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山の法話21 夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡~芭蕉~

2022-09-18 | 山の法話

今年は梅雨明けが特定出来ないという気象庁の発表通り、高温多湿状態が続き、2,000mの高山帯の9月でさえ、まだブヨが発生して痒い思いをしている。そういえば未だ赤とんぼの集団も里に下りずに群れ飛んでおり、近年の気候の変化で高山帯の環境も大きく変化したと感じている。多種多様な花を咲かせている高山植物の玉手箱であるお花松原を例に取ると、最近目立つのがオンタデ、ベニバナイチゴ、イネ科(コメススキ?)である。

例えばイネ科の植物は登山道に繁茂し足下にまとわりつくばかりか、チングルマやアオノツガザクラの群落の下から葉を出して来ていて、やがて花畑を包み込んでゆくだろう。

ベニバナイチゴは勢力が強く上の写真のようにアオノツガザクラやチングルマに覆い被さり、下からはイネ科(コメススキ?)が伸びて来て、高山植物の群落を挟み打ちで駆逐している。

オンタデは9月上旬に葉が枯れ始めるので、この時期見つけやすい。かつてクロユリの群落も今はオンタデ畑に置き換わってる。

産業革命から僅か200年足らず、人類は急速に滅亡に向かっているのにも関わらず、国境のいざこざは次々と起こり、無駄なエネルギーの放出を止めようとするどころか、尚更勢いを増して火花を散らしている。

現代において、芭蕉が想いを馳せた兵(つはもの)を人類と読み替えると分かり易い。この植物たちは環境変化に対応し領分を譲り合っているが、人類はこの営みに学ぶ事が出来ないで居る。



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