つは先週のニュースで、ケブネカイセ山の北約15Kmに位置するショルマチョッカはこれまで1,997mと表記されてきたが、最近の計測で2,004m有ることが判明したそうだ。北極圏において2,000m峰は中緯度地帯では5,000m位の気象条件と思うと良い。(気圧は関係ない)写真は2007年に撮影したものだが、左から4番目の奥のピークがそれだと思われる。

http://www.op.se/allmant/inrikes/ny-fjalltopp-over-2-000-meter-hittad-1


エコな揚水ポンプ

2015-07-20 | 北欧情報

2010年にStaloluokuta(スタロールオクタ)で初めて見た川に浮かんだスクリュー式揚水ポンプ。今回もスタロールオクタで活躍中!パーレの娘の新居でも活躍中。旦那は器用な男で自宅やサウナ付ゲストハウスを新築中。揚水ポンプは100m程離れた川から飲み水をキッチンに供給。このタイプのポンプは8mの揚水能力が有るという。製造メーカも分かったので、日本にも輸入しようかなあ?農業用水や園芸用として活用できそうなエコポンプだ!

  

スクリュー型ポンプ


ラップランドの動物

2015-07-20 | 北欧情報

ラップランドには日本の高山帯と同じ生き物が生息している。それはかつて氷河期に分布し、温暖化すると共に一部は高山帯に、一部は高緯度地方に残ったからだ。ゆえに日本の高山帯は北極圏の動物のみならず、植物も高密度でひしめき合っている。ライチョウ、イヌワシ、オコジョ、ヒグマなどは共通している。今回はヒグマの足跡を2回見かけた。地元民に見せたら驚いていた。こちらでも滅多にその姿は見せないらしい。ヘリで移動の際、途中サーメの村に降りて乗り込んだ犬。おじさんの息子が昨年3頭捕って、この犬はベアドッグだと言っていた。顔がクマに似ている。

また長年追い続けてきたヘラジカに、苦労の末会う事が出来た。地元の人に教えて貰わなければ発見できなかった。距離を詰めようと回り込んだら、正面に行きすぎて先に気付かれてしまった。座った姿は岩のよう、立った姿は首の短いキリンだった。

レミングはパジェランタに大繁殖している。かつてこのような事は無かった。クングスレーデンでもしばしば見かける事が出来た。

     

 


北欧ラップランド StaloluokutaからRitsemへ

2015-07-19 | 北欧情報

2010年にはノルウェー側のスリチェルマからリッセムまでを歩いた。今回は次の予定も有るので、合流点のスタロールオクタからリッセムまではヘリを使って空からの眺めを楽しむことにした。約70キロを30分足らずで飛ぶ料金は2万円弱とそれほど高くは無い。

staloluokuta1

     

staloluokuta 2

staloluokuta 3


北欧ラップランド Reindeer cross the river

2015-07-19 | 北欧情報

今シーズンのラップランドは25年ぶりの冷夏という。例年各地でこの時期に行われるトナカイマーキングもまだいつ行われるか分からない。そんな中、トナカイは雪が融けて芽吹いた草原に集まっていた。親の後を追い、懸命に川を渡る子どもトナカイのしぐさが可愛い。

 

River cross reindeer 2015 Lapland


北欧ラップランド Reindeer fence working

2015-07-18 | 北欧情報

今回のラップランドセカンドステージでは、シトヤウレに住む知人の仕事を手伝う事だった。トナカイフェンスの設置作業を体験してみたが、かなりの重労働だった。この地で何千年もの間、トナカイと共に暮らしてきた彼らはとてもパワフルで、石ころだらけの大地にガンガン杭を打ち込んでいく。

      

2015 Laplamd Reindeer fence working 

2015 Lapland reindeer fnce working-2


北欧 ラップランドから帰路へ

2015-07-15 | 北欧情報

ラップランドトレッキングを終えて、イェリバーレのキャンプ場コテージで2泊。現地に居る日本人宅でスウェーデン人と日本に留学経験の有る若者などと尽きることの無い語り合い。全員ラップランドを歩いた事がないのには驚く。ましてやサーメの土地でトナカイの仕事をするなんぞ、スウェーデン人でも他の外国人でもあり得ないと聞かさせる。白山の麓に居て白山に登った事の無い人が多数と同様。

今日は最初に宿泊したルーレオまで戻って、自炊生活から解放され、街角のレストランでスウェーデン最後の夕食。ボスニア湾に面した北極圏に近い地方都市ながら都会的。

台風直撃が心配される関空はどうなるのだろう? 

