たまらんなあ、と喘ぎつつも、神奈川近代文学館で
開催されている「佐藤さとる展」に行ってきました。
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若い人にとって、横浜を象徴する場所はみなとみらいかもしれません。
でも私の世代では港の見える丘公園でした。
二十歳の私は、憧れの元町を通り、谷戸坂をのぼっていったものです。
その後、ここにはバラ園、大佛次郎記念館、イギリス館、
近代文学館などが誕生し、より横浜らしい場所となりました。
眺めもいいですねえ。しばし暑さを忘れます。
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佐藤さとるは、あの「コロボックル物語」の作者です。
写真は撮れませんでしたが、展示は非常にボリュームがあり、
佐藤さとるの世界、コロボックルの世界に、贅沢なほど
浸ることができました。
村上勉の原画も溢れるほどたくさん!
佐藤さとるは横須賀市の逸見というところで
生まれ育ったのですが、コロボックル物語も
そこから始まります。
緑深い山や谷を、私は横須賀在住の友人F氏に
案内していただいたことがありました。
ご自宅に「コロボックル野外図書館」を開設されている
ユニークな方ともお目にかからせていただきました。
逸見の塚山公園には安針塚があります。
1600年、リーフデ号で日本に漂着したイギリス人、
ウイリアム・アダムスを記念したものです。
徳川家康の信を得て、三浦按針という日本名を与えられ、
航海、造船、外交の技術などを日本に伝えました。
按針は「ガリヴァー旅行記」の作者、ジョナサン・スゥイフトとも
交流があったようで、按針からスウィフトに宛てた手紙が残されています。
「ガリヴァー旅行記」に出てくるのは架空の国々なのですが
唯一、日本だけが実名で登場。さらに、ガリヴァーが物語の中で上陸した
「ザモスキ」というのは「観音崎」ではないかと言われています。
漂流の末、日本で暮らすことになった三浦按針こと
ウイリアム・アダムスの冒険的生涯が、「ガリヴァー旅行記」
に大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。
佐藤さとるの作品にも、コロボックルと
「ガリヴァー」が出会うという作品があるそうです。
コロナ禍とあって、近代文学館は独りでも要予約ですが、
こんな時だからこそお勧めです。
ゆったりと、ファンタジーの風に乗ってみましょう。
9月26日まで開催してます。