悪くはなかったのだが、「まあ、あんまりいじりたくないから
しばらく様子をみましょう」と、いつも簡易手当。
私も切った張ったが怖いものだから、すぐに頷く……
というわけで、問題の根本解決を先延ばしにしてきた。
が、歯がまともでないと、何をしてもどこへ行っても気分は鬱。
40代の頃(一番働いていた頃)のような凄まじい肩凝り、
それに伴う頭痛、体のだるさに襲われ、ついに決心した。
「強く決断を促してくれる」歯科医院に、友人の紹介で鞍替え。
行ったらもうその日に、問題じゃない(はずだった)方の
奥歯を抜歯。さらには、あっちもこっちもそっちも問題が
あるということを説明され、一番の問題だったはずの歯は
他をすべて治療してから、ということになった。
というわけで、酷暑の中、週二回の頻度で歯医者通い。
その間に誕生日を迎え、世に言う高齢者の仲間入りをしていた。
柔らかいものしか口にしてないにも関わらず、こわごわ
噛んでいるせいで胃腸はずっと消化不良状態。
と、こう書いていて気がついたのだが、歯科へ行く時、
たいていの人は(私もだが)「歯医者へ行く」と言う。
「今日、歯科へ行くの」と言っても「シカ?」と
首をかしげられるだけで、しかとは通じない。
眼科は歯科よりも言葉の響きとして通じやすいが、それでも
「眼医者」ということが多い。
「歯医者」も「眼医者」も場所ではなく人物なのだから
使い方としてはおかしいのだが、なぜか昔からそうだった。
なぜだろう……なんてことを、待合室で順番を待ちながら考える。
そうか。他の科は診療の守備範囲が大きい。
おなかが痛くても風邪っぽくても内科へ行く。
足だろうと手だろうと、怪我をすれば外科だ。
喉が痛いときは「喉医者」じゃなくて耳鼻咽喉科だし。
だけど歯科はほとんど歯だけだし、眼科は眼だけ。
だから親しみをこめて「歯医者さん」「眼医者さん」になったのかも。
で、その歯医者さんでは、麻酔注射くらいしか痛いことは
されないのだが、口の中でドリルが回ってたり尖った金属が
這い回ってたりということを想像するだけで恐怖の極地に達し
治療中は筋が浮きまくるほど拳を握りしめている。
ぐったりして、半死半生の態で帰宅。
オリンピックだってしっかり観ようという気にはならず、チラ見だ。
まあだけど、凄い。長い不景気が続いたし、3・11から
まだ一年半もたってないというのに、日本はメダル・ラッシュ。
スポーツの強化政策がとられていたそうだが、それにしても驚いた。
あんなことがあっても日本は強いんだよ、全然、めげてないよ、
ということを世界に示し、なにより日本国民自身を勇気づけたた
という点で、これは素晴らしい成果だった。
しかし一方で、私のように心身ともに「弱者」となりつつある人間は
こんな強い国の国民でいては申し訳ないような気分になり、
なにかこう、よけい隅の方に縮こまっていったりするのである。
片陰に野良猫と我黙し居り
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