何故酔えぬ
酔うて酔うて 酔い潰れたし
なのになのに 冴えわたる
グラス重ねて 酔い廻らぬに
冴えてきしの 恨めしや
酔うて酔うて 酔い潰れたし
なのに なのに
酔いて潰れぬ 苛立たしさよ
全ての記憶 ほおり投げたしや
酔うて酔うて ほおりたし
つまらぬ気を 消し去りたき
全てを 今の今を忘れたきや
全てを無にせんと
今宵もグラス 重ねしに
無は遠ざかり 苦悩だけが
苦悩だけが 迫りくる
煩わしき 煩悩
今も今も 我を包みしや
無ならんと欲する 我を包みし
煩悩 覆い被さり 包みしや
煩悩 覆い被さり 支配する
ああ無情なり この世は
呑んでます 呑んでます
ひとり寂しく 呑んでます
喧噪忘れて 呑んでます
孫たち去りて 呑んでます
今年も始まる 独り暮らし
新年早々 ひとり呑み
今年も始まる 愚痴世界
愚痴って愚痴って 過ごします
呑んで酔うて 愚痴ります
愚痴りの多い この世界
愚痴らず過ごすは 至難ぞえ
あれやこれやと 愚痴ります
呑んで酔うて 愚痴ります
新年早々 愚痴ってる
愚痴って過ごす 始まりや
今年も元気に 愚痴ります
酔うて酔うて 愚痴ります
愚痴る生甲斐 目覚めてる
知らなんだ 知らなんだ
過ぎし年が 前厄とは
酔うて酔うて 気が付きし
思えば何と 多き事
思いもよらぬ 想定外
想定外が 次々と
起こりし年の 過ぎゆくや
己の人生 終わりかと
覚悟を決めし 年も今
過去となりて 本厄へ
今から 戦々恐々
今年はいよいよ やって来る
年貢の納め時 やって来る
そんな気持ちに なりし添え
前厄 本厄 後厄と
人生最大 曲がり角
いよいよ人生 終わりかと
今年は何が 待ってるや
酔うて酔うて 怯えてる
過ぎて来た 過ぎて来た
全てを飲み込み 過ぎて来た
去年と言う年 過ぎて来た
酔うて酔うて 過ぎて来た
分かれ道 人生の
ターニングポイント その年が
過ぎて来た 過ぎて来た
酔うて酔うて 思い出す
人生これで 終わりかと
そんな年が 過ぎて来た
終わりと思いし その年が
過ぎて来た 過ぎて来た
新し年が 待っていた
全てをリセット したき年
やって来た やって来た
新しき年 やって来た
酔うて酔うて 思いしや
新し人生 始まるを
思うて思うて 迎えしや
新し年の 迎えしや
酔うて酔うて 来るを待つ
酔うて酔うて 待ち遠し
孫ら元気な 声来るを
年に数度の 顔見るを
酔うて酔うて 待ち遠し
正月迎え 孫たちの
声聞けるを 待ち遠し
酔うて酔うて 見るたびに
見紛うばかりの 成長に
酔うた心に 頼もしや
幼き頃と ダブり見え
酔うた心に 嬉しきや
孫らの成長 頼もしき
己の老いも つい忘れ
若き命の 息吹に
酔うて酔うて 気とも若返る
今か今かと 来るを待つ
酔うて酔うて 待ち受ける
酔うて酔うて 迎え来る
新しき年 いかなりし
昇り来る 初日の出
酔うた目には 眩しけり
酔うて酔うて 始まりし
新しき年が 干支の年が
酔うて酔うて 迎えけり
今年の抱負 敢えてなし
酔うた酔うた 頭には
決めたき気持ちも 有るけれど
旅することを 楽しみたし
酔うて酔うて 干支の年
干支は我が身の 戌年なり
幾度巡りし 干支なりや
酔うて酔うて 数えてみる
次なる干支は 巡り来るやと
とてもとても 自信無し
酔うて酔うて 思いしは
今年が最後の 干支なりと
思い新たに 迎えきし
酔うて酔うて 今年を迎えけり
酔うてます 酔うてます
去りゆく年を 振り返り
酔うて酔うて ゆく年を
思うてます 思うてます
何も残らぬ この年を
酔うて酔うて 捨てゆきます
新しき年の為 酔うて
酔うて 捨て去ります
下らぬ過去など 捨て去ります
来る年 来る年 新しき
新しき年を 迎えます
酔うて酔うて 迎えます
大きな夢も 野望さへ
抱かずに抱かずに 迎えます
平々凡々 望み見つつ
酔うて酔うて 迎えます
全ての過去を 今日までの
酔うて酔うて 捨て去ります
全ての全てを さっぱりと
捨て去ります 過ぎゆくを
酔うて酔うて さよならです
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