  


北欧 ラップランドトレッキング 後記

2015-07-13 | 北欧情報

シトヤウレからサルトルオクタに戻り、一晩を過ごした。大変眺めの良い所に100年以上の歴史を持つ建物が有る。サウナからの眺めも最高。気温は10℃そこそこ。暖炉の暖かさが嬉しい。日本は36℃の猛暑とか。バスでイェリバーレに来て、キャンプ場のコテージに泊まる。外には続々とキャンピングカーがやって来ては外では沈まない太陽を皆が満喫している。こちらは本格的な夏休みがスタートした様子だ。

    


北欧ラップランドトレッキング 第2ステージ

2015-07-12 | 北欧情報

後半戦はシトヤウレに住むサーメの 知人の所へボートで渡り、トナカイフェンスの杭打ちや、薪割りその他雑用をして過ごした。

貴重な体験はまた別にレポートするとして、心のこもった食事、親戚近所たくさんの出会いが有りシトヤウレを後に。

クングスレーデンはそこそこ行き交う人も多いが、それでも30人程度。

ワンコも自分の食糧担いで頑張っていた。

     

 


北欧 ラップランド パジェランタレポート

2015-07-08 | 北欧情報

今年のラップランドは大変雪が多くて、まだ誰も通過していないと出発地のクピックヨックで聞かされて、緊張のスタートとなる。クピックヨックからリッセムに向けて北上している者もどこまで行けて居るのか?対向する者が居ないので探りながらの初日だった。この日は雨が激しく普段は何でもない川が雪解け水で氾濫し橋は水没、岩がゴトゴト音を立てて流れていく。何とか立木に助けられれながら通過する。この時点で股下はびしょ濡れで、やむなく山小屋利用とする。小屋ではガンガン薪をたき、朝までに何度も起きて薪を加えながら靴も完全に乾かす事が出来た。2日目からは天候に恵まれ順調に進む事が出来た。サマラッパ周辺ではヒグマの足跡を2回見かけた。タラロッパルではヘラジカの撮影に成功した。その先標高900メートルを越えると、湖は完全に凍っていた。スノーブリッジが崩落した凍りついた川では靴を脱いでの渡渉だった。2010年のノルウェー国境よりはましだったが…。氷の薄い所や雪が融けている所など日々状況は変化している。トゥオッタル周辺は水浸しで、薄氷の上を冷や汗で歩いた。最初の目的地スタロールオクダで何とか辿り着く事が出来た。

スタロールオクタで、サーメの人に聞いたら今年は25年ぶりの冷夏だそうだ。パジェランタを歩いている人はまだ極めて少ない。

    


パジェランタの情報収集

2015-07-03 | 北欧情報

5年前父親と歩いていた時知り合った彼は、その後航空関係の学校に行き、現在はクビックヨックに拠点を置く航空会社でメカニックとして現場で働き、将来はパイロットになるという。都合良く先月末から8月一杯クビックヨックの事務所に居ると言うので、情報収集のために彼を訪ねた。

既にヘリでパジェランタレーデンやその周辺の点検は終えていて、橋は全てOKと言う。今回最も高い所の区間(タラロッパル~トゥオッタル)は相当雪が多くて困難と聞く。山小屋のスタッフも、今シーズンはスタロールオクタ側からは、まだ誰もこちら側に越えて来ていない。と言っている。まだ始まったばかりの北欧トレッキングシーズン。その扉をこじ開けるのは誰だ?などとは無理しないで様子見して来たい。

  


北欧 ラップランド クビックヨックへ

2015-07-02 | 北欧情報

今日はルーレオから列車とバスを乗継ぎ、ようやくパジェランタルーデンのスタート地点にたどり着いた。今年はまだまだ雪が多くて、反対側のスタロールオクタから越えて来た者はまだ居ない。と山小屋のスタッフが言う。雨でガスが出れば相当難しいだろうなあ。と理解する。